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【もののけ姫】あらすじと解説。山犬に育てられた少女と人間の共に生きる道。

© 1997 Studio Ghibli・ND

1997年に公開された映画【もののけ姫】は、【耳をすませば】(1995)に続くスタジオジブリの9作目の長編アニメーション作品です。本作は当時【E.T】(1982)が持っていた日本映画の歴代興行収入の記録を抜き、歴代興行収入1位を達成し、大きな話題となりました。キャッチコピーは、「生きろ。」を、ぜひ。

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【もののけ姫】あらすじ

ある日、蜘蛛のような巨大な黒い怪物・タタリ神がエミシの村を襲います。

主人公・アシタカ(松田洋治)はタタリ神に山に戻るように伝えますが、タタリ神の「死の呪い」を受け、右腕に黒い痣のようなものが残りました。

このタタリ神の正体は、何者かに鉄の塊を体に撃ち込まれ、人間を憎む気持ちからタタリ神となってしまったイノシシの神でした。

アシタカは呪いのせいで村を追われ、死の呪いを解く方法を探す旅に出ます。

旅の途中、怪我を負った男性を助け、鉄を作る小さな村であるタタラ場を訪れ、エボシ(田中裕子)という村の長である女性と出会います。

エボシは、鉄を作るために自然を犠牲にすることをためらうことなく実行し、猪の神を襲った張本人でした。

そして、山に住む「もののけ姫」のサン(石田ゆり子)がエボシの命を狙ってタタラ場を訪れます。

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キャスト情報

アシタカ/松田 洋治

© 1997 Studio Ghibli・ND

本作の主人公で、エミシの村に住む正義感の強い17歳の少年です。

タタリ神に矢を放ったときにかけられた死の呪いを解くため、ヤックルと一緒に村を出ます。

アシタカの声を演じたのは、【風の谷のナウシカ】(1984)、【時をかける少女】(2006)、【タイタニック】(1997)などの作品に声優として出演している俳優の松田洋治です。

サン/石田 ゆり子

© 1997 Studio Ghibli・ND

本作のヒロインで、山犬(モロの君)に育てられた15歳の少女です。

自身のことを山犬と思い込み、自然を荒らし続ける人間を強く憎んでいます。

サンの声を務めたのは、【マチネの終わりに】(2019)、【コーヒーが冷めないうちに】(2018)、【解夏】(2004)などの作品に出演する女優の石田ゆり子です。

ちなみに石田ゆり子は、アシタカが村を出て行く際に見送りにきた村の娘・カヤの声も担当しています。

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【もののけ姫】見どころと解説

シシ神をめぐる争い

© 1997 Studio Ghibli・ND

シシ神とは、昼は大きな鹿のような姿をしており、夜になると半透明の巨人の姿となる山の神です。

夜の姿は「ディダラボッチ」とも呼ばれており、生き物の「生と死」を操る能力があります。

シシ神の首には不老不死の力があると言われており、それを狙うエボシやジコ坊たち「人間」と、山を守ろうとする山犬やイノシシたち「もののけ」の争いが、本作の大きな見どころとなっています。

アシタカはその争いの中、人間ともののけが共に生きる方法はないのかと模索します。

「黙れ小僧!お前にサンが救えるか!」

「わからぬ。だがともに生きることは出来る」

アシタカがサンを育てた山犬のモロに、サンを人間の世界に帰すように説くシーンは、名言と共に本作を代表するシーンとして有名です。

自然と人間の共生

シシ神の首を狙い、山を焼き払い、イノシシの大群と戦うエボシとジコ坊。

ついにシシ神の首を手に入れ、山は枯れ果て、サンは森が死んだと絶望します。

アシタカは、首を持って逃げようとするジコ坊から首を取り戻し、シシ神に返そうとしますが、夜明けとなり朝日を浴びたディダラボッチは消えてしまいます。

その後、アシタカの右腕の呪いは解け、枯れ果てた山に少しだけ植物が戻り、人間ともののけの争いに終止符が打たれます。

「アシタカは好きだ。 でも人間を許すことはできない」

「共に生きよう…会いに行くよ、ヤックルに乗って」

最初は、人間を敵対していたサンもアシタカを認めますが、サンは森でアシタカはタタラ場で、お互いそれぞれの場所で暮らしながら共に生きようと約束します。

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【もののけ姫】感想

本作は「人間による自然破壊」という大きなテーマに真正面から向き合い、構想期間に16年、制作期間に3年もの年月がかけられました。

その年月と宮崎駿の熱量から、興行収入193億円を記録するスタジオジブリを代表する大ヒット作品となりました。

自然との共生というテーマについては、【風の谷のナウシカ】(1982)と通じるものがあります。

そして米良美一が歌う主題歌「もののけ姫」は、高音で凛とした歌声が心に響きます。

いつか本作のモデルとなった屋久島の白神山地にも訪れてみたいものです。

ぜひ、ご覧下さい。

©1997 Studio Ghibli・ND
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