映画【ダ・ヴィンチ・コード】は、ダン・ブラウンの原作小説「ダ・ヴィンチ・コード」を2006年に実写映画化した、ロバート・ラングドンシリーズの第1作となるミステリスリラー映画です。本作はフィクション作品として扱われていますが、映画の公開時には数々の宗教団体から反発の声が上がるほどの衝撃を与えました。キャッチコピーは「ダ・ヴィンチは、その微笑に、何を仕組んだのか。」を、ぜひ。
【ダ・ヴィンチ・コード】あらすじ
ある日、パリの書店でサイン会を行っていたアメリカの大学教授であるラングドン(トム・ハンクス)のもとに、フランス警察から宗教象徴学の専門家として捜査協力の依頼が来ます。
その内容は、明日ラングドンが面会する予定だったルーブル美術館の館長 ジャック・ソニエール(ジャン=ピエール・マリエール)が不可解な死を遂げた事件の解明でした。
ソニエールの身体は、1500年代に活躍したイタリアの芸術家 レオナルド・ダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体図」を模した形になっており、美術館に展示されているダ・ヴィンチの絵画にはユリの紋章の鍵が隠されていました。
ラングドンは、ソニエールの孫であるソフィー(オドレイ・トトゥ)と共にソニエールが遺した暗号を解きます。
キャスト情報
《ロバート・ラングドン/トム・ハンクス》
ハーバード大学で宗教象徴学を研究している大学教授で、一度目にした象徴の配列を時間をかけて思い出すことが出来る特殊能力の持ち主。
建造物や美術品についても非常に詳しく、事件の謎の解明にその知識と能力を発揮します。
ロバート・ラングドン役を演じたのは、【フォレスト・ガンプ/一期一会】(1994)、【トイ・ストーリー】シリーズ(1995)など数多くの作品で主演を務めるアメリカの俳優 トム・ハンクスで、彼は【天使と悪魔】(2009)、【インフェルノ】(2016)でもロバート・ラングドン役を続投しています。
《ソフィー・ヌヴー/オドレイ・トトゥ》
警察の暗号解読官として登場する女性で、幼い頃に家族を事故で亡くし、祖父でルーブル美術館の館長でもあるジャック・ソニエールと暮らしていました。
幼少期の頃、祖父から暗号解読に関するトレーニングを無意識のうちに受けていました。
ソフィー・ヌヴー役を演じたのは、【アメリ】(2001)、【ココ・アヴァン・シャネル】(2009)などの作品に出演するフランスの女優 オドレイ・トトゥです。
ダ・ヴィンチからのメッセージ
「聖杯」を巡る確執
本作には「ウィトルウィウス的人体図」、「モナ・リザ」、「最後の晩餐」などレオナルド・ダ・ヴィンチの作品が数多く登場し、印象的なシーンで使用されています。
ラングドンとソフィーは、ラングドンの古い友人であるリー・ティービングを訪れ、「ダ・ヴィンチの作品にはキリスト教の歴史を根底から覆す暗号が残されている」と話し、今回の事件と絵画「最後の晩餐」と照らし合わせ、聖書にも記されている「聖杯」が今回の事件の鍵であることを確信しました。
「聖杯」が何を意味するのか、2人が聖杯の眠る場所である寺院を訪れた時に、ソフィーの家族が交通事故で全員死亡した新聞記事や家系図を目にしたラングドンは、聖杯の正体は「マリアの子孫」であることに気が付きます。
ソニエールの目的とは
ソニエールは「マリアの子孫は存在する」というシオン修道会のトップシークレットを守るため、オプス・デイの殺し屋シラスから命を奪われました。
このキリスト教最大の秘密が他の人に伝わることがないように、ラングドンをソフィーのもとへ向かわせ、数々の暗号を解読させます。
ソニエールの目的は、自身と血縁関係がなく、マリアの子孫であるソフィーを聖杯の眠るとされている場所へ導くことでした。
宗教観とミステリーの面白さを
本作を初めて見た時、「神の子孫が存在する」というキリスト教の根幹に関わる壮大なストーリーに対し、これほど大きく宗教をテーマにした映画を見たことなかった私は、海外と日本で宗教観のギャップを感じました。
そして「信仰」という目に見えない力に対し、レオナルド・ダ・ヴィンチの数々の作品が登場することで、謎解きがより鮮明に可視化され、面白く感じたことを覚えています。
なおルーヴル美術館内で撮影が許可されたのは本作が初めてとなっており、ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」は館内で最も高い人気を誇っています。
本作は、イタリアのローマを舞台とした続編【天使と悪魔】(2009)が公開されています。
ぜひ、ご覧下さい。
© 2006 COLUMBIA PICTURES|© 2021 SONY PICTURES ENTERTAINMENT (JAPAN) INC. ALL RIGHTS RESERVED