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【プリデスティネーション】ネタバレと解説。全ては自分、タイムパラドックスが生んだ数奇な運命。

プリデスティネーション
©2013 Predestination Holdings Pty Ltd, Screen Australia, Screen Queensland Pty Ltd and Cutting Edge Post Pty Ltd

映画【プリデスティネーション】ネタバレと解説。予測不能の展開と想像を絶する結末が待ち受ける。ロバート・A・ハインライン原作のパラドックス小説「輪廻の蛇」を映画化。そこに”居る”のは誰なのか、究極の輪廻に惑わされる!

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【プリデスティネーション】あらすじ

序章

男は、連続爆弾魔フィズル・ボマーを阻止するため別の時代にいた。

そして、仕掛けられた爆弾の解除をしていた時だった。

後ろに気配を感じ、持っていた拳銃で発砲すると相手も打ち返してきた。

男は、銃弾が止むと同時に爆弾を密閉容器に入れようとしたが、直前で爆発し顔に大やけどを負った。

近くにあったケースを必死に取りに行こうとした時、発砲していたであろう男がケースを近くに寄せる。

すると男は、ケースを抱えると一瞬のうちに姿を消したのだ。

自分がいるべき時代に戻った男は、移植手術により全く別人の顔になっていた。

数か月後、男は再びフィズル・ボマーを捕えるべく任務に向かった。

1970年のニューヨークのバーに、ジョン(サラ・スヌーク)という青年が現れた。

バーテンダー(イーサン・ホーク)は、あることからジョンの身の上話を聞くことになる。

ジョンは話し始めた。

「わたしがまだ少女だった頃……」

実は、ジョンは女の子として生まれてきたのだ。

そしてここから、ジョンがジェーンという少女だった時のシーンになる。

ジェーンは赤ん坊の時に孤児院の前に捨てられ、ずっとその孤児院で育てられた。

小さい頃から”違和感”を持っていたが、気にしないまま18歳となり、ある出来事によって初めてその違和感を知ることになる。

大学に通っていたジェーンは、ある男性と出会って恋に落ち妊娠した。

相手の男性とは愛し合っていたが、なぜか男は「すぐ戻る」と言った後に忽然と姿を消してしまう。

ジェーンは18歳という若さで女児を出産しシングルマザーとなったが、出産に立ち会った医師から驚くべきことを告げられた。

彼女は、女性と男性の両方のものを持っていたというのだ。

ただ、出産で出血が多く命の危険があったため卵巣や子宮を摘出し、男性の方の尿路を作りだす再建手術を行ったと聞かされた。

つまり、ジェーンは女性ではなく男性になったのだ。

さらに生後1週間経過したある日、ジェーンの娘は病院から連れ去られてしまった。

ある男

話を聞いたバーテンダーは、ジョンを店の地下に連れて行き”時標変界キット”を取り出すと、ジョンを1963年に連れて行った。

バーテンダーは時空警察だった。

引退を決めていたバーテンダーは、自分の後を引き継ぐのを条件に、ジョンにその時代の帽子やコート、札束と男に復讐するための拳銃を手渡した。

ジョンは、バーテンダーの提案を受け入れ自分を捨てた男に復讐すべく、コートに拳銃を忍ばせると男と出会った大学で待ち伏せしたのだ。

そこに、女性だった頃のジェーンが現れジョンに声をかけて来た。

ジョンは後ろを向きながらジェーンと会話をしたが、驚くことに会話は自分がジェーンだった頃の記憶を同じだったのだ。

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【プリデスティネーション】ネタバレ解説

ジェーン=ジョン

ジョンは、1963年で女性だった頃の自分と出会い恋に落ちた。

つまり、自分を捨てた自分に復讐するためにタイムスリップしたことになる。

もちろん、ジェーンも愛した男が未来の自分だったことを知らず、ジョンもまさか自分が過去の自分を愛したとは知る由もなかった。

ジェーンは妊娠したが、お腹の子ももちろん未来の自分との間の子だった。

ジョンは女性だった頃の自分を心の底から愛したのだ。

それを知った時、ジョンはバーテンダーに銃口を向けて「わたしをハメたな!」と激怒し、その時代に残ると言った。

しかし、バーテンダーから「変えられない物事もある、去るしかない。お前は彼女を見つけ、自分を理解した」と説得され、ジェーンの前から姿を消したのだ。

さらに、バーテンダーはこの時「俺のこともわかるだろ」と言った。その意味は……。

また、時空警察の幹部ロバートソンがバーテンダーに「未来への種はまき損ねるな。」と言い残して去っていく。

その直後、バーテンダーはジェーンの産んだ子供を連れ去って1945年にタイムスリップし、孤児院の前に赤ん坊のジェーンを置いてきた。

「いい旅を、ジェーン、強くあれジョン」と言い残して。

実は、孤児院の前に置かれた赤ん坊は、バーテンダーが未来から連れ去ったジェーンとジョンの子供であり、ジェーンでありジョン本人であるという解釈になるのだ。

フィズル・ボマー=?

バーテンダーは、連続爆弾魔フィズル・ボマーを捕えるため足取りを追って過去にタイムスリップした。

そして、仕掛けた爆弾の前にいたフィズル・ボマーを思わしき人物の背後から様子を伺うも、気づかれて銃撃戦となる。

ところが、この男こそがジョンだったのだ。

つまり、冒頭で撃ち合いになった男、顔が焼きただれた男こそがジョンであり、ジョンにケースを渡したのがバーテンダーだったのだ。

バーテンダーは、火傷を負ったジョンを1985年の時空警察に運ぶと、引退前最後のタイムスリップをした。

ジョンはその後、移植手術を受けてバーテンダーの顔になった。

バーテンダーが最後に向かったのは、フィズル・ボマーがニューヨーク市民を巻き込んだ大規模な爆発事件が起きる1975年のニューヨークだった。

しかし、この時点でバーテンダーはまだ知らなかった。

バーテンダーは、フィズル・ボマーの足取りを追ってついに奴を捉えた。

ところが、男は何と自分だったのだ。

全てがひとつに繋がる

ここでもお分かりいただけたろうか。

ジェーンもジョンもバーテンダーも、全てはひとりなのだ。

ジェーンは孤児院で育ち、幼いころから自分に違和感を感じていた。

ジェーンが大学生の頃、ジョンと出会って愛し合い子供が出来た。(ジョンは未来から来た)

バーテンダーが子供を連れ去って1945年に連れて行った。(実はジェーンは1964年生まれである)

ジョンは任務中に大やけどを負い移植手術でバーテンダーの顔となる(ジョンとバーテンダーも同一人物)

バーテンダーは一向に捕まらない連続爆発魔を追い続け、行きついた先には自分がいた。

つまり【プリデスティネーション】は、すべてがひとりの人物の輪廻の物語なのだ。

バーテンダーがジョンに言った「俺のことも分かるだろ」というのは、ジョンはバーテンダーそのものだということだった。

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【プリデスティネーション】の図解と感想

ジェーンは両親に捨てられた理由が分からなかったものの、全てが繋がった時、今までの人生は全て自分自身で選択してきたものだと理解しました。

これこそ本当の意味で、自分のことを究極に知り尽くした人物とも言えるでしょう。

ジョンは、男性になってから女性だった時の自分の顔を忘れていましたが、いざ出会ってみると余の美しさに惹かれてしまいます。

ジョンはそれが自分だと分かっていても、ジェーンからすればそれが未来の自分だとは知りません。

バーテンダーの顔も知らないのは彼が未来の自分だからで、バーテンダーもフィズル・ボマーの顔を見なければ未来の自分であることも知らなかったでしょう。

最後の最後でパズルのピースが全て埋まるという、巧妙かつ華麗な結末でした。

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