映画【キングダム】は、原泰久原作による同名漫画を実写化。2019年に公開され実写邦画の中で興行収入1位に輝き、2020年5月には続編の製作も発表されています。原作漫画を忠実に再現しているため評価は上々で原作ファンにも納得の作品となっています。
映画【キングダム】あらすじ
舞台は紀元前245年の中国春秋戦国時代。
戦争孤児で奴隷の少年・信(山崎賢人)と漂(吉沢亮)は天下の大将軍を夢見て、2人で剣術の腕を磨いていました。
ある日、いつものように2人で稽古に励んでいたところ王宮に仕える大臣・昌文君(髙嶋政宏)と出逢います。
その日のうちに、何故か漂だけが王宮へ身請けられることになり、2人は再会を誓い、しばしの別れを惜しみました。
ところがある日、血だらけの漂が信の元に戻り「最期に信に会いたかった」と、ある場所を示したメモだけを渡して息絶えてしまったのです。
信は悲しみに暮れながらも、漂の身に起こったことを調べるためメモに示された場所まで走り出しました。
途中、野盗に遭遇しながらも辿り着いたそこには、漂と瓜二つの秦国の大王・嬴政(吉沢亮)がいたのです。
映画【キングダム】見どころとネタバレ
日本アカデミー賞ノミネート作品!
週刊ヤングジャンプに連載中の原泰久によるアクション漫画を原作に、「GANTZ」や「図書館戦争」を手掛けた佐藤信介監督がメガホンをとっています。
佐藤監督といえば「いぬやしき」や「BLEACH」など、漫画を原作とした実写映画を撮ることが多い監督ですが、漫画原作の実写映画を作ることへのプレッシャーは感じていないとのこと。
漫画をそのまま再現するより、脚本を作る時に映画として面白くなることを考えているそうです。
当たり前のようで難しいこの作業を、原作者の原泰久氏が脚本に携わることによって漫画の再現度も高いものに仕上がったのでしょう。
アクションエンターテイメントである映画【キングダム】ですが、邦画では珍しくアカデミー賞作品賞、監督賞、撮影賞など合計9部門にノミネートされました。
さらに、助演女優賞(長澤まさみ)や助演男優賞(吉沢亮)、美術賞、撮影賞の4部門で最優秀を受賞しているのです。
日本アカデミー賞は、エンターテイメントで人を楽しませる作品よりもメッセージ性が高いものがノミネートされる傾向にあるようです。
惜しくも最優秀作品賞は逃してしまいましたが、日本映画界に新しい風を吹き込んだことに間違いないでしょう。
キャラクターの再現度クオリティが高い!
漫画の実写化というと、何といっても気になるのは“どのキャラを誰が演じるのか”でしょう。
主演の山崎賢人は孤児で奴隷の信を演じるため10キロ減量し、真っ直ぐで正直な性格の参考として猿や子どもの動画を観て勉強したとのこと。
最優秀助演男優賞を受賞した吉沢亮の漂と嬴政、最優秀助演女優賞を受賞した長澤まさみの楊端和、ラスボス・左慈を演じた坂口拓など、漫画のキャラも尊敬しつつ本人にしか出せない色が加わり、キャラクターに飲み込まれることなく素晴らしい演技をしていました。
何より、ほんの数分しか登場しない天下の大将軍・王騎役の大沢たかおは身体作りから喋り方、表情、雰囲気までもう漫画の王騎将軍そのもの。
漫画だから成り立つ独特な喋り方や雰囲気を、実写で違和感なく再現するためには相当な作り込みが必要のはずです。
15キロを増量をストイックに取り組む姿は、他のキャストも刺激を受けていたかもしれません。
存在感あるキャラクターではあるものの今作品ではあまり出番がなかったので、続編での活躍に期待です。
観応えあるアクションシーン
アクション漫画では「ババババ!」「ドーン!」などで表現されているものが多く、画だけではどうやって倒したのか疑問が残ることがあります。
しかし、本作は漫画の中で使われている武器や特徴を生かしながらもキャラクターそれぞれの戦い方が違うので、アクションシーンは盛り沢山ですが(後半はほぼアクション)、飽きずにみることができます。
映画【キングダム】の感想
漫画原作の実写化をここまで再現、映像化し、1本の映画としての完成度も高く漫画ファンまで唸らせた映画【キングダム】。
さらにONE OK ROCKが歌う主題歌と映像の世界感がぴったりマッチしているので、ラストまで最高の気分で観終わることができます。
また、ストーリーもアクションもスピード感があり、飽きずに最後まで楽しめるエンターテイメント作品です。
今回は漫画の1巻から5巻までの序盤の話なので、続編はいよいよ国同士の争い、戦争の話になるのではないかと予想しています。
まだご覧になっていない方は是非、続編公開前のご視聴をお勧めします。
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