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【スタンド・バイ・ミー】スティーブン・キングの自伝的な青春映画の傑作。

「スタンド・バイ・ミー」出典:Amazon.co.jp

Writer:sakura_kyoko
Introduction

【シャイニング】【ミスト】など多くの作品が映画化されているモダン・ホラー小説家スティーブン・キング。彼の非ホラー短編集におさめられている『THE BODY』が原作のこの映画【スタンド・バイ・ミー】は、大人になって小説家として成功した男性が少年時代のひと夏の冒険を思い出すという、キング自身をモデルにしたようなノスタルジックな内容となっている。

©1986 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

Production

製作:1986年 アメリカ

原題:Stand by Me

監督:ロブ・ライナー

キャスト:ウィル・ウィートン、リバー・フェニックス、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコンネル、リチャード・ドレイファス

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あらすじ

人気作家ゴードン・ラチャンス(リチャード・ドレイファス)は、弁護士となったかつての親友クリスが刺殺されたという新聞記事をみて12歳の夏の出来事を思い出していた。

オレゴン州のキャッスルロックという小さな町で暮らしていたゴーディ(ゴードンの愛称。ウィル・ウィートン)は、不良でリーダー格のクリス(リバー・フェニックス)、ちょっとイカれたテディ(コリー・フェルドマン)、のろまのバーン(ジェリー・オコンネル)といつもつるんで遊んでいた。

1959年の夏、レイ・ブラワーという行方不明の少年の死体が遠くの森の中に放置されているという話を聞いた4人は、それを発見してヒーローになろうと歩いて探しにいくことになった。

50km近く離れているその場所・ハーロウロードへ効率的に行くために4人は線路の上を歩いていく。

テディはいつも予想外の行動をする。

度胸試しに近づいてくる汽車をギリギリでかわすと言い張るテディを、クリスは無理やり線路から引きずり出した。

先を歩いていくバーンとテディの背中を見ながらクリスは、「あいつは20歳まで生きないな」とゴーディに言うのだった。

ゴーディは、キレた父親にやけどを負わされたのにその父をバカにされると泣いて怒るテディの気持ちが理解できない。

実はその年の春、ゴーディはアメフト選手として期待されていた兄デニー(ジョン・キューザック)を交通事故で亡くしていた。

両親の落胆ぶりは激しく、特に父親は「自分(ゴーディ)が死ねばよかったと思っているにちがいない」と悩んでいたのだ。

そんなゴーディにクリスは、得意の物語づくりの能力を生かして作家になれ、と背中を押すのだった。

その頃、クリスとバーンの兄たちが所属する町の不良グループのリーダー・エース(キーファー・サザーランド)も死体のことを知り、車2台で森へ向かっていた。

4人は近道のため森の中を進んでいく。

その夜は野宿をすることにし、食事の後タバコを吸いながらゴーディの作り話に耳を傾ける。

遅くまで話し込んだ4人は動物の遠吠えにビクビクし、クリスの持ってきた拳銃を手にひとりずつ見張りに立つことにした。

クリスの番のとき、うなされて目覚めたゴーディがそのとなりに座りふたりはまた将来について話し始める。

評判の悪い家族の一員であるクリスは出来心で盗んでしまったお金を返そうと学校の先生に渡したが、それを先生に横取りされて犯人として罰せられたと告白する。

自分のいうことはだれもきいてくれない、まさか先生がそんなことをするとは思ってもみなかったと悔し泣きをするクリス。

そんなクリスにゴーディは、頭がいいのだから進学コースに進むべきだと励ますのだった。

翌日。ついに死体を見つけた4人は運ぶための枝を探し始める。

しかしゴーディは兄の死を思い出し、座り込んでしまう。

自分はダメな子だと卑下するゴーディにクリスは、「すごい作家になって、書くことに困ったら俺たちのことをかけばいい」と肩を組んだ。

そのときエースたちが現れ、死体を渡すようおどしてきた。

バーンとテディは逃げ出すが、クリスは断固としてそれを拒み怒ったエースはナイフを取り出してクリスに迫ってきた……。

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キャスト紹介 -圧倒的なリバー・フェニックスの存在感-

《クリス(クリストファー・チェンバーズ)役:リバー・フェニックス》

冒頭、死亡記事でその名前が登場するクリス。亡くなってしまったクリスの少年時代を演じるのがリバー・フェニックスだ。

(ちなみに2019年の【ジョーカー】でアカデミー賞主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスは実弟)

この【スタンド・バイ・ミー】が映画出演2作目だった彼は、当時彗星のごとく現れた正統派スターだった。

【モスキート・コースト】ではハリソン・フォードの息子役で共演し、その後【インディ・ジョーンズ/最後の聖戦】では彼の少年時代を演じた。

その後、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたり、ヴェネツィア国際映画祭で男優賞を受賞するなど順調に俳優としてのキャリアを積み重ねていたが1993年、薬物の過剰摂取によりこの世を去った(享年23歳)

この【スタンド・バイ・ミー】では、恵まれない家庭環境の中で自分の将来をあきらめそうになりながらも、親友ゴーディの言葉によって救われる少年クリスを魅力的に演じている。

整った顔立ちと正義感あふれるまっすぐなまなざし。

そしてちょっと悪さを醸し出す表情……

彼が亡くなってすでに四半世紀が経つが、画面の中で伝説となったリバーはキラキラと輝きを放っている。

《テディ(セオドア・ドチャンプ)役:コリー・フェルドマン》

リバーよりも先に子役として活躍していたテディ役のコリー・フェルドマン。

日本では、人気のあったテレビドラマ【がんばれ!ベアーズ】のレジー役として顔をおぼえていた人もいたかもしれない。

【スタンド・バイ・ミー】の前年には【13日の金曜日・完結編】や【グーニーズ】に出演し、個性的な子役として人気を博していた。

成長すると薬物中毒に悩まされ一時は出演作も減ったが、その後も俳優業や声の出演など芸能活動を続けつつ、自身も被害にあったというショービズ界の小児性愛問題を告発する活動を始めた。

《ゴードン・ラチャンス(大人)役:リチャード・ドレイファス》

大人になったゴーディを演じているのがリチャード・ドレイファス。

【ジョーズ】や【未知との遭遇】などスピルバーグ作品で主演をつとめた彼は、1977年【グッバイガール】でアカデミー賞主演男優賞を受賞している。

《エース・メリル役:キーファー・サザーランド》

俳優のドナルド・サザーランドの息子であるキーファーは子役としてデビューし、この【スタンド・バイ・ミー】で注目を集めた。

その後、数々の作品に出演するが、代表作はなんといってもテレビドラマ【24 -TWENTY FOUR-】の主人公ジャック・バウアー役だろう。

その役で、2006年度エミー賞主演男優賞を受賞している。

《デニー・ラチャンス役:ジョン・キューザック》

父や姉たちも俳優という家族環境で育ち、【シュア・シング】【セイ・エニシング】などの青春恋愛映画で主演をつとめる。

その後、ウディ・アレンやジョン・マルコヴィッチなどの作品に出演。

現在も俳優業のほか、プロデュース業や劇団の主宰としても活躍している。

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おすすめポイント

キングのルーツを発見

人気作家であるスティーブン・キングの生い立ちをもとに構成された【スタンド・バイ・ミー】。

映画の中で主人公は父親の愛情を受けられない少年として描かれているが、キング自身は幼いころに父親が失踪し、その所在はいまもわかっていない。

貧しい暮らしの中、キングは父が持っていた大量のコミックや母が聞かせてくれたラジオドラマなどを通じて物語を作ることの楽しさに没頭していったそうだ。

そして、死体をさがしに行くというテーマも実際にキングが4歳だったころ、遊び友達が列車にひかれて亡くなってしまったという出来事があったから生まれたのだという。

リンクする少年スターたち

魅力的な登場人物である4人の少年たち。

特にクリス役のリバー・フェニックスの存在感は抜きん出ているが、リバー本人は両親の影響で幼いころカルト教団に入っており苛酷な幼年時代を送っていた。

そこから抜け出し生活費を稼ぐため、リバーは弟や妹たちと芸能活動を始める。

劇中の、評判の悪い家族から抜け出そうとあらがうクリスの姿に自分の境遇を重ね、その感情を吐露するシーンは見るものの心に刺さる名場面となっている。

ゴーディ役のウィル・ウィートンはいかにも繊細な美少年で、精悍なリバーとの対比がこの作品を成功に導いた大きな要因のひとつだ。

そのウィルは後年、少年時代に両親(特に父親)から精神的虐待を受けていたことを告白している。

リバー同様ウィルもまた、自身と似たような少年を演じることになっていたのである。

1950年代の音楽

今ではあまりにも有名なこの映画のテーマ曲ともいうべきベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」

1961年に発表されたこの曲は、この映画に使われたことによってリバイバルヒットした。

もともとこの話はキングの短編『THE BODY』(死体)が原作だが、監督のロブ・ライナーがこの曲名を映画のタイトルにしたことで“思春期の不安と友情”が見事に表現され、音楽も映画もともに愛される作品となった。

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まとめ

もう二度と戻れない少年の日々。

もう得ることのできない大切な友だち。

1950年代のアメリカの片田舎の話なのに、いま見ても、だれが見ても共感できるなつかしい思い出。

あんなに毎日いっしょに遊んでいたのにいつの間にか疎遠になってしまった友だち。

フッと思い出し、いつの間にか大人になっていたことに気づかされる。

なつかしむもよし、少年たちのやりとりを堪能するもよし。

ひとりでもふたりでも家族とでも楽しめる良質の作品だ。

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