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音楽好きが絶賛する「聞き惚れる映画」10作品を厳選。

いい映画というのはストーリーが面白いのはもちろんですが、音楽が素晴らしいというのも重要です。

なぜなら映画を見た後も心に残るシーンというのは、思わず聞き惚れてしまうような音楽が流れていることが多いからです。

知っているこの曲がこんな場面で使われているという意外な発見をすることがあれば、初めて聞いた曲だけどとても心に響いてくるという新たな発見をすることもあります。

そこで、今回は音楽好きはもちろん、音楽にあまり興味がない人でも面白いと感じることのできる映画を10選ご紹介します。

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【オーケストラ!】

作品解説

「オーケストラ!」出典:Amazon.co.jp

【オーケストラ!】 (2010) は、かってボリショイ交響楽団の天才指揮者といわれたものの、当時の共産主義政府によるユダヤ人排斥政策に従わなかったために、楽団を解散させられ30年もの間掃除夫として屈辱の日々を過ごしていたアレクセイ・グシュコブ演じるアンドレイ・フィリポフが、パリからの演奏依頼が記載された1枚のFAXを手に入れたことから、かっての楽団を引き連れてパリでコンサートを開くというストーリーです。

パリで演奏をする際に、アンドレイはソリストとしてメラニー・ロラン演じるアンヌ=マリー・ジャケを指名します。

彼女を指名したのにはアンヌの知らない過去のある出来事にアンドレイが関わっていたということがラストで明らかになるのですが、これは映画を見てのお楽しみとしておきます。

【オーケストラ!】 の見どころは、パリのコンサートで演奏されるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲です。

それまで演奏のシーンがほとんどなく、パリに着いてからも楽団のメンバーはてんでばらばらの行動を取り、一時はコンサートも無理ではないかと危ぶまれましたが、アンヌがコンサートの舞台に立ったとたん、彼女の過去を知っている楽団のメンバーも急に引き締まり、アンドレイの指揮のもと一体となってアンヌのバイオリンを盛り立てようとします。

まるでコンサート会場での演奏を見ているかのようなシーンを見るだけでも【オーケストラ!】 を見る価値は十分にあるといえます。

【オーケストラ!】はラストの演奏シーンが素晴らしいのはもちろんですが、アンドレイが30年もの時を経て再び輝きを取り戻したという最後まで諦めない姿勢に感動を覚えるのではないでしょうか。

基本情報

公開・製作国:2010年、フランス

監督:ラデュ・ミヘイレアニュ

原題:Le Concert

配給:ギャガ

キャスト:アレクセイ・グシュコブ、メラニー・ロラン、フランソワ・ベルレアン

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©2009 – Les Productions du

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【リンダ リンダ リンダ】

作品解説

リンダ リンダ リンダ」出典:Amazon.co.jp

【リンダ リンダ リンダ】(2005) は、山下敦弘監督による学園祭で演奏するガールズバンドの生き生きとした姿を描いた音楽青春映画です。

映画のタイトルでも分かるように、ラストで4人編成のガールズバンドがブルーハーツの曲を演奏するのですが、雨が振る中を傘もささずに学校に戻ったため、制服はびしょびしょ、おまけに靴も履かずに裸足で演奏するというのは、学園祭での演奏という雰囲気がとてもよく出ています。

最初は閑散としていた体育館も、雨が降ってくると雨宿りのために少しづづ人が増えてきて、4人が演奏する頃には観客でいっぱいになるという設定も自然な流れのように見え、この辺りのセンスの良さに監督の力量が伺えます。

高校の学園祭というのは、学園もののアニメではよく使われていて、どの作品を見ても学園祭の雰囲気がよく出ているのですが、アニメのような雰囲気を実写で出すというのはかなり難しいものです。

しかし【リンダ リンダ リンダ】では、冒頭でメンバーの1人が廊下を歩いていると、長回しで教室ごとに学園祭の準備が行われている場面や、学園祭で人が賑わっている場面などは、学園もののアニメと比べても遜色がないほどよく描かれています。

また、【リンダ リンダ リンダ】はペ・ドゥナ演じる韓国からの留学生ソンをヴォーカルに抜擢したというのもなかなか面白いのですが、もう一つの見どころは、4人がなかなかやって来ないのでつなぎとして、湯川潮音演じる今村萠と山崎優子演じる中島田花子の2人がはっぴいえんどの「風来坊」を演奏する場面です。

2人とも本物のミュージシャンとあって、思わず聞きほれてしまうようなパフォーマンスです。

【リンダ リンダ リンダ】の影響もあるのかもしれませんが、以降高校生がこの曲を演奏するのをよく耳にしました。

演奏のシーンが素晴らしかったというのもあるのですが、それ以上にこの映画は10代の少し不器用で恰好悪いところもあるのだけど、その頃にしかないひたむきさというものがとても上手く表現されていて、そのことが映画を見た若い方を捉えたということもあるのではないでしょうか。

基本情報

公開・製作国:2005年、日本

監督: 山下敦弘

原題

配給:ビターズ・エンド

キャスト:ペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇

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©「リンダリンダリンダ」パートナーズ

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【ワン・プラス・ワン】

作品解説


【ワン・プラス・ワン】(1978) は、ジャン=リュック・ゴダールが【悪魔を憐れむ歌】のレコーディングを行っていたローリング・ストーンズを撮影したドキュメンタリーと、ドキュメンタリーとフィクションの間を揺れ動くような映像が交差する、当時の時代背景を濃厚に表現した映画です。

この映画の見どころは、やはりローリング・ストーンズのレコーディング風景でしょう。

ローリング・ストーンズを脱退する前のブライアン・ジョーンズの姿や、珍しくベースを弾いているキース・リチャーズの姿を見ることができたり、さらには「悪魔を憐れむ歌」の初期バージョンのラフな演奏などといった貴重な映像を楽しむことができます。

ローリング・ストーンズのスタジオ風景と交差する映像は、当時の状況がどんなものかを知らない者にはよく分からない部分もあるのですが、ブラックパワーにLSD、当時の政治状況を風刺するかのようなポルノまがいの朗読など、とても風刺的な内容であることは間違いありません。

その中でアメリカのことを皮肉ったミッキー将軍という言葉が出てくるのですが、世界中にディスにーランドがある今の状況を見て、ゴダールは何を思っているのだろうかということがとても気になった映画でもありました。

基本情報

公開・製作国:1978年、イギリス

監督:ジャン=リュック・ゴダール

原題:One Plus One

配給:イマージュ・ディストリビュシオン

キャスト:ミック・ジャガー 、ブライアン・ジョーンズ 、キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ 、ビル・ワイマン、アンヌ・ヴィアゼムスキー

公式サイトhttps://longride.jp/oneplusone/

配信[U-NEXT](PR)

©CUPID Productions Ltd.1970

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【君が生きた証】

作品解説

「君が生きた証」出典:Amazon.co.jp

【君が生きた証】(2015) は、ウィリアム・H・メイシー監督による、一人息子を失った父親が息子が残した音楽を歌うことで少しでも息子に近づいていこうとする、そんな音楽映画です。

【君が生きた証】 のクライマックスは、自分の息子のことを告白したビリー・クラダップ演じる父親サムが、飛び入りのライブハウスにギター1本で息子の曲を歌うシーンですが、それまでの演奏シーンでは息子の曲を演奏することによって、どうすれば息子のことを分かってあげられるだろうかという思いが込められていたのに対して、最後の演奏シーンでは、悩み苦しみぬいた者だけが歌うことのできる静かな心の叫びのようなものを感じてしまいます。

初めて飛び入りのライブハウスで息子の曲を演奏した後に、アントン・イェルチン演じるロック青年のクエンティンから一緒に演奏しようと提案されたとき、戸惑いつつもサムには同じような年頃のクエンティンに亡き息子の影を重ねたのでしょう。

そのため、自分の過去を知られたサムはバンドを辞めたクエンティンに辞めたら負けという言葉を送るのですが、この言葉こそサムが自分の息子に伝えたかった言葉だったのでしょう。

ビートルズの「キャリー・ザット・ウェイト」という曲で歌われているように、父親のサムは重荷を背負って生きてきました。

それまで隠してきた自分の息子のことを告白した後に息子の曲を演奏したことで、サムがこれまで背負ってきた重荷からは解放された訳ではないのですが、”それまで”と”それから”では同じ重荷でもまた違った意味を持つように感じさせられる余韻が映画を見た後に残りました。

基本情報

公開・製作国:2015年、アメリカ

監督:ウィリアム・H・メイシー

原題:Rudderless

配給:ザ・サミュエル・ゴールドウィン・カンパニー

キャスト:ビリー・クラダップ、アントン・イェルチン、フェリシティ・ハフマン

配信[U-NEXT](PR) [Prime Video] (PR)

©2014 Rudderless Productions LLC. All Rights Reserved.

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【スクール・オブ・ロック】

作品解説

「スクール・オブ・ロック」出典:Amazon.co.jp

【スクールオブロック】(2004) はリチャード・リンクレイター監督による、ロックの、ロックによる、ロックのための映画とでもいうような作品です。

ロック愛に満ち溢れているものの、芽の出ないミュージシャンのジャック・ブラック演じるデューイ・フィンが、偽教師として名門ホレス・グリーン学院で教鞭を取るのですが、次第に授業もそっちのけで生徒たちに熱くロックを語り、ついには生徒たちとバンドを結成してバンドバトルに出場しようともくろみます。

この映画の魅力は、偽教師のデューイ・フィンが言葉巧みに生徒たちにロックの素晴らしさを語るというのもあるのですが、それまで知らなかったロックを聴き自分たちでバンドを組んで演奏するうちに、生徒の1人1人が生き生きとした姿を見せるようになっていくことでしょう。

当然クライマックスはバンドバトルで演奏しているシーンですが、メンバーの生徒たちは実際に演奏もできるとあってライブの腕前はなかなかのものです。

デューイ・フィンによるアンガス・ヤングさながらのギターの演奏にも負けないくらいの熱い熱気がライブシーンでは感じられます。

それまで家や学校での押し付けられた生活からロックに目覚めることで自分らしさを取り戻すというのは、ロックを演奏するミュージシャンなら誰もがたどる道ですが、【スクールオブロック】 では、この道を青年ではなく10代の子供たちに歩かせたということに思わず拍手したくなるような映画です。

基本情報

公開・製作国:2004年、アメリカ

監督:リチャード・リンクレイター

原題:School of Rock

配給:パラマウント・ピクチャーズ

キャスト:ジャック・ブラック、ジョーン・キューザック、マイク・ホワイト

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TM & Copyright © 2003 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. TM, ® & Copyright © 2004 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

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【デッドマン】

作品解説

「デッドマン」出典:Amazon.co.jp

【デッドマン】(1995) は監督ジム・ジャームッシュによる一味違った西部劇です。

ジョニー・デップ演じる会計士ブレイクと、彼を詩人のウィリアム・ブレイクと思ったインディアンのノーボディによる西部劇というスタイルをとった魂の遍歴とでもいう物語。

そしてこの映画に深みを与えているのが、音楽を担当しているニール・ヤングです。

まるでモノクロの光と影の映像に重なるかのようにして響く淀んだギターの重いフレーズは、一度聞いたら忘れられないようなメロディーでしょう。

また、【デッドマン】 では、ところどころで白人に略奪され、破壊されたインディアンの村の映像が見られたりもするのですが、その場面にニール・ヤングの重く鳴り響くギターの音が重なることで、声を大きく上げるわけではないジム・ジャームッシュの静かな怒りというものが感じられます。

【デッドマン】は最初からラストにいたるまで無駄のない稀有な作品であり、映画を見終わった後もしばらくはその余韻が心に残ります。

そうした映画の持つ力は、ジム・ジャームッシュの映像美とスタイルによるところが大きいですが、映像に併せてその場で即興で演奏したというニール・ヤングの音楽の凄さも大きく貢献していることは確かです。

基本情報

公開・製作国:1995年、アメリカ

監督:ジム・ジャームッシュ

原題:Dead Man

配給:ミラマックス

キャスト:ジョニー・デップ、ゲイリー・ファーマー、ジョン・ハート、ロバート・ミッチャム

配信[U-NEXT](PR) [Prime Video] (PR) [dTV ]

©1995 Twelve Gauge Productions Inc.

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【セッション】

作品解説

「セッション」出典:Amazon.co.jp

【セッション】(2015) は、プロのジャズドラマーを目指そうとするマイルズ・テラー演じる19歳のアンドリュー・ニーマンと、アメリカ最高峰の音楽学校であるシェイファー音楽院で伝説の教師と言われるJ・K・シモンズ演じるテレンス・フレッチャーとの鬼気迫る、まさにジャズのセッションのようなバトルが繰り広げられる映画です。

最初にこの映画を見たときは、鬼のような形相でアンドリューを罵り人格まで否定するかのような言動を浴びせるフレッチャーの指導にインパクトがあり過ぎたために、フレッチャーのクレイジーさにばかり目が移り、アンドリューはフレッチャーのクレージーさを際立だせるための狂言回しのように見えました。

しかし、改めてこの映画を見直すと、フレッチャーのクレイジーに負けず劣らずアンドリューもクレイジーだということに気が付きました。

どちらも音楽に対して並々ならぬ情熱を持ち、そのためには何もかも犠牲にしても構わないくらいのクレイジーさがあるからこその2人のバトルともいえる緊張感を見る者に与えてくれるのでしょう。

この映画の最大の見どころはやはりラストの演奏シーンですが、監督の実際の経験に基づいた映画というだけあり、また自身が映画で描かれていたようなジャズバンドに所属していたということから、演奏している場面のカメラワークがとても素晴らしいです。

特に、ドラムソロの場面で苦痛に顔を歪めながらもドラムを叩きつけるアンドリューの表情やシンバルに汗が波打つシーンなど、実際にドラムの演奏を見たことがなければこんな風に映像を撮ることはできないような迫力があります。

フレッチャー顔負けの気迫のこもった演奏の後に、アンドリューとフレッチャーがお互いの目を一瞬見る場面があるのですが、目は言葉よりも物を語るというのを映像で見せてくれています。

アンドリューのまなざしは、自分の演奏がどうだと言わんばかりのものであるのに対して、フレッチャーのまなざしは自分の求めるレベルのものをやり遂げてくれたという喜びがそこはかとなく溢れていました。

このラストを見ると、フレッチャーだけでなくアンドリューもまた音楽のために悪魔に魂を売り渡したミュージシャンになったといえるのではないでしょうか。

基本情報

公開・製作国:2015年、アメリカ

監督:デイミアン・チャゼル

原題:Whiplash

配給:ソニー・ピクチャーズ クラシックス

キャスト:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、ポール・ライザー

公式サイトhttp://session.gaga.ne.jp/

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©2013 WHIPLASH, LLC. All Rights Reserved.

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【センチメンタル・アドベンチャー】

作品解説

「セントメンタル・アドベンチャー」出典:Amazon.co,jp

【センチメンタル・アドベンチャー】(1983) は、クリント・イーストウッドがカントリーミュージシャンを演じるだけでなく、実際にギターをつま弾きながら歌を披露するという、少し意外なキャラクターを演じているロードムービーです。

それまでアクション映画でのクリント・イーストウッドしか見たことのない人にとってはイメージが湧きにくいかもしれませんが、映画の場面ごとにギターをつま弾きながら演奏するクリント・イーストウッドの音楽がなかなか心に染みるような音楽でいいのです。

また【センチメンタル・アドベンチャー】は、道中での伯父と甥の珍道中的なところもあり、アメリカ南部の音楽のルーツを巡るような旅でもあって、イーストウッドの演奏以外にも最後まで飽きさせないようなストーリーに仕上がっています。

レッド・ストーバルの演奏は素晴らしいのですが、私生活になるとまるでだらしがなく、肺病を病んでいるにもかかわらず、酒は飲むわタバコは吸うわ亭主のいる女性と駆け落ちするわで、ホイットからすればどうしようもない叔父さんに見えたことでしょう。

おまけに、甥のホイットを同行させたのも、車の運転をさせることと叔父さんの面倒を見るためとあっては、メンフィスに着くまでに先が思いやられるようです。

しかし、甥っ子からしたら自分の両親や兄弟よりも悪い叔父さんの方に惹かれてしまったのでしょう。

ちょい悪な叔父さんと甥の関係というのもこの映画の見どころの一つでもあります。

映画のラストで自分の命と引き換えにレコーディングで歌うレッド・ストーバルに、そんな叔父を黙って見ているホイットの表情を見ていると、何とも辛いのだけどどうしようもできない気持ちがこちらまで伝わってきそうです。

結局、レッド・ストーバルはレコーディング後に亡くなってしまうのですが、叔父の墓に立ち寄ったホイットはレッド・ストーバルがそれまで愛用していたギターを手にしています。

それを見ていると、亡くなった叔父さんのソウルは甥のホイットへと受け継がれていったのでしょう。

基本情報

公開・製作国:1983年、アメリカ

監督:クリント・イーストウッド

原題:Honkytonk Man

配給:ワーナー・ブラザース

キャスト:クリント・イーストウッド、カイル・イーストウッド、ジョン・マッキンタイア

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【8 Mile】

作品解説

「8 Mile」出典:Amazon.co.jp

【8 Mile】(2003) は、デトロイトでのどん底の生活から抜け出すめ、プロのミュージシャンになることを目指そうとしている若者を描いたエミネムの半自伝的な作品で、エミネム自身が主演を演じています。

この映画の見どころはやはりエミネムと黒人ラッパーの間で繰り広げられるMCバトルでしょう。

冒頭のシーンで、大勢の黒人がいる中で自分は勝つことができるだろうかというプレッシャーからトイレで嘔吐し、その後バトルに参加するものの何も言えずに立ち去ってしまいます。

冒頭のシーンと対照的なのが、映画のラストで繰り広げられるエミネムがリベンジとして再び参加するMCバトルです。

ここでエミネムは、映画の冒頭での場面とは対照的に対戦相手の黒人を圧倒的な迫力でディスることで、聴衆からの支持を集めます。

中でも圧巻なのは、決勝戦で前回のチャンピオンであるパパ・ドクとのバトルです。

先にマイクを握ったエミネムは90秒間の間、パパ・ドクがエミネムに対してディスるであろう内容までを逆にディスることで聴衆からの喝采を受け、受けて立つパパ・ドクはエミネムに対して何も言うことができずに静かにステージを去ります。

冒頭のバトルとラストのバトルを見ていると、エミネムとパパ・ドクが正反対の立場になっていているのが分かるだけに、ラストのバトルで観客はカタルシスを感じます。

このカタルシスというのはプロレスなどで悪役レスラーにやられっぱなしだったレスラーが、最後に反撃してカウントダウンに追い込むときのカタルシスと似ているので、ラップにあまり馴染みのない人でも十分に楽しめる作品に仕上がっています。

ちなみに、映画のタイトルである【8 Mile】 とは都市と郊外を隔てる境界線のことで、ミシガン州デトロイトに実際にある「8マイル・ロード」は、富裕層と貧困層、白人と黒人を分けるラインとして知られています。

【8 Mile】は、「8マイル・ロード」を超えて今の暮らしから抜け出したい、というエミネムの気持ちがストレートに伝わってくる作品です。

基本情報

公開・製作国:2003年、アメリカ

監督:カーティス・ハンソン

原題:8 Mile

配給:ユニバーサル・ピクチャーズ

キャスト:エミネム、ブリタニー・マーフィ、キム・ベイシンガー

公式サイト:URLを記入

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© 2002 Universal Studios All Rights Reserved

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【ダージリン急行】

作品解説

「ダージリン急行」出典:Amazon.co.jp

インドに旅行した日本人は、インドのことを好きになる人と嫌いになる人の両極端になるそうです。

それだけ好みがはっきりしている国ということもありますが、そんなインドを舞台にした3兄弟の旅を描いた映画がウェス・アンダーソン監督の【ダージリン急行】(2008) です。

ウェス・アンダーソンの映画はどれも音楽が効果的に使われているのですが、今回の【ダージリン急行】 ではキンクスの音楽が映像と見事にマッチしています。

映画の冒頭でまさに発車しようとするダージリン急行に対して、エイドリアン・ブロディ演じる次男のピーターが、ビル・マーレイ演じるビジネスマンを追い抜いて列車に乗り込もうとするスローな映像とかぶさるかのように流れるキンクスの”This Time Tomorrow”という曲は、これからインドに旅立とうとする3兄弟にふさわしい曲だといえます。

この冒頭の映像とキンクスの曲が見事にマッチした場面を見るだけでも、この映画を見る価値は十分にあります。

映画の中で映像とロックがはまるというのは、映像だけでなく音楽のセンスもなければなかなか難しいものですが、ウェス・アンダーソン監督は映像に使われる音楽のツボというものを心得ているのか、【ダージリン急行】でも音楽がとても効果的に映像に散りばめられています。

冒頭がキンクスの曲に対して、インドで母親との再会を果たし、絆を再び取り戻した3兄弟はそれぞれの場所へ戻るというところで映画はエンディングを迎えるのですが、エンディングにかかる曲が「オー・シャンゼリゼ」というのもこの監督ならではのセンスを感じさせてくれます。

映画の中で使われている音楽が映像にとてもシンクロしている作品です。

基本情報

公開・製作国:2008年、アメリカ

監督:ウェス・アンダーソン

原題:The Darjeeling Limited

配給:フォックス・サーチライト

キャスト:オーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマン

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©2007 TWENTIETH CENTURY FOX