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【ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ】解説。❞窓から見た❞ミステリー事件の真実を暴く。

Writer:ocean yacht
Introduction

映画【ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ】は、2021年にNetfilxから配信公開されたアメリカのスリラー映画。A.J.フィン(A.J.Finn)の小説を基に、引っ越しして来た隣人の様子を窓越しで偵察していた時に殺人事件を目撃した主人公アンナの目線で描いています。【プラダを着た悪魔】(2006)、【ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日】(2012)など、主に小説原作映画を誕生させたプロダクション会社FOX2000が、最後に進めたプロジェクトの一つです。

© Netflix. All Rights Reserved.

Production

公開:2021年 アメリカ

原題:The Woman in the Window

監督:ジョー・ライト

キャスト:エイミー・アダムス、ゲイリー・オールドマン、ワイアット・ラッセル、ジュリアン・ムーア

配信Netflix

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あらすじ

広場恐怖症で、家の中だけで過ごしていた精神科医アンナ(エイミー・アダムス)は、反対側の家に引っ越して来た家族を観察し始めました。

しかしある日、残酷な殺人事件を窓越しから目撃したアンナは、真実を探ろうとします。

彼女の執着な探求によって、明らかになった事件の真相は果たして….。

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監督・キャスト

ジョーライト監督

【ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ】のメガホンをとったのは、イギリス出身の監督ジョー・ライト。

長編映画初監督作品でもある【プライドと偏見】(2005)で高い評価を受け脚光を浴び、第59回英国アカデミー賞新人監督賞を受賞しました。

更に、2007年の【つぐない】は第64回ヴェネツィア国際映画祭のオープニング上映となり、史上最年少でオープニング上映された監督として記録されました。

【つぐない】では、2008年に第61回英国アカデミー賞作品賞、第65回ゴールデングローブ賞ドラマ部門作品賞を受賞しています。

美しい映像美と感覚的な演出、古典的な雰囲気で多くのファン層を持つジョー・ライト監督は、本作ではアンナの混沌の様子を、美しくかつサイケデリックなミジャンセンで描き、その繊細さをも表現しています。

エイミー・アダムス

主人公アンナ役を演じたのは、【ダウト~あるカトリック学校で~】(2008)や【ザ・ファイター】(2010)などで賞賛を受けたエイミー・アダムス。

イタリア・ヴェネト州ヴィチェンツァ出身のアメリカ合衆国の女優エイミー・アダムスは、イギリス人、デンマーク人、ドイツ人、ノルウェー人、アイルランド人、スコットランド人の血統を受け継いでいます。

1999年の映画【わたしが美しくなった100の秘密】でデビューし、本格的に知られるようになったきっかけは、スティーヴン・スピルバーグ監督の【キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン】(2002)。

この時エイミーは、レオナルド・ディカプリオの恋人・ブレンダ役を演じました。

また、【魔法にかけられて】(2007)ではヒロイン・ジゼル役で初主演、【アメリカン・ハッスル】(2013)と【ビッグ・アイズ】(2013)では、ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞しています。

ほか、DC映画【マン・オブ・スティール】(2013)で、スーパーマンの恋人ロイス・レイン役に抜擢されるなど、名実共にハリウッドで活躍する女優のひとりとなっています。

ゲイリー・オールドマン

隣人家族の家長アリスター役を演じたのは、【Mank/マンク】(2020)で、3度目のアカデミー主演男優賞にノミネートされたゲイリー・オールドマン。

イギリス出身の映画監督であり、ハリウッドを代表する映画俳優です。

ゲイリー・オールドマンは、マイケル・ケイン、ヘレン・ミレンに続き、大半が上流階級の貴族階級である英国映画界で、演技力だけで勝ち上がった英国労働者階級出身の俳優でもあります。

【Remembrance】(1982)で映画デビューを果たし、1991年からは歴代級の悪役演技を披露。

【ドラキュラ】(1992)ではドラキュラ伯爵を、【レオン】(1994)では悪徳刑事を演じるなど、悪役俳優としてのイメージが固定化されました。

また、【スカーレット・レター】(1995)のアーサー・ディムスデール牧師、【不滅の恋/ベートーヴェン】(1994)でベートーヴェン役を演じるなど、ハリウッドでは伝記映画、或いは実存人物を演じる俳優としても知られています。

ほかにも【ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男】(2017)では、ウィンストン・チャーチルを熱演し、2018年には第75回ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞しています。

【ダークナイト・トリロジー】(2005-2012)では、不正の都市ゴッサムシティで唯一潔白な刑事ジェームズ・ゴードン役を演じ、これまでの悪役イメージを覆しました。

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小説から生まれた本作と【裏窓】の共通点と差異点

映画の基になったA・J・フィン原作の小説「The Woman in the Window」は、2018年の発売と同時にニューヨークタイムズでベストセラー1位にのぼった人気作。

小説が映画化される最大のメリットは、読者が想像で描く視覚的要素や聴覚的要素が巧妙に再現されるという事です。

アルフレッド・ヒッチコック監督の【裏窓】(1954)を連想させる【ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ】は、タイトルから重要な設定、プロットやミジャンセンに至るまで、映画【裏窓】をオマージュしたという点でも期待を集めました。

*ミジャンセンとは映画(作品)の筋や登場人物を作り出す意

本作の序盤では【裏窓】に主演した俳優ジェームズ・ステュアートの写真が、壁にかかっている場面が出て来ますが、これはアルフレッド・ヒッチコック監督に献辞する感謝の表現だといわれています。

【裏窓】では、男性主人公が隣人を観察しながら時間を過ごす途中、自分が盗み見した隣人が妻を殺した現場を目撃したのと同じように、【ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ】でも、主人公が女性であるのを除き、ストーリー設定は似ています。

また、【裏窓】では男性主人公が脚を怪我して車椅子に座っているという設定に対して、【ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ】では、精神疾患のあるアンナの言葉を信じないという点をサスペンスとして活用しています。

その他にも、映画【サイコ】(1960)や【見知らぬ乗客】(1951)がヒントになっているので、それらオマージュを見つけるのも本作を楽しむポイントのひとつです。

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アンナという人物

アンナは、広場恐怖症によって外部と断絶した人物です。

主人公アンナは、過去 小児精神科医であり幸せな家庭生活を送っていました。

しかし、現在の彼女は広場恐怖症を病んで家の外に出ることが出来ず、うつ病にも悩まされているため、カウンセリングを受けながら薬を服用しています。

アンナは、薬+酒というタブーを破るほどアルコール中毒状態で、世間と断絶されたまま一人で生きていますが、そんな彼女にも世の中と繋がることが2つだけありました。

  • 1つ目は、別居中の夫と娘と毎日電話して、一日の日課を共有すること。
  • 2つ目は、同居人のデヴィッドという青年と言葉を交わすこと。デヴィッドはアナの家の地下に住んでおり、一日の中で唯一アンナが会う人物です。

彼女は窓から、隣人を偵察するという悪い習慣を持っています。

彼女の一日の日課をまとめると、<隣の家を探る→お酒を飲む→薬を服用→デヴィッドと挨拶→家族と通話→映画を見る>という流れになっています。

本作で、台本執筆から演技まで参加したアンナ役のエイミー・アダムスは、これまで演じた役の中でアンナは最も表現しにくい役だと語っていましたが、それだけアンナという女性は複雑な心を抱えていると言えるでしょう。

しかし、心理描写をどれだけうまく表現するかが鍵という点では、家の中という限られた空間でアンナの感情の変化、薬物の摂取で幻覚を見ているエイミーの演技はとても印象的でした。

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広場恐怖症という恐怖

広場恐怖症とは不安障害のひとつで、特定の場所や状況に対し助けてもらえないことに恐怖を感じ、その場所や状況を避ける精神疾患。

アンナが感じる広場恐怖症は、すぐに抜け出すことが出来なかったり、助けられない場所や状況にさらされることを極度に恐れるものでした。

人が多い場所を恐れる疾患としてよく知られていますが、必ずしもそうではありません。

他にも、搭乗客が少なく空間があっても途中で降りる出来ない飛行機は、広場恐怖症の方にとっては恐ろしい空間になり得ます。

一方、ジョー・ライト監督は、広場恐怖症についてより現実的な困難を話しました。

「10週間 アンナの家で撮影を続けたが、終わる頃にはなかった広場恐怖症に陥る気分だった。外に出るのが怖くなった」

こう語っていたように、広場恐怖症は人々を恐怖に陥れるものなのです。

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奇怪なミステリーの推理スリラー

俳優陣の心理状況を掴んだカメラムービングも絶妙で、ずっと感じられるクラシックな感性が実に魅惑的な作品です。

また、映画の臨場感を味わせつつ、スクリーンと一体となって犯人を探すという点も魅力的でした。

難しいミステリー映画は、時に集中していても構成要素の中でどれ一つ調和しなければ、集中力と想像力が途切れてしまう場合があります。

しかし、本作は全体的にバランス良く構成されているので、集中力や想像力が止まることはありません。

特に、アンナが出会う人物の何処となく怪しげなオーラは、奇怪な雰囲気を一層色濃くさせているのです。

何が真実で何が虚像かという頭脳戦は、心理スリラーというジャンルを確立している点でもあります。

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真実なのか..幻覚なのか..

彼女が目撃した殺人事件を中心にストーリーが展開しています。

観ている側は、主人公の視点から見ている現象が本物なのか、それとも幻覚なのかに対する質問を自分自身に投げかけ、まるでパズルを合せるように真実を追求していく過程に引き込まれます。

自分が見た現実、自分に起こる不思議なできごと、しかし警察は自分の言葉を信じてくれない。

ミステリーな家族や疑心暗鬼にさせるデヴィッドの行動など、アンナと共にその混乱をお楽しみ下さい。

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