ネタバレ解説
「エレクトリック・ステイト」は、「アベンジャーズ」シリーズを手掛けたルッソ兄弟が監督を、ミリー・ボビー・ブラウンとクリス・プラットが主演を務めるSFロードムービーです。
ルッソ兄弟がNetflixで監督をするのは「グレイマン」に続き2回目で、弟ジョーは脚本も手掛けています。
スウェーデン出身のアーティストであるシモン・ストーレンハーグ著書の同名小説を原作としており、原作小説は日本語訳もされています。
ストーレンハーグはレトロフューチャーなデジタルアートを専門とするアーティスト、ミュージシャン、デザイナーであり、2013年に最初の作品がインターネットでシェアされると、瞬く間に爆発的な話題をさらいました。
この原作小説を、ルッソ兄弟と共に働くマーベルの脚本家クリストファー・マーカスが発見したことにより、映画化の話が動き始めました。
マーカスと脚本パートナーのスティーブン・マクフィーリーは、ルッソ兄弟がNetflixで監督するための脚本を執筆する際、彼らの仕事をスーパーヒーローからロボットにシフトさせたのです。
ルッソ兄弟はマーベル最大のスーパーヒーロー・チームの10年にわたる活動を終えましたが、「エレクトリック・ステイト」によって再び広大なファンタジー大作を作りたいという欲求が蘇ったと言います。
今年の夏に再びマーベルへのカムバックを発表したのも、「エレクトリック・ステイト」が架け橋になったそう。
こうして動き出した一大プロジェクトは、約3億2000万ドル(日本円で約503億円)もの予算がかけられたようで、これはNetflixの記録を持つ「グレイマン」と「レッド・ノーティス」の2億ドルを大きく上回ることになります。
「エレクトリック・ステイト」の注目すべき点は、人間とロボットの共存や在り方を問うストーリー。人間は人々の生活を豊かにするためにテクノロジーを開発したはずが、いつしか”人間はテクノロジーを使って人間性を失い、テクノロジーは人間になろうとしている”といった皮肉にも逆転した構図になっています。
こうしたストーリーは現代を舞台にしてしまうと攻撃的なテーマにもなりかねないものの、それを1990年代を舞台にして例え話にすることで、即物的なものから切り離すことができるとジョーは説明します。
さらにジョーは、原作小説の著者シモン・ストーレンハーグが巧みだったのは、人間がテクノロジーを使って自分たちの人間性を奪っていることであり、どこから両者は交差し、どの時点でテクノロジーは人間以上に人間らしくなるのか?と問いかけました。
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