【風立ちぬ】宮崎駿監督が引退宣言をして制作したヒューマンドラマ映画!かつて日本が戦争をしていた時代、生きるのに辛い時代、当時の若者たちはどう生きたのか?実在する人物・堀越二郎の半生を描いた感動作です。
【風立ちぬ】あらすじ
主人公・堀越二郎(庵野秀明)は、長年パイロットになることを夢に描いていましたが、近眼であることから諦めていました。
そんなある日、二郎は、伝説のイタリア飛行機設計士・カプロニと夢の中で出会います。
カプローニは、二郎と同じく飛行機を美しいものと考え深く愛していましたが、操縦することはできませんでした。
それを知った二郎は、パイロットの代わりに設計士になることを決意。
それから、飛行機技術を学ぶために大学へ進学しましたが、ある時 帰省から大学へ戻る道中に関東大震災が発生します。
二郎は、そばにいた若い女性と彼女の付き人をしていた足の悪い女性を助け、混沌とする街を駆け抜け大学へと戻っていきました。
数年後、大学を卒業した二郎は念願の飛行機設計の会社に入社できたものの、依頼される設計は戦闘機ばかりで、複雑な気持ちが蓄積されていきます。
そんなある日、休暇で軽井沢を訪れていた際に、関東大震災の時に助けた若い女性・菜穂子(瀧本美織)と運命の再会を果たします。
互いに強く惹かれ合うのですが、菜穂子は、結核を患っており……。
【風立ちぬ】キャスト情報
《堀越二郎役:庵野秀明》
近眼を理由にパイロットを諦め、飛行機設計士の道に進んだ主人公。
目が悪いので、いつもメガネをしています。
主人公・堀越二郎を演じたのは【シン・ゴジラ】(2016)や【シン・エヴァンゲリオン劇場版】(2021)で映画監督を務め、過去のジブリ作品【風の谷のナウシカ】(1984)で登場キャラクターの原画を担当した庵野秀明です。
《里見菜穂子役:瀧本美織》
関東大震災で二郎と出会い、軽井沢で二郎と再会し、後に二郎と結婚するヒロイン。
結核を患いながらも、二郎の飛行機設計の仕事をそばで支える女性です。
ヒロイン・里見菜穂子を演じたのは、【貞子】(2013)や【HOKUSAI】(2020)などに出演した女優の瀧本美織です。
《カプローニ役:野村萬斎》
二郎が夢の中で、飛行機について語り合うイタリアの伝説飛行機設計士。
近眼を理由にパイロットの夢が途絶えた時や、戦闘機の設計依頼ばかり来て複雑な気持ちを抱く二郎に優しい言葉をかけています。
カプローニを演じたのは、【のぼうの城】(2012)、【オリエント急行殺人事件】(2015)、【七つの会議】(2019)などに出演した野村萬斎です。
《本庄役:西島秀俊》
二郎が入社した飛行機設計会社の上司。
厳しく当たりの強い人と思われがちですが、二郎と菜穂子の面倒を見るなどの優しい一面もあります。
本庄を演じたのは、1971年3月29日生まれで、【ストロベリーナイト】(2013)、【劇場版MOZU】(2015)、【きのう何食べた?】(2019)などに出演した西島秀俊です。
【風立ちぬ】トリビア
人の声を使って効果音を演出
スタジオジブリの人気は、ノスタルジックを感じられるストーリーや温かみのある画作にあると言えそうですが、”音“にもこだわりがあります。
例えば、【紅の豚】以降、宮崎駿は声優を本職としている人たちのキャスティングをパタリとやめています。
その理由は「不自然だから」というもので、物議を醸しました。
本作でもかつてジブリでアニメーション製作をしていた庵野秀明を起用したり、女優や俳優をメインキャラクターに起用しており、声優が本業の人たちが起用されることはありませんでした。
それに加えて、本編では”肉声で演出された効果音“が度々登場。
戦闘機のプロペラ音、列車の蒸気音、車のエンジン音、関東大震災の揺れなど、全てが肉声で収録されているのです。
言われてみないと気づかないほど、リアルに仕上がっています。
キャッチコピー「生きねば。」は過去作に登場している。
【風立ちぬ】のポスターに大きく書かれた「生きねば。」というキャッチコピーは、宮崎駿の代表作【風の谷のナウシカ】とつながりがあります。
【風の谷のナウシカ】は、スタジオジブリ創立前に誕生した長編アニメーション映画で、原作は宮崎駿自身が手掛ける同名漫画です。
漫画版は、全7巻で構成されており、最終巻の最後の言葉に「生きねば……」という言葉が出てきます。
猛毒を放出する腐海によって住む場所を失い続ける苦しい状況で生きるナウシカと、戦争や自然災害、不景気、流行病に見舞われた二郎たち。
「どんな時代も、どんな苦境の中でも力強く生きねばならない」という、宮崎駿の強いメッセージが込められているのです。
“ゼロ戦”を設計した実在の人物・堀越二郎の半生を描いたヒューマンドラマ
【風立ちぬ】は、「生きねば。」という力強いキャッチコピーが全編から感じ取ることのできるパワフルな作品です。
美味しそうなジブリ飯や、日本に溢れる豊かな自然が描かれるわけではなく、全体的にシリアスな空気感が漂い、他のジブリ作品とは一風変わった世界観を堪能することができます。
意外なキャスティングや本編では語られることのなかったトリビアを知った上で、鑑賞してみてはいかがですか。
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