【招かれざる隣人】のネタバレと感想。
舞台はイギリス。
ケイトとジャスティン夫婦が住む階下にテレサとジョン夫婦が引っ越してきます。
同じ時期に出産予定と分かった妻たちは仲良くなり交流を始めるのですが、ある事が原因でテレサが流産してしまったのです。
最後に2組を襲う衝撃的な結末が待っていた……。
【招かれざる隣人】あらすじ
ある一軒家の2階を借りて住む、妻ケイトと多忙な夫ジャスティンだが、結婚から10年以上たってケイトがそう望んだことを受け、彼女は妊娠する。そして彼らが住む一軒家の1階にジョンとテレサという夫婦が引っ越してくるが、妊娠したテレサが事故で死産した際、彼女がケイトに“あなたが子どもを産むのは許せない”と言い放つ事態が。直後ジョンたちは引っ越すが、ケイトが出産した直後、ジョンたちはまた1階に戻ってきて……。
出典:wowow公式サイトから引用
ケイト(クレマンス・ポエジー)とジャスティン(スティーヴン・キャンベル・ムーア)夫婦が住む階下に、テレサ(ラウラ・ビル)とジョン(デヴィッド・モリッシー)夫婦が引っ越してきます。
長らく空き家だったことから、ケイトはどんな人が引っ越して来たのか気になりました。
そんな中、ケイトが外出しようとしていた時に、テレサも部屋から出てきて初対面。
テレサが同じ妊婦だと知ったケイトは仲良くしようとするも、テレサの少し強引なところを苦手に感じてしまいます。
戸惑いつつも、近所づきあいを大切にしようと思ったケイトは、テレサ夫婦を食事に招待することにしました。
ギクシャクしながらも和やかに食事が進む中、禁酒しているといいつつ夫の目を盗んでワインを飲むテレサ。
ケイトはテレサの飲酒が気になりつつも、あえて口に出さずにいましたが、食事が終わり会はお開きとなります。
帰りのこと。暗い階段で突然ケイトの飼い猫が飛び込んできたため、驚いたテレサは階段から転げ落ち死産となってしまいました。
ケイト夫婦は申し訳なく思ったものの、テレサが飲酒を否定したことで口論となってしまいます。
その後、テレサ夫婦は心の傷を癒すために家を出ていってしまいました。
ケイトは無事に男の子を無事に出産するのですが、突然テレサ夫婦が戻ってきたことで、幸せな夫婦に不幸が襲ってくることになるのです。
【招かれざる隣人】の見どころ
子供を授かった2組のカップルの温度差
結婚10年目になるケイトとジャスティン。
2人は先送りにしていた子どもが欲しくなるとすぐに妊娠しました。
一方、テレサとジョン夫婦は、子供が欲しくてたまらなかったもののなかなかできず、7年目にしてようやく子どもを授かることができた夫婦です。
ジョンは特に子どもが欲しかったらしく、前妻との間に子どもが出来なかったことで離婚した過去があり、子どもに執着している様子があふれ出ています。
そんな2組が、食事をしながら子どもの事を話す場面は、ケイト達には何の非もないのですが、望んだ途端に子どもが出来た2人に、テレサとジョンはジェラシーをむき出しにしていました。
これは、子どもを亡くした夫婦と子供を持ち幸せに暮らす夫婦の対比を、更に強調する伏線となっています。
とにかく怪しいテレサとジョン
最初から気が合わなかった2組の夫婦ですが、テレサの死産をきっかけに大喧嘩となり、テレサは「あんたが子どもを産むのは許さない」とケイトに言います。
ようやく授かった子どもなのに、亡くしてしまって誰かに怒りをぶつけたい気持ちも分からなくはないですが……。
自分のお腹の子はスクスク成長していることにケイトは落ち込みましたが、しばらくして階下の夫婦は「ここにいても気まずいのでしばらくドイツへ行く」という手紙を残して去っていきました。
夫婦が去ったことで少しホッとしたケイトはその後、無事に男児を出産。
しかし、ケイトの出産と時を同じくして、テレサとジョンも階下へ戻ってきたのです。
「過去の事は水に流して、また前のように仲良くやりなおしたい。」という2人に、戸惑いつつも受け入れることにしたケイト。
あんな事があったのに、何もなかったかのように戻ってくるわけない!と、思いますが、育児でお疲れ気味のケイトは、テレサが赤ちゃんの面倒を見てあげるとのオファーをありがたく受け、息子ビリーを預けてしまいます。
怪しさ100%の夫婦に愛するわが子を預けるんじゃない!と見ていてハラハラした瞬間です。
実は、テレサは優しい顔の仮面を被った悪魔。
その後、本当の目的が暴かれることとなるのです。
ミニ情報と映画飯
イギリスの住宅事情
日本の住居といえば、大きく分けて戸建てかアパートやマンションのような集合住宅の2つのタイプですが、イギリスではコンバーションフラットと呼ばれる、間取りの大きな一軒家を改装して集合住宅にしたような住居もあります。
ケイトたちの住居もこのタイプです。
その他、棟続きのイギリス式長屋のようなテラスハウスなども多くみられます。
そして、日本と大きく違うのが車をみんな路上駐車しているということ!
もちろん車庫や駐車場がある家もありますが、ほとんどの人が家の前に縦列駐車のようにズラーっと停めているのに驚ろかされます。
日本であれば即レッカー移動!となりそうですが、これらは違法ではなくきちんと許可をとって停めているので大丈夫だそう。
とはいえ、特に区切られていないので、映画の中でもあったような「駐車スペースがない!」という事も時々起こるようです。
ジャスティンの料理
テレサ夫婦が引っ越してきて食事に招待したケイト。
招待したわりに、料理を作っていたのはジャスティンでした。
ジャスティンが「サフランがない!」と慌てていましたが、結局買いに行かず。
サフランなしで出していた料理は、パエリアのようなリゾットのような。
以前、イギリスの国営放送BBCの料理番組で紹介された料理”パエット”と似ていましたが、正式な料理名は不明です。
ハーブも入っているように見え、美味しそうでした。
【招かれざる隣人】の感想
テレサ夫婦が戻ってきた本当の理由、それはビリーを奪うという事でした。
再び戻ってきた時に、「私たちもまた新しい家族が増える」と言っていましたが、それはテレサが妊娠しているのではなく、ビリーを自分達の子どもにするという意味だったのです。
最後は見事に目的を成功させたテレサですが、ケイトにとっては最悪な結末となりました。
ケイトが徐々に育児ノイローゼ的な感じに陥っていく原因となった出来事も、テレサ達が関係しているのでは?と予想はできますが、ハッキリと示さないままで終わりました。
ケイトと母親の関係も、過去に色々あったような空気は感じられますが、そちらも明確には説明されておらず。
最後に川に投げ込んだおくるみに包まれていたのは、飼い猫だったと思われますが、それもビリーが生きていたことからの推測、という感じです。
逆恨みからこのような結末になるとは……と、ちょっとショックを受ける人もいるかもしれませんが、全てが曖昧で終わることで、もしかしたら違うかも?という多少の希望も残しています。
しかし、何の罪もないケイトが犠牲になってしまったのは、ちょっと悲しかったです。
オフィシャルサイト
© THE ONES BELOW LIMITED / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / THE BRITISH FILM INSTITUTE 2015.