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『ゴールデン・リバー』ヒューマンドラマのような、ロードムービーのような西部劇に心を揺らして。

ゴールデンリバー
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映画『ゴールデン・リバー』の舞台は1850年代ゴールドラッシュ、アメリカ、オレゴン州。

ジョン・C・ライリーやホアキン・フェニックスなどの実力派俳優が顔を揃え、うつくしく哀しく、そして人間の絆を感じさせられる西部劇映画です。

この記事では、本作の魅力と最大の見どころの数々をお伝えします。

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映画『ゴールデン・リバー』のあらすじ

「俺たちはシスターズ兄弟だ」──その言葉に誰もが震えあがる、最強の殺し屋兄弟がいる。1851年、オレゴン。兄の名前はイーライ(ジョン・C・ライリー)、弟はチャーリー(ホアキン・フェニックス)、雇い主はあたり一帯を取り仕切る提督だ。度胸があり提督からの信頼も得ているチャーリーが、リーダーとして仕事を仕切り、兄はそんな弟のワガママをぼやきながらも、身の回りの世話を引き受けていた。

出典:『ゴールデン・リバー』公式サイト

アメリカ・オレゴン州。

その名を聞けば相手は震え上がるというほどの腕前を持つシスターズ兄弟は、あたり一帯を取り仕切る提督に雇われて命令を受け、行動していました。

アルコール中毒気味の弟・チャ―リーと、世話焼きの兄・イーライの次なる仕事は、連絡係のモリスが後を追うウォームという男から盗まれたものを取り戻し始末すること。

モリスの連絡を頼りにふたりは、サンフランシスコへと南下しているとき、ウルフ・クリークにてターゲット・ウォームから声をかけられ、モリスはうまく仲を深め、移動する際に手紙を残しました。

旅の途中、ウォームは化学者であり金をすぐに見つけることができる化学式を見つけたとモリスに告げます。

しかし、ふとしたことからモリスに不信感を抱いたウォームに、次の町・ジャクソンビルで正体がバレてしまいますが……。

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映画『ゴールデン・リバー』の見どころ

フレンチ西部劇とはいかほどか?

『真夜中のピアニスト(2005)』などで名が知られているジャック・オーディアール監督。

彼はフランス人で、今回初めて英語にて制作さた映画がご紹介させていただいている『ゴールデン・リバー』。

それを踏まえて観ていると確かにフランス映画感が漂っているように感じるのではないでしょうか?

果たして全員が幸せではない結末(=ドライな死生観、もちろん捉え方によりますが)、映画に入り込めないという意味ではなく、しかし時たま感じるどこか他人事じみた雰囲気……。

これはおそらくアメリカからの視点ではなく「新天地/移民大国・アメリカ」という古くからの大国・フランスからの視点だからではないかと考えます。

そしてド派手じみたシーンがないのも特徴。

むしろ暗い部分を描いていると思います。

散々提督に指示され、ターゲットを始末してきた者だからこそ、眠るときに魘されたり、大量のアルコールを摂取したり、すぐに応戦できるよう銃を懐に忍ばせての野宿などなど、とても安全とは呼べない生活を切り取ってうまく組み込まれているなと感じます。

ふたりで目指した理想郷におけるブロマンス

もともと連絡係でウォームの後を追っていたモリスは、途中でウォームが思い描く、誰しもがしあわせになれるという理想郷に感化されたこともあり、ふたりで兄弟から金のため、駆け落ちのように逃げるように先を急ぎます。

最終的に兄弟に追いつかれてしまうものの、採れた金を半々に分けるということで、お互い合意した上で川をせき止めたり、焚き火のまわりで話し込んだりと、ゆるやかな協力関係が描かれます(正直このあたりのシーンが1番穏やかでしあわせです)。

その後、詳しくは書きませんが金に惑わされ目が眩んだチャーリーによって、ウォームとモリスは兄弟に看取られながら亡くなるのですが、一度は自分の命を奪いそうになった相手です。

深みに嵌ったモリスを助けに、ウォームは確実に無傷ではいられないとわかっている劇薬で、淀む川に飛び込まずともよかったのに飛び込んだ理由はなんなのか?

そして、イーライがモリスのフリをして看取るシーン、「きみと友人になりたかった」と言って眠るように亡くなった彼は、たった数週間ほど前から一緒に行動し始めたばかりのモリスを、とても大切に感じていたのでしょう。

そしてモリスもまた、裏切ったら殺されることが十分わかった上で、ウォームについていくことを決意していました。

彼らがもし生きていたのならば、お互いの名前を掲げた会社を立ち上げていたことでしょう。

どうか安らかに、幸せに天国で暮らしていてほしいものです。

安息はどこにある

ターゲットだったウォーム、裏切ったモリスを始末するということがなくなった兄弟。

チャーリーに関しては、劇薬によって壊死しかけた片腕を切り落とすことになり、殺し屋を止めるためにも生きていくためにも、危険を犯して提督を殺すほか道はないと腹を括ったふたりは、途中始末にきた刺客を倒しながらもオレゴンへと引き返します。

そして、この提督とのやり合いの結末もあっさりと言いますか、シュールかつヨーロッパ映画らしい意外な方向に転んでふたりは晴れて自由の身に。

ラストで描かれるのは、母が住む故郷へ帰ってのんびりとした生活を送っているシーンです。

木漏れ日を顔に受けながら気持ちよさそうに眠りについたイーライの手に銃はありません。

散々いろいろな場所を巡ったふたりの安息地は、オズの魔法使いのドロシー曰く、「おうちがいちばん!」であるのかもしれないなと感じました。

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映画『オールデン・リバー』感想のまとめ

通常の西部劇とはテイストが大きく異なっている作品でした。

サスペンスウエスタンとの呼び名が公式でついていましたが、サスペンスだけでは確実にないと思います。

メインキャラ4名の演技の振り幅の大きさをしみじみと体感でき埃っぽく薄汚い、しかしそれが妙に居心地いい気持ちになってくる本作をぜひ細かな点も気にされながらご覧ください!

メインキャラ「シスターズ・ブラザーズ」を演じるのは『僕たちのラストステージ(2018)』にてハーディ役を演じていたジョン・C・ライリー。

10月に公開を控える注目の新作『ジョーカー(2019)』にて主人公・ジョーカーを演じるホアキン・フェニックス。

ジェイク・ギレンホール、リズ・アーメッドも重要な役を演じており、実力派俳優が揃った見ごたえのある作品です。

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