【イルマーレ】(ハリウッド版)は2000年の韓国映画【時越愛】をリメイクした恋愛映画です。大ヒット映画【スピード】以来の再共演であるキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックが主演したことでも話題になりました。時空を超えて同じ場所に住んでいた二人が、不思議な手紙のやりとりを通してお互いが大切な存在になっていくラブストーリーです。
あらすじ
2006年、シカゴの病院で働くことになったケイト(サンドラ・ブロック)は、お気に入りだった湖岸に建つ一軒家からシカゴ市内に引っ越すことになりました。
引っ越し当日、ケイトは次の住人に宛てた手紙を書きポストに入れ、名残惜しそうに家を見つめながら愛犬と共に去っていきます。
その手紙は、なぜか2年前に住んでいたアレックス(キアヌ・リーブス)のもとへ届きました。
2人はその日から文通をし始めます。
そして、お互いのことを知っていくうちに恋が芽生え始め、会いたい一心で”時空を超える”リスクを背負いながら愛する人のもとへ向かっていくのです。
キャスト紹介
キアヌ・リーブス/アレックス・ワイラー役
2004年に湖畔の近くの家に住んでいる建築士。
アレックス役を演じたキアヌ・リーブスは、カナダ出身の俳優でミュージシャンです。
映画【スピード】の大ヒットにより国際的なスター俳優となり、【マトリックス】で人気を不動のものとしました。
主な出演作品は、【リバースエッジ】(1986)、【ビルとテッドの大冒険】(1989)、【スピード】(1994)、【マトリックス】シリーズ、【地球が静止する日】(2008)、【47RONIN】(2013)、【ジョン・ウィック】シリーズ、【おとなの恋はまわり道】(2018)、【いつかはマイ・ベイビー】(2019)。
サンドラ・ブロック/ケイト・フォースター役
2006年に湖畔の近くの家に住んでいる医師。
ケイト役を演じたサンドラ・ブロックは、アメリカ合衆国出身の女優で映画プロデューサーです。
映画【スピード】の出演で一躍有名になり、【しあわせの隠れ場所】でアカデミー賞主演女優賞、ゴールデングローブ賞主演女優賞など多数の映画賞を受賞しました。
キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックは映画【スピード】シリーズでも共演しています。
主な出演作品は、【スピード】(1994)、【あなたが寝てる間に】(1995)、【デンジャラス・ビューティー】(2000)、【あなたは私のムコになる】(2009)、【しあわせの隠れ場所】(2009)、【ものすごくうるさくて、ありえないほど近い】(2011)、【デンジャラス・バディ】(2013)、【ゼロ・グラビティ】(2013)、【オーシャンズ8】(2018)。
クリストファー・プラマー/サイモン・ワイラー役
アレックスの父親で有名建築家。
サイモン役を演じたクリストファー・プラマーは、カナダ出身の俳優です。
70年にも及ぶキャリアは、映画やテレビ、舞台で様々な賞を受賞しました。
2021年2月、91歳でこの世を去りました。
主な出演作品は、【サウンド・オブ・ミュージック】(1958)、【王になろうとした男】(1975)、【名探偵ホームズ・黒馬車の影】(1979)、【ニューヨーク恋物語】(1987)、【スタートレックⅥ 未知の世界】(1991)、【インサイダー】(1999)、【ナショナルトレジャー】(2004)、【人生はビギナーズ】(2010)、【ドラゴン・タトゥーの女】(2011)、【ケネディ家の身代金】(2017)、【ディア・グランパ 幸せを拾った日】(2018)、【ラスト・フル・メジャー知られざる英雄の真実】(2019)
【イルマーレ】解説と見どころ。
時空を超えた文通
本作の見どころは、”時空を超えて手紙のやりとりをする”というファンタジーな要素を軸に、アレックスとケイトが手紙のみのやりとりで大切な存在になっていく描写です。
2004年で生きるアレックスと2006年で生きるケイトが、それぞれの時代で湖畔に建つ全面ガラス張りのレイクハウスに住み、そのポストを通じて文通のやりとりが始まりました。
ある日、2人は時空を超えたデートをします。
とは言え、2人は実際に会っているわけではなく、アレックスから届いた街の案内が書かれた手紙を読みながら、ケイトがその手紙通りに散歩するというもの。
ケイトが「一緒に歩けたらいいのに」と手紙を出すと、散歩中に「ケイト、僕は一緒にいるよ」という壁に書かれた落書きを見つけます。
後日、急に雨が降ってきた為、ケイトがマンションの前にある大きな木で雨宿りをしていました。
その大きな木もレイクハウスを恋しく思うケイトの為に、2年前にアレックスがレイクハウスのそばにあった木をマンションの近くに植えたものでした。
2人は違う時代で同じ時間を共有しているのです。
手紙を通して時の流れをうまく使った演出は微笑ましく、アレックスの2年をかけての愛情表現はとてもロマンチックです。
ネタバレ、結末
お互い会いたい一心で、2006年にレストラン「イルマーレ」で会う約束をしましたが、アレックスは現れませんでした。
ケイトはアレックスとはもう会わないとを決め、手紙のやりとりも一方的に終わりにします。
そのまま月日は流れ、2年が経ちました。
2008年のケイトは元恋人のモーガンと復縁し、一緒に住む予定の一軒家のリフォームをするため建築会社を訪れます。
偶然にも、その建設会社で対応してくれた人物は、アレックスの弟でした。
会社にはレイクハウスの絵が飾られており、ケイトはお兄さんと連絡が取りたいと頼みますが、「兄は2006年の今日、バレンタインデーの日に交通事故で亡くなった」と聞かされたのです。
実は、アレックスはケイトと会う為に行こうとした広場に向かう途中、交通事故で帰らぬ人となっていました。
2006年、ケイトはアレックスと手紙のやりとりをする前、目の前で交通事故現場に遭遇しました。
その人物こそアレックスだったのです。
そのことに気づいたケイトは、大急ぎでレイクハウスに行きポストに手紙入れます。
「わたしを探さないで。愛してる。私のことをまだ想っているのなら待ってて。そして2年後、レイクハウスに来て。」
祈るようにポストの前で待っていたケイトの元へ1台の車が停まり、アレックスが現れ2人はやっと結ばれました。
感想
手紙のやりとりをはじめてから、4年もケイトのことを待ち続けたアレックスの一途な純愛が胸に刺さります。
ケイトは、元彼のモーガンと復縁しましたが、どこかいつも寂しげな表情をしていました。
それもそのはず、彼女の心にはずっとアレックスの存在があったからでした。
文通を通してお互いを知っていっていくうちに惹かれ合うようになった2人ですが、時空を超えるというありえない相手が日常を忘れさせてくれたこと、お互いが心の拠り所となっていたからこそいつまでも忘れられなかったのだと思います。
ファンタジー要素がうまく絡まり、交わるようで交わらない2年という時間軸がもどかしく感じながらも、ラストはハッピーエンドで終わるという王道のラブストーリーです。
また、湖畔に建つ全面ガラス張りの一軒家は湖と家のコントラストがおしゃれで美しいので、この素晴らしい美術にも注目してください。
なお、エンディングで流れた曲はポール・マッカートニーの【This Never Happened Before】
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