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【秒速5センチメートル】あらすじと解説。新海誠作品の原点となる短編映画。

映画【秒速5センチメートル】は、2007年に公開された新海誠の第3作目の劇場公開作品となるアニメーション映画です。秒速5センチメールのタイトルは、桜の花びらが落ちる速度を意味しています。キャッチコピーは「どれほどの速さで生きれば、きみにまた会えるのか。」を、ぜひ。

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【秒速5センチメートル】あらすじ

物語は、第1話の「桜花抄」、第2話の「コスモナウト」、第3話の「秒速5センチメートル」の短編3部構成で描かれています。

第1話「桜花抄」は、貴樹(水橋研二)が通う東京の小学校に明里(近藤好美)が転校してくるシーンから始まります。

2人は家庭環境や性格が似ていることもあり、自然と仲良くなりますが、小学校卒業の時に明里が栃木に、中学校1年の時に貴樹が鹿児島に転校することになります。

第2話の「コスモナウト」は、鹿児島県の種子島が舞台で、貴樹の高校の同級生である花苗(花村怜美)目線で物語が進みます。

その後、明里からの連絡がだんだんと途絶え、貴樹は思い悩みます。

そんな貴樹への恋心と進路に悩む花苗の姿が繊細に描かれています。

第3話「秒速5センチメートル」は、大人になった貴樹と明里それぞれの人生を切なく表現しています。

ある日、2人は小学生の時に一緒に桜を見た踏切で偶然すれ違いました。

お互い気付いた様子ですが、2人の間に電車が通過します。

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キャスト情報

遠野 貴樹/水橋 研二

本作の主人公で、体が弱く外で大勢と遊ぶよりも図書館で本を読むことが好きな男の子です。

おとなしい性格ですが、引っ越し前に栃木までひとりで行くなど行動力がある一面もあります。

貴樹の声優を務めたのは、【劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜】(2019)や【ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章】(2017)などに出演している俳優の水橋研二です。

篠原 明里/近藤 好美(第1話)、尾上 綾華(第3話)

転勤族で小学4年生の春に転校し、貴樹と同じクラスになりますが2年後に栃木に引っ越します。

貴樹の初恋の相手で、引っ越した後も文通をするなど頻繁に連絡を取り合っていました。

明里の声優を務めたのは、モデル・声優の近藤 好美とモデルの尾上綾華です。

2007年頃、2人ともファッション雑誌でモデルとして活躍していました。

澄田 花苗/花村 怜美

第2話「コスモナウト」の主人公。

貴樹とは種子島の中学で同じクラスになり、東京から転校してきた貴樹に他の男子とは違う雰囲気を感じ、恋心を抱くようになります。

花苗の声優を務めたのは、映画【バトル・ロワイアル】(2000)、アニメ【東京マグニチュード8.0】(2009)に出演した女優であり声優も務める花村怜美です。

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【秒速5センチメートル】ネタバレ・見どころ・解説

新海誠作品の共通点①「圧倒的な映像美」

【君の名は。】(2016)や【天気の子】(2019)で一躍有名となった新海誠監督ですが、彼の作品には多くの共通点があると言われています。

まず新海誠作品の特徴と言えば圧倒的な映像美です。

初めて本作を見たとき、アニメ映画でこれほど美しい描写が可能なのかと驚く方も多いでしょう。

特に映画の最初に描かれている桜が舞い散る踏切のシーンは、一気に映画の世界に引き込まれます。

そして第2話「コスモナウト」のロケット発射のシーンは、【君の名は。】の彗星のシーンが思い出されます。

新海誠作品の共通点②「男女のすれ違い」

そして2つ目の共通点は、「すれ違う男女の切ないストーリー」です。

本作の上映時間は63分と映画にしては短いですが、小学生、高校生、社会人とそれぞれの世代を描いているため63分とは思えない、長時間の映画を見ているような感覚にさせられます。

過ぎていく時間の中で相手に対する気持ちの変化や、思い出に変わるまでの心境がひしひしと伝わってきます。

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【秒速5センチメートル】感想

映画のラスト5分で流れる山崎まさよしの「One more time, One more chance」が映画にマッチして非常に良いです。

曲に合わせて映画のハイライトのような映像が構成され、切ない気持ちをさらに盛り上げてくれます。

本作は大事件や派手なキャラクターが登場するわけではなく、主人公の初恋を断片的に、センチメンタルに描いた作品となっています。

ゆっくりとした時間の中で、昔のことを懐かしく思い出すような、大人向けのアニメ映画だと思います。

ぜひ、ご覧下さい。

オフィシャルサイト
©Makoto Shinkai / CoMix Wave Films