映画【ベイビー・ドライバー】ネタバレと見どころ・感想。
ウォルター・ヒル監督の【ザ・ドライバー】(1978)にリスペクトを捧げた、イギリスコメディの天才エドガー・ライトが手がける映画【ベイビー・ドライバー】。
色とりどりな曲とともに描かれる、第90回アカデミー賞にノミネートされたノンストップアクションをとくとご覧あれ!
【ベイビー・ドライバー】作品情報
製作
2017年 イギリス・アメリカ
監督
エドガー・ライト
原題
Baby Driver
キャスト
アンセル・エルゴート、ケヴィン・スペイシー、リリー・ジェームズ、エイザ・ゴンザレス、ジョン・ハム、ジェイミー・フォックス、ジョン・バーンサル
【ベイビー・ドライバー】のあらすじ
3人の男女が銀行強盗しに車で出ていったあと、運転手の青年は音楽をかけてタイミングを計りつつノッているところに、強盗を終えた3人が戻ってきました。
案の定、警察が追ってきてカーチェイスが始まるものの、青年は見事なドライビングテクニックでかわし続け、見事警察を撒くことに成功します。
凄腕のテクニックを持つ青年はベイビーといい、子どものころの事故での後遺症で耳鳴りに悩まされているため常に音楽を聴いているのです。
過去に裏社会の大物ドクの車を盗んだために起きた損失を埋めるため、仕事を振られていました。
今回の銀行強盗のドライバーもそのせい。
損失の穴埋めが終わりに近づいてきたとき、とあるダイナーでウェイトレスとして働いているデボラに出会い、徐々に惹かれあっていくものの……。
【ベイビー・ドライバー】の見どころ・ネタバレ
居心地のいい「音楽×映画」作品
「コルネット」3部作(【ショーン・オブ・ザ・デッド】(2004)、【ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!】(2007)、【ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!】(2013)の3作品の総称)でも有名なエドガー・ライト監督が製作したのは音楽にあふれる作品【ベイビー・ドライバー】。
今回は、彼の作品出演の常連であるサイモン・ペッグとニック・フロストは登場しませんが、音楽好きであるエドガーのセンスが輝く仕上がりになっています。
多くの注目を浴びた本作ですが、思わず「音楽と映画というものはここまでマッチングするものなのか!」と驚くほどぴったり当てはまった映像体験ができる、という部分が注目要素のひとつではと感じます。
冒頭の「Bellbottoms」をノリノリ口パク~警察に追われるシーンを見事なドライビングテクニックでかわして、最終的に撒くシーンは何度観ても、一部始終がどうなるかわかっていても、手に力が入って一気に映画の中に引き込まれます。
見事な切り口で製作された本作は、映画批評集積サイトで有名な「Rotten Tomatoes」の支持率を見ても一目瞭然。
これまでに体験したことないような、スピード感溢れるアクションをぜひご覧になっていただきたいです。
若手俳優にご注目!
【ダイバージェント】(2014)シリーズや【きっと、星のせいじゃない】(2014)に出演したり、2015年には「ULTRA JAPAN」というお台場で毎年行われるダンスミュージックイベントに、別名義ではあるもののDJとしてパフォーマンスを行ったりと、多方面で活躍しているアンセル・エルゴート。
ベイビーのドライビングテクニックとデボラを守るシーンにキュンとした方、本作で彼を知ったという方も多いと思いますが、本作はそんな彼が俳優としての出世作だったのではないかと思います。
【キングスマン】(2015)シリーズでお馴染みになったタロン・エガートンと【ビリオネア・ボーイズ・クラブ】(2018、略してBBC)にて共演を果たすなど、今後の活躍が期待される若手実力俳優のひとりであったと思います。
そして、デボラ役はTVドラマ【ダウントン・アビー】シリーズ(2010-2015)、【ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男】(2017)【マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー】(2018)などに出演しており、実力をどんどんつけているリリー・ジェームズ。笑顔がとってもキュートな彼女のウェイトレス姿をぜひご覧ください。
主役2人はもちろん、【Ray/レイ】(2004)」にてアカデミー主演男優賞を受賞したジェイミー・フォックス、テレビドラマ「MAD MEN マッドメン」シリーズでゴールデングローブ 男優賞(ドラマ部門)を受賞、【ミニオンズ】(2015)にてハーブ・オーバーキルの声、Amazonプライムビデオ「グッド・オーメンズ」シリーズのガブリエル役などで知られるジョン・ハムなど、ベテラン俳優勢も多数出演しているので彼らの演技にもぜひご注目あれ。
監督自ら厳選!劇中音楽に耳を澄ませて。
本作がハリウッド長編映画デビューとなるエドガー自らが選曲したという劇中音楽。
冒頭でも「音楽×映画」と書かせていただきましたが、本作についてよく表現される言い方が「まるでカーチェイス版【ラ・ラ・ランド】(2016)だ」です!
たしかにミュージカル映画並みにどのシーンでも音楽が流れています。
もともとジャンルミックスを得意としているエドガーならではといえる新感覚ジャンルであり、ベイビーが聴く音楽に合わせてストーリーが進行していくという、少し変わった本作に音楽は欠かせません。
ベック、プラ―、ザ・ビーチ・ボーイズ、クイーンなどなど、有名ベテランミュージシャンのタイトルが盛りだくさん。
タイトルまで知らなくても「聴いたことある!」とピンとくる曲が多く流れてくるので自然と身体も揺れてしまいます。
そんな素敵な音楽たちとうまくマッチした音楽を選曲できる監督のセンスの塊であるサウンド・トラックももちろん発売しており、第1弾がヒットしたことから第2弾もリリースされています。
車の中で聴けばまるで気分はベイビーです(交通ルールは守ってくださいね)。
ぜひこちらもチェックしてみてください。
まとめ
映画内容はもちろんのこと、毎度音楽でも楽しませてくれるのがエドガー・ライト監督作品。
新しいジャンル映画を作ってくれる監督の今後もとても楽しみでなりません。
ほぼCGを使わずに撮影したという(!)カーチェイスなどは、アクションものが好きな方にはもちろん、ちょっぴりレトロなものが好きな方や音楽好きな方にもオススメしたい1作だと思います。
また、選曲センスで思い浮かぶもうひとり……といえば【ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー】(2014)シリーズでお馴染みのジェームズ・ガン監督。
【ベイビー・ドライバー】で使用予定の楽曲が【ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス】(2017)と被っていないか、ジェームズとDMで確認し合ったという話がなんとも本当にふたりとも音楽好きなのだな、と思える製作裏話がありとても微笑ましいです!
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