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【時をかける少女】(2006)タイムリープを巡る高校生のひと夏の恋。細田守の代表作。

2006年に公開された映画【時をかける少女】は、筒井康隆の原作小説「時をかける少女」から20年後を舞台に、細田守監督によって新たに制作されたSFアニメーション映画です。本作は、当初公開規模は小さいながらも口コミで話題になり、さらに多くの映画祭で賞を受賞するなど、国内外で高い評価を受けました。キャッチコピーは「待ってられない 未来がある。」を、ぜひ。

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【時をかける少女】あらすじ

7月13日、真琴(仲里依紗)は密室の理科準備室で不審な人影を目撃し、追いかけた勢いで転倒した瞬間、不思議な時の空間に迷い込みます。

その帰り道、電車の踏切前で自転車のブレーキが壊れていることに気付かず、坂道を猛スピードで駆け下り、そのまま線路内に投げ飛ばされてしまいます。

その瞬間、真琴は死を覚悟しますが、次の瞬間、数秒前にいた踏切前の坂道で自転車から転倒していました。

初めは何が起こっているのか分からずにいた真琴ですが、次第に「タイムリープ」のコツをつかみ、自分にとって都合のいいように時を操るようになります。

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キャスト情報

《紺野 真琴/仲 里依紗》

原作小説の主人公 芳山和子の姪で、本作の主人公となる高校2年生の女の子です。

男友達の千昭や功介と野球したりカラオケに行ったり、よく3人で放課後遊んでいます。

真琴の声を演じたのは【羊と鋼の森】(2018)、【ハラがコレなんで】(2011)など数多くの作品に出演する女優の仲里依紗です。

なお仲里依紗は、実写映画版の【時をかける少女】(2010)でも主演を務めています。

《間宮 千昭/石田 卓也》

1年前の高校2年生の春、真琴たちのクラスに転校してきた男の子です。

密かに真琴のことを意識しており、下校中に告白しますが真琴のタイムリープによってなかったことにされてしまいます。

千昭の声を演じたのは【夜のピクニック】(2006)、【リアル鬼ごっこ】(2008)などの作品に出演する俳優の石田卓也です。

本作は高校生のフレッシュさを演出するため、声優ではなく俳優やモデルなどの現役高校生が多く起用されており、仲里依紗と石田卓也は本作で声優初挑戦となりました。

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タイムリープの解説と考察

タイムリープとは?

タイムリープとは、自分が念じた過去に戻ることができる能力のことを指し、使用回数は限られています。

真琴が理科実験室で見つけたクルミ型の装置は、タイムリープできる回数をチャージするもので、触れると使用回数を表した数字が腕に刻まれます。

真琴がタイムリープを発動する場合は、助走をつけてジャンプすることがトリガーとなっており、本作の中で何度も転んだり、物にぶつかったりしている様子が描かれています。

真琴はこの能力を手に入れ、抜き打ちテストで高得点を取ったり、カラオケを何時間も楽しんだり、千昭の告白を避けたり、様々な場面で使用します。

タイムリープの使用回数に限りがあること、時を戻しても自分が望みどおりにならないことを知った真琴は、時を巡る中で次第に本当に大切なものに気付いていきます。

未来からきた人物

千昭が友人と付き合ったり、功介が後輩から告白されたり、千昭や功介の恋愛のフォローをする中で真琴は、千昭が好きという自分の気持ちに気が付きます。

しかしタイムリープを繰り返す中で、千昭は未来から来た人間であること、未来から来たことをその時代の人間に知られると姿を消さなければならないことを知ります。

千昭は、真琴にこれらの事実を話してしまったことを後悔しますが、真琴が残してくれたタイムリープの最後の1回で未来に戻ることになります。

「未来で待ってる。」

映画のクライマックスで千昭が真琴にかけた言葉は、本作を代表する名シーンとなっています。

千昭がいなくなった後に真琴と功介が語り合うシーンでは、どこまでも広がる入道雲と夏空が描かれており、真琴の晴れ晴れとした気持ちを表しているようで印象的でした。

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細田守の出世作

本作は国内外で多くの映画賞を受賞し、細田守監督の名前を世に広めた作品となりました。

高校生らしい青春や恋愛模様に、タイムリープというSFの要素が加わり、子どもから大人まで幅広い年代で楽しめる作品となっています。

本作の主題歌「ガーネット」「変わらないもの」は奥華子が担当しており、優しい歌声が物語の雰囲気にマッチし、切ない気持ちになります。

また「時をかける少女」の物語は、1983年の原田知世主演の映画で人気を博し、それから2度の実写映画化、テレビドラマ化、アニメ映画化、舞台化されるなど様々なコンテンツで楽しむことができます。

ぜひ、ご覧下さい。

©「時をかける少女」製作委員会2006