【フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めて】愛すべきひねくれ漁師の歌声に故郷の愛を感じながら。

(C)FISHERMAN FILMS LIMITED 2019

映画【フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めて】

原題「Fisherman’s Friends」

このタイトルのままのバンドがイギリス南西部・コーンウォール地方の小さな港町ポート・アイザックに存在します。

バンドのメンバーはなんと結構なお年を召している漁師さん!?

一体どういう経緯でバンドが結成されたのでしょうか?

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【フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めて】のあらすじ

(C)FISHERMAN FILMS LIMITED 2019

音楽マネージャーのダニ―は、仕事仲間と結婚間近のヘンリーの独身最後の旅行に、ポート・アイザックへ観光にきていました。

海で遊んで楽しんでいる中、ちょうど通りかかった浜辺で歌う漁師たちの舟歌を聴き、上司のトロイは冗談で「契約を交わしてこい」とダニーに命令します。

しかしトロイたちは、ダニーが漁師たちに話しかけようとしている間に、彼をおいて勝手にロンドンへと帰ってしまいました。

漁師たち「フィッシャーマンズ・フレンズ」のリーダーであるジムは、ダニーの提案を却下するものの彼の娘・オーウェンが営んでいるB&Bへ泊まりこみます。

漁船にまで付きまとって何とか契約を交わしたものの、トロイからの電話「冗談だった」と言われてしまい……。

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イギリスでロングランヒットを続ける映画

本国イギリスでは、動員100万人を超える大ヒットを記録している本作。

一体何がそこまでイギリス人の心を掴んだのか。

それは”イギリスらしい皮肉さやユーモア”と、”イギリス人なら誰でも知っている”が鍵になっていること。

冒頭で、ダニーたちがポート・アイザックで一方通行を無視して道に入ってきた際に、娘を送るオーウェンが暴言を呟いたり、テレビ出演が決まったフィッシャーマンズ・フレンズが歌うはずだった曲を勝手に変更したり……。

本作でフィッシャーマンズ・フレンズが歌っている舟歌や民謡は、イギリスで生活している人ならば一度は耳にしたことのあるものばかりだそう。

また、フィッシャーマンズ・フレンズというバンド名も、イングランドに本社があるロフトハウス社のトローチとほぼ同じ(「フィッシャーマンズ・フレンド」)で、喉を痛めたイギリス人なら「誰でも知っている」ということで気になった方も多いはず。

そんなユーモアや親近感が、本国ではよりウケているのではないかと思います。

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絆を信じる気持ち

突然ポート・アイザックへと残ることになってしまったダニ―ですが、ジムの娘であるオーウェンのことも気になりつつ、漁師たちと一緒に過ごしていくうちに本当に彼らをデビューさせたいという気持ちが強くなっていきます。

そして、トロイに帰ってこいと怒られるとまさかの仕事を辞める、という選択肢を選ぶほど彼らを信じるようになりました。

ダニ―を信じるようになったのは漁師たちやその周りの家族たちも同じでした。

最初はよそ者扱いしていましたが、しつこく説得してくるダニ―に心を開いていきます。

トロイの嫌がらせを受けつつもテレビ中継までこぎつけ、漁師たちの予想外のアドリブによりもう道はないと諦めかけるダニ―。

トントン拍子にアルバムを出すことが決定して喜びに溢れるシーンは、とても微笑ましく嬉しく感じるかと思います。

しかし、漁師たちの拠り所であるザ・ゴールデン・ライオン・パブの経営難について相談を受けたダニーは売却を勧め、契約はひっそりと進行することに……。

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何がいちばん大切?

アルバムの発売日も決まったと思いきやハブ売却の件が漁師たちに知れ、この村を出て行けとジムに言われ、うまく行っていたオーウェンにも愛想をつかされたダニー。

ひとりロンドンへと帰ったダニーでしたが、ポート・アイザックでの暮らしを思い出してぼんやりと暮らす日々。

そんな中、ザ・ゴールデン・ライオン・パブの営業最終日が訪れます。

その日はアルバムランキングが発表される日でもあり、多くの人で賑わっていましたが、行きづらくなっていたジムもパブに顔を見せます。

その時ダニーもパブを訪れ、なんとロンドンの自宅を明け渡す契約に変更したというのです。

今までの生活を手放してまでも一緒に過ごしたい人や場所があるということは、ここまで人を強くさせ、また突き動かしてくれるのだと強く感じるシーンかと思います。

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【フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めて】まとめ

イギリスという国は4国が集まってできていることもあり、故郷への愛情や敬意、その土地への誇りを持った方が多い印象です。

本作の漁師たちも自らをコーンウォール人という認識で生活をするほど。

その土地を愛しているからこそ、古くから語り継がれる民謡・労働歌を歌い続けるのでしょう。

また、イギリスあるある「もうひとつの我が家」とも言えるバブの存在も大きく描かれていました。

地元の人々で集まって交流する、ということが今日少なくなっているかと思いますが、顔なじみと仕事終わりに集まって楽しそうに話しているシーンを観ると、やはり大切な人や家族たちと食事をしたり生活をすることは人間の生活において重要な要素なのではないかと感じます。

パブのシーンは実際にフィッシャーマンズ・フレンズが集まったハブでロケが行われていたということで、元々彼らのバンドに詳しい方はきっとニヤニヤしてしまうはず!

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