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”食”をテーマにした映画5選。食はどこから来たのか、食とは何か、食はどこへ行くのか。

ヒトはお腹が空くと何かを食べます。

単に空腹を満たすだけのために食べることもあれば、美味しい食事に舌鼓を打つこともあります。

あるいは、1人でゆったりと食事を取ることもあれば、家族や友人と集まってはにぎやかに食べることもあります。

食事の取り方は人によりさまざまですが、時には食事がその人にとってかけがいのない思い出になることもあります。

たとえそれがいい思い出ではなかったとしても、何かのきっかけで心に浮かぶことがあるのではないでしょうか。

そこで今回は、食べることとはどういうことかを考えながらも、食にまつわる思いが伝わるような映画を5選紹介します。

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「キッチン」

作品解説

「キッチン」出典:Amazon.co.jp

【キッチン】(1989) は、監督が【家族ゲーム】(1983) の森田芳光で、吉本ばななの同名の小説を映画化したものです。

この映画は男女の関係がとても不思議に描かれています。

みかげと雄一は、みかげの祖母を通じて知り合い、その縁から祖母の死後、みかげは雄一の家に暮らすことになります。

ですが、そこには母となった雄一の父もいることから、3人の共同生活が始まりました。

みかげと雄一はお互いに惹かれていくものの、恋人という関係でもなく、友人というには近すぎるようで、2人の関係は雄一の母を通じた関係のようなものともいえます。

ラストで大切な人というセリフは出るものの、好きというセリフが1度もお互いからでないという、これもまた一つの関係なのかと思えるような淡々とした恋愛物語です。

【キッチン】(1989) で食事の場面はいくつか出てくるのですが、原作でも映画でも印象的なのはかつ丼を食べるシーンです。

原作では、かつ丼は最後に出てくるのですが、映画では冒頭のシーンで二人が幸せそうにかつ丼を食べています。

いきなりかつ丼を食べる男女というのも不思議な感じがするのですが、雄一の母が大量に買ってきた寿司を二人だけで食べるシーンの寒々しさと比べると、食事というのはただ食べるだけではなく、自分にとってかけがえのない人と一緒に食べるのだから幸せなのだということが伝わるような映画です。

基本情報

公開・製作国:1989年、日本

監督:森田芳光

配給:松竹

キャスト:川原亜矢子、松田ケイジ、橋爪功

配信[Prime Video] (PR) [U-NEXT](PR)

©光和インターナショナル


Rotten Tomatos

批評家の評価|–%
オーディエンス評価|–%

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「地下鉄のザジ」

作品解説

「地下鉄のザジ」出典:Amazon.co.jp

【地下鉄のザジ】(1961) は、監督が【死刑台のエレベーター】(1958) の ルイ・マルで、レーモン・クノーの同名の小説を映画化したものです。

子どもが主役の映画というのはこれまでにいくつもありましたが、【地下鉄のザジ】(1961) ほど大人顔負けの子どもを描いた映画はないのではないでしょうか。

この映画に出てくる大人はどの人物もちょっと奇妙で、ひょっとしたら子どものザジだけがまともでないのかなと思えるような不思議な世界です。

ただ、子どもから見た大人の世界というのは、【地下鉄のザジ】(1961) ほどデフォルメされたものではないにしろ、現実の世界でも奇妙奇天烈に見えるものなのかもしれず、時にはザジのように大人をからかってみたくなることもあるかもしれません。

大人顔負けのザジがパリで出合う大人たちを翻弄し、何度も顔をくしゃくしゃにして笑って見せるのは、大人って自分たちが思っているほど大したことないよと言われているようで、大人になった自分は思わず苦笑いを浮かべてしまいます。

【地下鉄のザジ】(1961) の食事の場面でインパクトがあるのは、ザジが大量のアムール貝を食べるシーンです。

日本人にはあまり馴染みのない貝ですが、ザジがおしゃべりを続けながらもムール貝を食べ、いつの間にかテーブルの上に山のようにムール貝の貝殻が積まれているシーンはなかなか印象的です。

ちょっと風刺の効いた映画なので、食事の場面を見ても美味しそうには見えないのですが、このムール貝の場面はザジのように一度食べてみたいですね。

基本情報

公開・製作国:1961年、フランス

監督:ルイ・マル

原題:Zazie dans le métro

配給:ユニオン

キャスト:カトリーヌ・ドモンジョ、フィリップ・ノワレ、カルラ・マルリエ

配信:現在、配信中のサービスはありません

 Rotten Tomatos

批評家の評価|76%
オーディエンス評価|78%

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「深夜食堂」

作品解説

「深夜食堂」出典:Amazon.co.jp

【深夜食堂】(2015) は、監督が【バタアシ金魚】(1990) の松岡 錠司で、原作は漫画家の安倍夜郎です。

食べ物の思い出というのは誰もが1つや2つは持っています。

たとえそれが卵焼きやカレーライスなどと言ったありふれた食べ物であったとしても、その人の思いが込められるとかけがいのない食べ物になることがあります。

【深夜食堂】(2015) では、そうした思い出や郷愁を抱えた人たちがやってきては、小林薫演じるマスターに思い入れのある料理を作ってくれるように頼みます。

食事をしたからといって、それで何か問題が解決されるわけではないのですが、例え問題が解決されなかったとしても、生きている限り人は前に進んでいかないといけません。

【深夜食堂】(2015) は、前に進もうとするのを少しためらっている人にとって、立ち止まって自分をみつめる停車場のようなものです。

【深夜食堂】(2015) に人がやってくるのは、かって楽しかった思い出だけでなく、ちょっと辛かったかもしれないような思い出を、マスターが作ってくれた料理と共に、ほろ苦くも懐かしく噛みしめているからでしょうか。

噛みしめることで自分と向き合い、何とかやっていこうという気持ちにさせること、それが【深夜食堂】(2015) の本当のメニューなのかもしれません。

基本情報

公開・製作国:2015年、日本

監督:松岡錠司

配給:東映

キャスト:小林薫、高岡早紀、柄本時生、多部未華子

公式サイトhttp://www.meshiya-movie.com/

配信[U-NEXT](PR) [TSUTAYA DISCAS] (PR) [Netflix][hulu](PR) [FOD] [dTV ] [Prime Video] (PR)

©2015 安倍夜郎・小学館/映画「深夜食堂」製作委員会

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批評家の評価|–%
オーディエンス評価|–%

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「フードインク」

作品解説

「フード・インク」出典:Amazon.co.jp

【フードインク】(2011) は、アメリカの食品産業の様々な問題点を指摘したドキュメンタリー映画です。

コンビニエンスストアやスーパーマーケットに行くと、目が眩みそうになるくらいに様々な食品で溢れていますが、それらの食品がどのような過程を経てやってきたのかということを知っている人は殆どいないでしょう。

【フードインク】(2011) では、アメリカの食肉加工工場がどんな風にして肉を加工していくのかということを見せてくれるのですが、そこで見られる家畜は生き物というよりは効率のためにモノとして扱われていきます。

鶏は抗生物質を与えられるため通常の飼育よりも短い期間で大きくなりますが、急激に成長したためにまともに歩けなくなり、中にはそのまま死んでしまう鶏もいます。

あるいは、牛の餌として本来は牧草を与えないといけないのですが、牧草の代わりに余ったコーンを餌として与えたために、牛に大腸菌O-157が発生する原因にもなり、その肉を食べた子供が亡くなるという悲劇も起こりました。

また、こうした家畜たちを屠殺する食肉加工場はまるで巨大な工場のようでもあり、そこでは不法移民などが非人間的な流れ作業で家畜を解体していきます。

【フードインク】(2011) はあくまでアメリカの実情を描いているのですが、食品産業が消費者に知られたくない事実をこれでもかと描いていることから、加工食品が溢れている日本でも同じようなことがないだろうかという気にさせられます。

食べるということは生きていく上で大切なことなのですが、自分たちは果たしてどこから来た何を食べているのかを知ることも大事だということを、痛感させられる映画です。

基本情報

公開・製作国:2011年、アメリカ

監督:ロバート・ケナー

原題:Food, Inc.

配給:マグノリア・ピクチャーズ

配信[U-NEXT](PR) [Prime Video] (PR) [TSUTAYA DISCAS] (PR) [dTV ]

©Participant Media

 Rotten Tomatos

批評家の評価|95%
オーディエンス評価|86%

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「かもめ食堂」

作品解説

「かもめ食堂」出典:Amazon.co.jp

【かもめ食堂】(2006) は、監督が【バーバー吉野】(2004) の荻上直子で、群ようこの原作を映画化した作品です。

「何だかうまいこといかないなあ」という時は誰にでもあるものですが、とりあえず美味しいものを食べると、まあいいかと思える時もあるのではないでしょうか。

美味しい食事は人を幸せにし、とりあえず何か問題を抱えていたとしても何とかなるだろうと思わせる、【かもめ食堂】(2006) で小林聡美演じるサチエの作る料理を食べている人を見ていると、ふとそんな気持ちにさせられます。

そんな【かもめ食堂】(2006) の中で印象に残る食べ物といえば、やはりおにぎりでしょう。

とりあえずお腹が空いたのでおにぎりを握って食べるという場面がありますが、おにぎりがおにぎりであるのは、おにぎりを作った人の気持ちがそこに込められているからこそ、食べる人をほっこりとした気分にさせてくれるから。

コンビニエンスストアのおにぎりを食べるのとはまた、違った味がそこにはあるはずです。

【かもめ食堂】(2006) の舞台はフィンランドですが、映画を見て少し違和感を感じるのは、それが日本人の目を通して描かれたフィンランドだからでしょう。

そういう意味では、ムーミンの国でお洒落な食堂を日本の女性が切り盛りしているというのは、こんな風にできたらいいなという、ある種の憧れを映画化したともいえます。

基本情報

公開・製作国:2006年、日本

監督:荻上直子

芬蘭:ruokala lokki

配給:メディア・スーツ

キャスト:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ

公式サイトhttps://www.nikkatsu.com/movie/official/kamome-movie/

配信[U-NEXT](PR) [hulu](PR) [TSUTAYA DISCAS] (PR) [Prime Video] (PR) [Netflix]

©かもめ商会

 Rotten Tomatos

批評家の評価|–%
オーディエンス評価|–%

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