映画『イタリアは呼んでいる』あらすじと感想。
イギリスでは知らないひとはいないくらいの人気コメディアン、スティーブ・クーガンと、ナレーターとしても有名なロブ・ブライドンのふたりが本人役を演じる本作。
本作の元になったTVシリーズがあるほど、ふたりの演技はとても自然。
美しいイタリアの景色と食事をバックに、ふたりの旅はいかほどな展開になるのか?
『イタリアは呼んでいる』のあらすじ
スティーヴ・クーガンとロブ・ブライドンは、数年前にオブザーバー紙からの依頼でイギリスの湖水地方のレストランを巡ってグルメ記事を書いたことがありました。
『スティーブとロブのグルメトリップ(2010)』
それが好評だったためか、今度はイタリアでという依頼が2人に舞い込んできました。
イタリアを北から南へと極上ともいえる食事、美しいホテル。
有名人のモノマネをして笑いながら旅するふたりですが、彼らのプライベートはちょっとした問題を抱えており……?
『イタリアは呼んでいる』見どころと映画飯
ふたりが食べるイタリア料理にそそられる
グルメレポートということもあり、旅先で注文されるイタリア料理。
どれを見ても極上のそれらは観ているこちら側もふたりの席にご一緒したくなるくらい!
トリュフなどの高級食材を用いた料理はもちろん、バーニャカウダ、ミートソースのクリオリーニ、タコのポテト添えなどなど、イタリア・各地方の伝統料理がイタリアの美しい景色とともにシーンが切り取られています。
ホテルももちろん素敵なところばかり。バイロンが泊まったという「ルレ・ラ・スヴェーラ」、グレタ・ポルタが泊まったという「ヴィッラ・チンブローネ」など、有名ホテルが登場するのでご存知の方はより楽しめるかもしれません。
「イタリアは呼んでいる」っていう映画、オッサン二人組が絶妙な掛け合いと美味しい料理と美しい景色を堪能しまくる内容らしいのでとても気になる。
— 松傘 (@mrf_mari) March 2, 2019
♥映画『イタリアは呼んでいる』の舞台となったホテル!
➡http://t.co/Ar8m9Hmypf
①ホテル・チェノビオ・デイ・ドージ、②ルレ・ラ・スヴェーラ、③ホテル・ロカルノ(ローマ)、④ヴィッラ・チンプローネ(ラヴェッロ) pic.twitter.com/6ZaCX28KOW— ヨーロッパ旅行✈情報部 (@euro_tour) April 29, 2015
ふたりのモノマネにご注目
本作は、ただのグルメ映画かというとそうではありません。
ジュード・ロウにはじまり、ヒュー・グラント、ロバート・デ・ニーロにクリスチャン・ベール。
そして『ダークナイト ライジング(2012)』のサー・マイケル・ケイン。
さらにトム・ハーディなど、さすが仲のいいコメディアン同士なだけあって、モノマネ合戦と掛け合いは見事なもの(しかもほぼ即興だそうです)
フィクションとリアルが折り混ざった世界観に、主役ふたりがイギリス人ということもあって、イギリス俳優ネタが多いのも魅力のひとつ。
元ネタがわかる方ならばよりおもしろく、思わず笑ってしまうこと間違いなしです。
旅をしながら人生を振り返る
仕事もうまくいっていなかったり、別れた奥さんと一緒に住んでいる息子の近くに住むことを願ったりと、プライベートがいまいちなスティーブ。
スリラーサスペンス映画の役がもらえて嬉しいけれど、子育てで忙しい奥さんにないがしろにされているロブ。
ふたりとも決して絶好調!ではないけれども、ふたりともお互いを支えて励まして、軽口を叩きながらこのグルメ旅を、ちょっとした恋を交えて進んでいくのです。
親友ともいえる、長い付き合いのふたりの仕事とはいえのんびり旅。
何か思うことがある方にはぜひ、本作を観ていただいてほっこりした気持ちになっていただきつつ、人生のヒントを見つけていただければ幸いです。
『イタリアは呼んでいる』を観た感想
本作はグルメレポートの仕事で旅をしているふたりですが、料理に対しての彼らからのコメントはほぼ皆無。
運ばれたパンすらも小道具扱いして、ほとんどがモノマネやコントでジャレあっているのです。
どちらのほうが眉の上げ方がうまいかなど、かなりバカバカしいことをして遊んでいるシーンが多いので、決してグルメに特化した映画ではありません(笑)。
2人の空気感がギスギスしたとしても、すぐに元通りに収まる様子から、2人は本当に仲がいいのだろうと伝わってきて、親友という間柄の何気ない生活を垣間見て知ることができます。
また、あらすじの際に挙げさせていただきました通り、実は『スティーブとロブのグルメトリップ』(2010)という本作の前にあたる作品があります。
ですので、本作の邦題は『スティーブとロブのグルメトリップ~イタリア編~』でよかったのかもしれませんね。
こちらにもモノマネがたくさん盛り込まれていますが、本作と対になっているような箇所がちらほらあり、本作でも登場する女性カメラマンの初登場シーンを観ることができます。
また、パッケージにもご注目していただければわかると思いますが、若干眉をひそめて難しい顔をしているのが本作と前作では同じではないのです!
こんな小さな細工も見つけると楽しいですね。
食事をしながら、悩みを抱えつつも楽しく生きていこうとする本作を気に入った方はぜひ、前作もご覧頂ければ、より本作の魅力を感じて頂けると思います。
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