【ルーム】のネタバレと感想。実話に基づいた衝撃の話題作!
息子ジャックと2人で閉じ込められた”ルーム”で暮らすジョイ。
広い世界を知らずに5歳になったジャックをみた彼女は、息子のために2人だけの世界から脱出する決心をします。
ジョイが考え出した脱出計画は成功するのか?そしてその先に待っていた予想もしない展開とは!?
映画【ルーム】あらすじ
ジョイと息子のジャックは、小さな密室”ルーム”で暮らしていました。
彼女は17歳の時に誘拐され、以来7年間ずっと監禁生活を送っていたのです。
その生活の中で生まれた息子ジャックは、外の世界を知らないまま5歳の誕生日を迎えました。
ジャックが知っている人間は、父であり誘拐犯であるオールド・ニックと母親だけです。
オールド・ニックは、毎週日曜日に日用品を持って現れ、ジョイに性的な虐待を繰り返していました。
ジョイは、オールド・ニックが来る時にはジャックをクローゼットに隠し、絶対に会わせないようにしています。
そんなある日、ジョイは息子を外の世界へ脱出させる計画を立てました。
ジョイは、ジャックが高熱を出したように細工し、病院に連れて行ってもらおうとしますがあえなく失敗。
そこで、病気が悪化しジャックが亡くなったことにしたのです。
カーペットに包み、オール・ニックに気づかれないように外へ運び出してもらうよう何度も練習する2人。
そして、遂にジャックは作戦通り外の世界へ脱出することに成功したのです。
間もなくしてジョイも警察により助け出され、2人は晴れてジョイが7年前に住んでいた家へ戻ることに……。
戸惑いつつも外の世界に徐々に慣れていくジャックでしたが、ジョイにとって空白の7年間を埋めることは想像以上に難しいことだったのです。
映画【ルーム】のネタバレと見どころ
緊張感あふれる脱出劇
ストーリー前半は、胸が苦しくなるような監禁生活がメインとなっています。
ひとりでは逃げ出せないけれど、ジャックも大きくなり2人で協力すれば何かとかなると考えたジョイ。
「6歳になってから。」とか「明日じゃダメ?」と不安な表情を浮かべるジャックでしたが、ジョイは「ダメ。今日やるのよ。」と、ジャックに死んだ真似とカーペットから抜け出す練習を何度もやらせました。
何度も何度もカーペットにまかれて転がる練習をさせられるジャックは、「ママなんか大嫌いだ!」と泣き叫びます。
しかし、この計画が失敗したら、ジャックの命を危険にさらすことになるのでジョイも必死です。
本当だったらこんなことやりたくはない、でも息子を助けるにはこうするしかない、という母親の葛藤が見事に表現されていました。
また、ジャック役のジェイコブ・トレンブレイの迫真の演技も見どころとなっています。
計画通りトラックに乗せられたジャックは、”トラック 転がる ジャンプ 走る 誰か”という母の言葉通り、カーペットから抜け出しました。
初めてみる広い世界に5歳の子がどれだけ驚いたことか。
頭が真っ白になってもおかしくない状況の中で、ジャックは必死に通りの人に助けを求めました。
さらに、自分がいた場所は天窓のある納屋で、トラックが3回停止したことを警察に伝えます。
警察はそのジャックの大きなヒントをもとにジョイも救出されることとなったのです。
ジャックがいたからこその救出劇でした。
初めての広い世界
後半は、2人が発見されたその後が描かれています。
誘拐がメインの作品では、発見されるところで終わる話が多いのですが、【ルーム】ではその後が一番重要な部分となっています。
見るもの触るものが初めてだらけのジャック。
はじめは母親以外の人と話せず、聞かれたこともジョイにそっと耳打ちして話すことしかできません。
しかし子どもは柔軟なので、ジャックも新しい生活に上手に順応してきます。
そんなジャックも時々”ルーム”に戻りたいな、と思うことも……。
ジャックの中では時間が経つにつれ、”ルーム”での思い出が美化されていたのです。
新しい生活に疲れて、昔に戻りたいなと思うことは誰しも持つ感情ですが、この問題は最後に空っぽになった”ルーム”を訪れることで解決しました。
脱出の先に本当の困難が待っていた
脱出すれば元の生活に戻れると思っていたジョイでしたが、現実ではマスコミに追い回される日々。
実の父親は、誘拐犯との間に生まれた子供を受け入れることができず、ジョイはそんな父親の態度に深く傷つきます。
ある日、生活費の足しにと受けたマスコミのインタビューで、子どもだけでも外へ出して保護してもらうこともできたのではないかと言われます。
「あの子には私が必要だった」というジョイに、「それが本当に最良の方法だったのか?」と問いかけるインタビュアー。
ジョイがジャックを保護してもらわなかったのは、もしかしたら自分がひとりになりたくなかったからだと気づいたのかもしれません。
一緒に高校生活を送っていた同級生は、普通に人生を過ごしている、どうして私だけ?という気持ちがジョイに押し寄せ、とうとう自殺未遂を起こしてしまいます。
そんなジョイを立ち直らせる気持ちにさせたのはジャックだったのです。
ジョイを演じたブリー・ラーソンは、このドラマでアカデミー賞女優賞を受賞しました。
映画【ルーム】ミニ情報と映画飯
ジャックが食べていたシリアル
ジャックを温かく見守る家族たちでしたが、中でもジョイの母親の再婚相手レオは上手くジャックと仲良くなっていきます。
ジャックが一人で階段の上にいるのに気づき、独り言のように「これから何をしよう?一緒に遊んだりおしゃべりしたりするのに誰かいたらいいな…。そうだ台所に美味しいものがあったからそれを食べよう。」などといい、ジャックがキッチンに来るよう上手に誘導しました。
レオが棚から取り出していた”TOASTED OATS”の箱。
アメリカでは色んな種類のシリアルがありますが、このタイプのシリアルは定番のひとつ。
朝ごはんに牛乳と一緒に食べる家庭が多いです。
映画の元となった監禁事件
パクパクサクサク食べている姿は美味しそうでした。
この話は、実際におこった恐ろしい監禁事件がベースとなっているそうです。
”フリッツル事件”と呼ばれるこの事件は、実の父親が娘を24年間もの間自宅の地下室で監禁し、7人の子どもを出産させたというオーストラリアで起こった衝撃的な事件です。
映画【ルーム】の感想
ブリー・ラーソンの演技も素晴らしかったですが、息子役のジェイコブの演技は見事でした。
今後、十分期待できる俳優になるかもしれませんね。
前半と後半、それぞれの苦悩や困難がリアルに伝わってきて一瞬たりとも目の離せないストーリーでした。
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