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【クライモリ】ネタバレと解説。逃げ場のない森の中で……。

©2020 Constantin Film Produktion GmbH

Writer:ocean yacht
Introduction

映画【クライモリ】は、2021年に公開されたホラー映画。<18年ぶりに帰還>を掲げて上陸したこの作品は、ホラー映画の代名詞とも言える【アナベル 死霊館の人形】(2014)、【バイオハザード】(2002)シリーズなどを製作した演出陣が製作を務め、2021年秋を鳥肌の立つ映画として挙げている作品です。本作は、アメリカ合衆国バージニア州のある田舎に、旅行に行った6人の若いカップルが、何者かによって攻撃を受け、命の危機に追い込まれるという様を描いています。公開された予告編では、動物の骸骨を被った人狩りのビジュアルが恐怖を極大化させ、罠に落ちた女性の凄絶な絶叫を暗示しており、ストーリーの謎を生んでいます。このように、オリジナル版を継いでもう一つの最強の恐怖を見せてくれます。

©2020 Constantin Film Produktion GmbH

Production

公開:2021年 アメリカ/ドイツ/カナダ/イギリス

原題:Wrong Turn

配給:AMGエンタテインメント

監督:マイク・P・ネルソン

キャスト:シャルロッテ・ベガ、ディラン・マクティー、エマ・デュモン、マシュー・モディーン

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【クライモリ】あらすじ

スコット(マシュー・モディーン)は行方不明になった娘を捜し、バージニア州地域までやって来ます。

警察官に尋ねてみるものの情報はなく途方に暮れている中、酒場で年老いたお祖父さんが「その子達を見た」と話してくれました。

6週間前、ジェン(シャルロッテ・ベガ)と5人の親友達は、バージニア州の村のアパレチアンでハイキングキャンプをしていました。

その村の宿では、「絶対に、細い道を離れるな」と警告が書かれていましたが、好奇心旺盛な彼女たちは道を離れてしまいます。

すると、次々と友達が死んで行ったのです。

怖くなった彼女たちが助けを求めている最中、偶然にも<財団>と呼ばれる共同体の村を発見しました。

そこは1800年代以降、アメリカ全域から移住した人々が生活をしている場所でした。

しかし、人里離れた場所で外部の影響から自分たちを守る為ため、躊躇なく行動する村人たちによって、ジェン達は恐ろしい事件に巻き込まれる事になるのです。

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監督と登場人物

マイク・P・ネルソン監督

マイク・P・ネルソン監督は監督兼脚本家であり、ケイト・ボスワース主演の【The Domestics】(2018)、全米で公開を控えている【’77】(2021)で知られています。

脚本は、オリジナル版【クライモリ】(2003)の原作を書いたアラン・B・マッケルロイが担当。

主人公:ジェン

©2020 Constantin Film Produktion GmbH

登場人物:キャンプ旅行先で謎の共同体と死闘を繰り広げます。

キャスト:シャルロッテ・ベガ

1994年2月10日にスペイン・マドリード出身の女優。

生後10ヵ月後の時にバルセロナに移り住み、多文化的な背景の影響で英語とスペイン語を操るようになり、現在もキャリアに生かしています。

出演作:スペイン映画【REC/レック3 ジェネシス】(2012)、【ダーケスト・ウォーター】(2017)、ディラン・オブライエン主演の【アメリカン・アサシン】(2017)、スペインTVドラマ【El secreto de Puente Viejo】(2013-2014)ほか。

スコット

©2020 Constantin Film Produktion GmbH

登場人物:ジェンの父親で、行方不明になった娘を捜しています。

キャスト:マシュー・モディーン

1959年3月22日、アメリカ合衆国カリフォルニア州ローマリンダ出身。

1982年にアメリカのテレビドラマ【Amy and the Angel】で俳優デビューし、1983年に【ベイビー・イッツ・ユー】でスクリーンデビューを果たしました。

出演作:【ビジョン・クエスト/青春の賭け】(1985)、【愛されちゃって、マフィア】(1988)、【メンフィス・ベル】(1990)、マイケル・キートン主演の【パシフィック・ハイツ】(1990)、アル・パチーノ主演の【エニイ・ギブン・サンデ】(1999)ほか。

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【クライモリ】シリーズ

【クライモリ】シリーズは2003年~2015年までの間に続編6作品を制作するなど、ファンを魅了し続けたホラー映画の金字塔です。

【クライモリ】(2003)が、本作でリブートとして生まれ変わり、ホラーマニアの胸を躍らせました。

2003年に初めて公開された【クライモリ】は、ロブ・シュミットが演出したアメリカ合衆国のホラー映画であり、【悪魔のいけにえ】(1974)と【ヒルズ・ハブ・アイズ】(2006)を組み合わせたような正統派スラッシャームービーです。

スラッシャームービー:スラッシュ(Slash)は、”切る”という意味の単語で、顔を隠したサイコや殺人鬼が映画の中の登場人物を理由なく無差別に殺す映画。

予期せぬ交通事故に遭った大学生達が、森の中をさ迷っている最中に入った小屋でバラバラの死体を発見し、そこで命をかけた脱出過程の中で繰り広げられます。

また、作中には残虐で恐怖に満ちたシーンが多いため、アメリカでは予告編に対する審議が21回も行われたほどでした。

シリーズ7作品:【クライモリ】(2003)、【クライモリ デッド・エンド】(2006)、【クライモリ デッド・リターン】(2008)、【クライモリ デッド・ビギニング】(2011)、【クライモリ デッド・パーティ】(2012)、【クライモリ デッド・ホテル】(2014)、【新クライモリ デッド・フィーバー】(2015)

しかし、驚くべきことに公開当時は口に斧の刃が刺さったシーンのポスターが審議を通過。

これにより【クライモリ】(2003)は公開され、モダン・ホラー小説家のスティーヴン・キングが「最高の映画」と称賛しました。

そんなシリーズを引き継いで誕生した本作は、20代の6人の若者がバージニア近郊でのハイキング中、南北戦争の遺跡地に足を運び、予期せぬ理由で道に迷い込んだというところから本格的な物語が展開されます。

6人は、1800年代から外部の世界を遮断して暮らす共同体の村で、部外者を徹底的に排斥する為に殺人まで犯す者に立ち向かいます。

本作では、そんな彼らの命をかけた凄絶な戦いと、脱出の過程をリアルに描き出しています。

また、主人公たちの職業や道を踏み外す設定を除き、<マウンテンマン>と呼ばれる殺人鬼に襲われるのが核心ポイントということもあってか、2003年版とさほど変わらない設定のようです。

前作とはストーリーの関連性はなく、米国社会の崩壊を恐れて山奥に隠れてしまった秘密の団体にスポットを当てています。

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新鮮で緊迫した演出

本作は、スコットが連絡が取れなくなった娘を捜しに出ることからストーリーが始まります。

スコットが娘の足取りを追っている中で、バージニア州の見知らぬ町で奇妙な村の人々に接するようになりました。

娘の写真を見せながら聞き回っても人々は変な反応を見せます。

このような場面を通じて、ずっと気になった事は、<村人達は、何故その山に住んでいる者たちの話をしなかったのか>

また、「ハイキングに発つ」というジェンたちの言葉に、「行ってらっしゃい、また会うけど」という老人の言葉は意味深で、これがどういう意味なのかは結末で明らかになりますが、村の人々の表情は<何故?誰が?>という疑問を抱かせ続けました。

なお、物語は原作とは違う方向に進んでいくため、より一層の緊張感が増していくはずです。

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【クライモリ】シリーズの魅力を生かしたシナリオ

本作は一見、若い男女が警告を無視して残酷に死んでいくというストーリーに思えますが、実は【クライモリ】(2003)のような突然変異の恐ろしい行為ではなく、異教徒の群れが住んでいる禁断の地域に入ってしまった彼らに、恐ろしい出来事が待っていた物語を描いています。

主人公一行が旅行先で酷い目に遭うという点は大きく外れていませんが、ただ遊ぶ事が好きな若者というだけではなく、概念のある若者として描写されています。

しかし、R-15指定だけあってか、主人公一行がブービートラップなどで残忍に死んでいったり攻撃するシーンは、それなりの迫力もあり残酷でした。

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新しい人喰い族

【クライモリ】(2003)シリーズは、創意的なキーリングとグラフィック的な性的内容、1970年代と1980年代に流行した古典スラッシャー映画として大きく期待されました。

本作に登場する人喰い族のキャラクター名は、猪の骸骨、ラームの骸骨、鹿の骸骨、オオカミの骸骨など、今までのシリーズと似たテーマを持っています。

また、【クライモリ】(2003)本来の食人種は3人兄弟で、それぞれの名前は彼らの身体的属性に基づいていました。

<長男:スリーフィンガー、次男:ソウ・ティース、三男:ワン・アイ>

スカルを使う事は一種の共同体を表していますが、恐らく彼らはハンターであり、死んだ旅行客に食を提供する事で彼らの地域社会の為の提供を担っているのでしょう。

【クライモリ デッド・エンド】(2006)では、彼ら以外の家族構成員を紹介し、【クライモリ デッド・ビギニング】(2011)ではシリーズの前編の役割をして、3人兄弟がどのように一時的な制度化をしたか、何故彼らが遺伝的突然変異に至ったのかなど、彼らの歴史について説明していました。

彼らは、楽しみや仕返しの為に狩りをする通常のスラッシャーとは違い、仕掛けた罠にかかった旅行客を殺す事は本当の目的の為の手段に過ぎないでしょう。

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人がもっと恐怖の存在だというストーリーテリング

映画の原題タイトルである”Wrong Turn”の意味は、”道を踏み外す事”だと言います。

タイトルに忠実な本作の中で「絶対に一本道を出るな」と教えてくれたアドバイスをもらったにも関わらず、一本道を出た彼らには良くない結末が待っていました。

本作のマウンテンマンは、理由もなく人を残忍に殺す変種人間というよりは、宗教集団の姿のように見えました。

マウンテンマンとは、近親交配や遺伝子の変異により生まれた醜くて特殊な姿をした人間。筋力が異常に発達し暴力的傾向を持つ。

「非常に長い間、山里の何処かで自給自足しながら生きている人々がいる。誰の干渉も受けずに暮らしているのに部外者がここに来る。自分達の存在を知った彼らを見逃すわけにはいかない。」

そう感じ取ったマウンテンマンの犯行よりも、更に恐ろしかったのは人です。

地獄のようなそこ・・から抜け出して、日常生活をするジェンの前に現れた共同体のトップであるジョンの姿には、一番恐怖を感じました。

なにより、鳥肌が立つ程結末が怖かった映画です。

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