【グースバンプス モンスターと秘密の書】ネタバレと見どころ。R・L・スタインの児童小説シリーズを映画化。大ヒットNetflixドラマ【13の理由】(2017-2020)のディラン・ミネット主演、ジャック・ブラック共演で送る、ちょっと不気味なホラーコメディ。二作目に、【グースバンプス 呪われたハロウィーン】(2018)がある。
【グースバンプス モンスターと秘密の書】あらすじ
父親を亡くしたザック(ディラン・ミネット)は、母と共に心機一転、デラウェア州の田舎町へと引っ越してきた。
母親が転入する高校の校長という肩身の狭い思いをしながらも、友人も出来て、新生活としてはまずまずの滑り出しを迎えたが、一点気がかりなのは隣人のことだった。
隣りに住む親子はほとんど姿を現さず謎に包まれており、一人娘のハンナ(オディア・ラッシュ)は学校にも行っていないようだった。
ある日、隣家から男の怒声を聞いたザックは、彼女が虐待を受けているのではないかと心配して、友人のチャンプ(ライアン・リー)と一緒に忍び込む。
中で見つけたのは、虐待されている様子など微塵も無いハンナの姿と、小説家R・L・スタインが書いた本の数々。
R・L・スタインのファンであるチャンプは、興奮のあまり無断で鍵のかかっていた本を開けてしまう。
すると突然、本の中から巨大な雪男が飛び出してきたのだ!
なんと、ハンナの父親は有名小説家のR・L・スタイン(ジャック・ブラック)であり、彼が書いた物語の怪物たちは実現化されてしまうという、不思議な力が秘められていたのだった。
スタインの助けもありながら、何とかして雪男を本の中に戻した一同だったが、雪男が暴れたはずみに、スタインの作品の中で最も実現化されてはいけない怪物、腹話術人形スラッピーが現れてしまった。
自身を本の中に閉じ込めたスタインを恨むスラッピーは、彼への復讐とでも言うように、封印されたスタインのホラー小説を次々と開き、中に潜んでいた恐ろしい怪物たちを町に解き放してしまった!
果たして、暴走するスラッピーと怪物の脅威から、ザックたちは町を守ることが出来るのか⁉
【グースバンプス モンスターと秘密の書】ネタバレ
本から解き放たれた怪物達はやりたい放題、町はパニックに陥っていた。
ザックとスタイン達は力を合わせてモンスターの襲撃をかわしながら、ザックの母親や同級生らが集まっている学校へと向かっていた。
その道中、ハンナに密かに想いを寄せていたザックは、月光に照らされたハンナが不自然に輝くところを目の当たりにしてしまう。
不思議に思ったザックがスタインに詰め寄ると、スタインはハンナの秘密を話し始めた。
ハンナも他のモンスター達と同様に、スタインが書いて作り出した本の中の登場人物だったのだ。
ハンナが現実には存在しないことを知ったザックはショックを受ける。
そして、やっとの思いで学校に辿り着いた一行は、モンスターを再び本の中に閉じ込めるには新しく物語を書き上げるしかないと気付き、スタインは一人タイプライターへと向かう。
一方、生みの親への復讐を目論むスラッピーは大勢のモンスターを操り、スタインを捕まえようと追いかけてきた。
町の人々を巻き添えにしない為にも策を講じて、ハンナの秘密の場所である廃墟の遊園地へモンスターを誘導したザック達。
追い詰められたスタインは、途中まで書き込まれたタイプライターをザックに託し、モンスターに飲み込まれてしまう。
ザック、ハンナ、チャンプも錆びた観覧車の頂点まで追い込まれ、下からモンスターが登ってくるのを尻目に、大急ぎで物語を完成させようとしていた。
そして、ザックが最後の文字を打ったと同時に、モンスター達が竜巻に吸い込まれるように、本の中へと戻されていく。
最後まで抵抗したスラッピーも本の中に吸い込まれ、もう悪夢は終わりだと安堵した時、ザックは目の前にいるハンナに気が付く。
本の中の存在であるハンナもまた、元居た場所に戻らなければならないのだ。
自分が現実に存在しない人間だと知っていたハンナは、引き留めるように抱きつくザックに微笑み、これでいいのと諭す。
徐々に消えていくハンナを見つめたザックは、最後に彼女とキスを交わす。
そして、本がパタリと閉じると、モンスターもハンナもいない、静寂が訪れたのだった……。
後日、登校したザックを待っていたのは、世捨て人のような暮らしをやめて、国語教師として赴任してきたスタインの姿だった。
活き活きと生徒に授業をするスタインを見て、嬉しくも複雑な思いを抱いたザックだったが、廊下の奥から歩いてくる人物を見て思わず足を止める。
なんと、消えたはずのハンナが、学生らしい姿でザックに微笑みかけていたのだ。
驚くザックにスタインが説明する。騒動の後、ハンナが現実に存在するという物語を再び書いたという。
また一緒に居られることを喜ぶザックとハンナを笑顔で見送ったスタイン。
万事上手く収まったかと思えたその瞬間、スタインに姿なき声が話しかける。
透明人間が残されていたのだ!!!悪夢は終わら……ない?
【グースバンプス モンスターと秘密の書】見どころ
ジャック・ブラックの独壇場⁉
本作の見どころはどこかと考えた時に、真っ先に出てくるのはもちろん、R・L・スタイン役のジャック・ブラックだ。
【スクール・オブ・ロック】(2003)や、【ジュマンジ】シリーズ、【愛しのローズマリー】(2001)、【ホリデイ】(2006)など、コミカルな演技からラブストーリーまで、幅広い役を演じるジャック。
コメディ映画における彼の面白さは、派手な動きや顔芸、マシンガンの様に繰り広げられるトークなどではなく、❝誰もが想像できるユーモア溢れた人❞を体現できる点にあると思う。
コメディアンの様な派手な笑いではないものの、表情一つに笑みが零れてしまう、言葉ひとつに吹き出してしまうといった、リアルな笑いなのだ。
だからこそ、彼が演じるキャラクターに飽きることなく、最後まで笑いながら観ることが出来る。
本作でも、書いた物語が本当になるという不思議な力を持ちながらも、偏屈で皮肉屋な小説家を魅力たっぷりに演じているので、心ゆくまで楽しんでほしい。
また、吹替を担当した高木渉によるジャック・ブラックも最高なので、字幕版/吹替版の両方とも是非チェックして!
1969年8月28日 カリフォルニア州 生まれ。
【ボブ★ロバーツ/陰謀が生んだ英雄】(1992)で映画デビュー。
俳優業の傍ら、94年に俳優のカイル・ガスとTenacious Dというコメディバンドを結成し、ライブのチケットが毎回ソールドアウトするほどの大人気を博す。
【愛しのローズマリー】(2001)で初主演を果たし、【スクール・オブ・ロック】(2003)は全米初登場一位を記録した。
他主な作品に、【ホリデイ】(2006)、【ガリバー旅行記】(2010)、【ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル】(2017)、【ルイスと不思議の時計】(2018)など。
Instagram:@jackblack
コメディとホラーの絶妙なバランス
子ども向けのファンタジックな物語が繰り広げられる本作だが、ホラー加減もなかなか侮れない。
モンスターの造形ももちろんだが、何と言っても悪の根源であるスラッピーの不気味さ。
終始笑顔を貼り付けたまま、後ろを振り向いたらそこに居る、といった❝逃げられない❞恐怖を感じる。
もしこんな腹話術人形が目の前に居たら……と想像すると、タイトル通り鳥肌が立ってしまう。
様々な種類のモンスターが襲ってくる賑やかな恐怖とはまた違う、じりじりと追い詰められる、何もかも見透かされているかのような、大人も怯える恐怖を楽しむことが出来る。
そんな、本当に子ども向け映画?と疑問を感じてしまうホラー要素とケミストリーを起こすのが、ジャック・ブラックが先導して作り上げる❝笑い❞だ。
ジャック・ブラック演じるスタインから、ザックの友人チャンプ、度々現れるポンコツ警察官二人組、更にはモンスターでさえ、どんな状況でも笑いを忘れないコミカルさを見せてくれる。
また、そんな誰でも笑えるシンプルな笑いがあるからこそ、シリアスなシーンや、ザックとハンナの切ない描写、スタインとハンナの親子愛シーンが活きてくるのだろう。
【グースバンプス モンスターと秘密の書】評価・感想
78% 62%
TOMATOMETER AUDIENCE SCORE
子どもの頃に想像した、本の中の登場人物が現実世界にやって来る、という夢。
けれど、もしも現れたのが、狼男や透明人間、ゾンビなどのモンスターだったら……?
そんな、誰しもが考えたことがあるであろう恐怖を楽しく映画に仕上げたのが、本作の【グースパンプス モンスターと秘密の書】。
アメリカの人気児童文学作家R・L・スタインの作品を原作とした本作には、映画のキャラクターとしてR・L・スタインが登場し、更にはラストで本人によるカメオ出演もあるという、遊び心満載の作りとなっている。
(カメオ出演シーンが気になる方は、ラスト付近、ジャック・ブラック演じるスタインが学校内で挨拶する人に注目してみて!)
沢山の個性豊かなモンスターにもワクワクすること間違いなしなので、ハロウィンの時期に観るとなお盛り上がるのではないだろうか。
ホラーと笑いが程よくMIXされており、子どもも大人も一緒に楽しめるエンタメ作品を是非!
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