映画【ウォーム・ボディーズ】ネタバレと見どころ。
【マッドマックス 怒りのデス・ロード】(2015)、【エジソンズ・ゲーム】(2020)などに出演したイギリス俳優、ニコラス・ホルト主演のゾンビ・コメディ映画!
人間とゾンビが恋する!?
少し変わったラブストーリー映画をぜひ体験して!
【ウォーム・ボディーズ】の作品情報
製作
2013年 アメリカ
監督
ジョナサン・レヴィン
配給
サミット・エンターテイメント
キャスト
ニコラス・ホルト、テリーサ・パーマー、ジョン・マルコヴィッチ、ロブ・コードリー、デイヴ・フランコ、アナリー・ティプトン
【ウォーム・ボディーズ】のあらすじ
【高慢と偏見とゾンビ】あの傑作恋愛小説にまさかのゾンビ発生!? 恋と世界観はどう変わる!
【デッド・ドント・ダイ】ネタバレと見どころ。ユーモアかつメッセージ性に溢れたゾンビ映画。
舞台はゾンビと、その成れの果てであるガイコツが蔓延る世界。
廃空港にある飛行機に住み着いているゾンビ青年R(アール)は、ある日食欲に突き動かされて仲間たちと街へ向かいました。
物資の調達に出てきていた人間たちを見つけたゾンビたちは襲って食欲を満たします。
ところが、Rが青年ペリーの脳を喰らったところ、それが原因で彼の元彼女・ジュリーに恋をしてしまいました。
Rは、ジュリーを他のゾンビから守りつつ、自らの住む飛行機へ連れて帰ることにするものの……。
【ウォーム・ボディーズ】の見どころ・ネタバレ
一般的ゾンビと一味ちがう!
本作のゾンビ感染パターンとしては、謎のウイルスが原因ということで話が進んでいきます。
死んだものが生き返ったというわけではないからか、人間が歳をとるようにゾンビたちも腐敗の進行によって行動が変化する(腐敗が進行すると動きが遅くなる)など、彼らも永遠の命ではないことがまずおもしろい設定だと思います。
また、少しだけ生前の記憶や理性を持ち合わせ、生前の行動と単語レベルの会話をのろのろと繰り返しつつも、それらは進行によって消えてしまう。
最終的には食欲だけが残った結果、自分の皮膚すら剥がして喰らい「ガイコツ」という存在になってしまう、というのもよい設定でした。
ここまで来てしまうともうゾンビですら手が付けられず、人間も俊敏なガイコツに手を焼いている状態です(ゾンビよりも面倒な存在って…)。
ゾンビ映画でゾンビからさらに進化したキャラクターがいる、という設定はなかなかないと思うので新鮮な感覚をぜひ体感してください。
ゾンビものが苦手な方にも1度はおすすめしたい!
主人公であるゾンビ青年Rは、人間であったころの記憶が他のゾンビよりも強く残っており、他人ともっと交流したいのにうまくできないゾンビの身体を嫌っているというちょっぴり変わったゾンビ。
ジュリーを飛行機へ連れて帰ったRは、彼女と音楽を聴いたりドライブしたりと、ゾンビと人間の交流を描いていますので、ゾンビ映画ではなかなかお目にかからない、ほんわりしたシーンがあって見やすいかと思います。
しかしジュリーはというと、人間たちの住む街へ帰りたいと感じ、ひとりで抜け出した結果凶暴なゾンビに襲われてしまう…!ところをRが助けにくる!という、通常のラブストーリーならばステレオタイプなパターンですが、まさかゾンビが助けに来るとは前代未聞です。
「人間に襲いかかってくる恐ろしいゾンビ」という概念を覆してくる斬新さは、おそらくゾンビに苦手意識を持っている方でも少し考え方を変えるきっかけになるかもしれません。
愛はゾンビをも救う
中盤にて、葛藤しているRに対しジュリーは「もがいているのね。人間になろうと努力してる。わたしたちも同じよ。」というかっこいい言葉を伝えたり、人間の街へとジュリーを追ってやってきたRのことを匿って、友人ノラと共になんとか血色良くしようと化粧を施してみたり(この時にかかるBGMが最高なのでぜひ本作で確認あれ!)します。
また、彼女の父であり人間軍のリーダーであるグリジオ大佐にゾンビたちを助けて欲しいと懸命に訴えたりと、ジュリーはRに守られつつも自分の出来うる限りのことをこなそうとする、心の強いヒロインである、という描き方はとても好感が持てるかと思います。
また、1度はジュリーを諦めようとしたRですが、彼女を救うために頑張った結果「愛」を思い出し、「血が通う人間」へと生き返ることができました。
愛は人間はおろか、ゾンビですら救うのですね。
本作はシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」が基となっているということで、バルコニーで2人が再会するシーンは、どおりで見覚えがあるわけです。
また、基となっている作品とヒロインの名前を踏まえると、青年「R」の本当の名前はおそらく……。
非愛で終わることはないのでご安心して視聴してくださいませ!
【ウォーム・ボディーズ】まとめ
最初は無表情なRをはじめとするゾンビたちが次第に話せる言葉が増えたり、食以外で行動を起こそうとしたりするなど、彼らの成長にぜひご注目していただきたいと思います。
また、「相手を認める気持ち、人間を人間たらしめるもの」を描きたかったというジョナサン・レヴィン監督。
最初は怖がっていたジュリーが次第にRを「ゾンビとして」ではなく「Rとして」認識し始めて心を通わせていく流れに、相手に対する勝手な決めつけはよくないとしみじみと感じられるかと思います。
ちなみにレコード好きなRの、レコードプレーヤーの下にある円盤もなかなかの品ぞろえなので、洋楽好きな方ならもっと楽しめるに違いない作品だとも思います。
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