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【サマー・オブ・84】隣人は連続殺人鬼?15歳の少年のひと夏を描いたジュブナイル・ホラー。

【サマー・オブ・84】あらすじと見どころ。80年代のアメリカを舞台に、その時代の数々の作品にオマージュを捧げた青春ホラー。連続殺人鬼を追う少年達が踏み込んでいく恐怖と、徐々に明らかになっていく真実に驚きが止まらない。

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【サマー・オブ・84】あらすじ

舞台は1984年、オレゴン州にある田舎町イプスウィッチ。

主人公のデイビー(グラハム・ヴァーチャー)は、エイリアンや未解決事件に興味のある15歳の少年だ。

ある日、近隣の町で子どもの連続殺人事件が相次いで発生。

事件に注目するデイビーは、向かいの家に住む警察官のマッキー(リッチ・ソマー)宅で、南京錠付きの怪しい地下の部屋を見つけた。

マッキーが一連の事件の犯人ではないかと疑ったデイビーは、仲間のイーツ(ジュダ・ルイス)、ウッディ(ケイレブ・エメリー)、ファラディ(コリー・グルーター=アンドリュー)と共に密かに捜査を始める。

マッキーを見張る中、彼の家で見知らぬ少年を見かけたり、血の付いた衣服を見つけたりと更に疑いを深めていくデイビー達だったが、真面目で優しい警察官であるマッキーが殺人犯と信じる大人はおらず、両親は子ども達の探偵もどきの行動をたしなめるだけだった。

マッキーが犯人であるという確実な証拠を手に入れるため、デイビー達は危険な作戦を練るのだが……。

果たしてデイビーの推理は正しいのか?マッキーは本当に連続殺人鬼なのか?

少年たちの、後戻りのできない、恐怖に満ちたひと夏が始まるのだった。

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【サマー・オブ・84】見どころ

トラウマ注意⁉ ラストの衝撃

殺人鬼である証拠を見つける為、家に侵入したり尾行したりと危険な計画を実行するデイビー達に、ハラハラドキドキが止まらない本作。

しかし、ラストこそ この作品最大の魅力であり、ホラーと呼ぶにふさわしい所以でもある。

ネタバレは避けるが、犯人を追い詰めた後にデイビーを襲う恐怖は、この手のサスペンスものでは珍しく、容赦のない人間的な恐怖、そしてエンタメホラーを超えた恐怖が、観ている観客により大きな衝撃を与えるのだ。

殺人鬼と対峙した時、殺人鬼を追った時、殺人鬼に獲物として認識された時に運命は分かれ、その後の人生をガラッと変えてしまう。

映画を超えた先の❝リアル❞が描かれたラストを迎えた時、観客は殺人鬼という存在をより身近に感じ、映画では描かれないデイビーのその先の人生を思わず想像してしまうだろう。

それは、本作のキャッチコピーでもあり、冒頭のデイビーのモノローグでも語られるこの言葉で表現されているようだ。

「連続殺人鬼も誰かの隣人だ」

少年達が主人公のホラー的サスペンス映画と高を括って観ると、思わぬトラウマが出来てしまうかもしれないので要注意。

危うい青春物語という一面

本作はサスペンス・ホラーであると同時に、15歳の少年達の青春物語でもある。

携帯電話の普及していない1980年代、夜中にレシーバーで連絡を取り合い、郊外の小さな町を遊び尽くし、秘密基地で冗談を言い合い、Hな雑誌を回し読みする毎日。

ジュブナイル映画の黄金期であった1980年代のアメリカを舞台にした本作は、その時代を生きた人でもそうでない人も、映画好きならどことなく懐かしさを感じる雰囲気に、思春期に揺れる少年達の友情と恋が融合されている。

主人公のデイビーは超常現象や猟奇事件などに夢中で、友人のイーツは口の悪い不良少年、頭の切れるファラディ、そして母親思いの優しい青年ウッディは、デイビーの良き理解者でもある。

そして、デイビーが思いを寄せる元ベビーシッターの少女ニッキー(ティエラ・スコビー)。

全く異なる趣味や家庭環境、性格の彼らだが、軽口を叩きながらも相手を理解し、思いやり、いざという時には力を合わせる仲間達。

❝殺人鬼の正体を暴く❞という危険にゲーム感覚で足を踏み入れていく彼らの危うさと、家族との関係や自分のアイデンティティーに悩む年齢ゆえの危うさ、2つの危うさホラーと青春ストーリーを共存させている

また、1980年代に影響を受けオマージュを捧げている本作だからこそ、様々なジュブナイル作品の雰囲気を随所で感じることが出来る。

【サマー・オブ・84】を観て楽しめた人、お気に入り作品の1本に加わった人に、併せてチェックしてほしい作品をピックアップ。

ぜひ作品選びに役立ててみてほしい。

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【サマー・オブ・84】が好きな人に

映画【IT “それ”が見えたら、終わり。】(2017)

2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

オフィシャルサイト

スティーヴン・キング原作のホラー映画。

ピエロと風船という組み合わせにピンと来た人も多いのでは?

得体の知れない殺人ピエロ、ペニーワイズを追う少年少女たちの闘いを描いたこちらの作品、ジュブナイル・ホラーの金字塔と言っても過言ではない映画。

登場人物達が大人になった後を描いた続編も作られているので、シリーズとして楽しめる。

ドラマ【ストレンジャーシングス 未知の世界】(2016~)

© Netflix,lnc.

オフィシャルサイト

Netflixで配信され、世界中で大人気となったSFドラマで、1人の少年の失踪と謎の少女の出現をきっかけに、町の大人達や子ども達が不思議な事件に巻き込まれていく。

SF×青春×ホラーを組み合わせたジャンルの絶妙さと、魅力的なキャラクターの数々にハマる人続出!

出演者の多くははこのドラマに出演したことで、人気俳優の仲間入りを果たした。

現在シーズン3まで配信されており、シーズン4の配信も決定している。

映画【グーニーズ】(1985)

「グーニーズ」出典:www.amazon.co.jp

1985年にスティーヴン・スピルバーグによって製作されたアドベンチャームービー。

少年少女達が隠された海賊の宝を求め、危険な罠の数々を乗り越えて行く冒険を描いた本作は、大人から子どもまで楽しめるファンの多い傑作だ。

宝探しに加え、同じく宝を追う指名手配犯の一家から逃げるという緊張感も魅力のひとつ。

80年代の映画を代表する1本、休日に家族と一緒に観るのに最適だ。

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【サマー・オブ・84】感想

タイトルにある通り、郊外の小さな町に住む少年達の1984年のひと夏を描いた本作は、恐ろしくリアルであると同時に、どこか懐かしさと切なさを感じる。

それは、【スタンド・バイ・ミー】(1986)を初めて観た時に感じた感情に似ている。

【サマー・オブ・84】はホラー映画でありサスペンス映画であり、そして青春映画でもあるのだ。

作中から伝わるのは、何が起こるか分からない人生の儚さと人間の恐ろしさ、青年期に訪れる抗えない変化。

残酷なまでにリアリティさが詰まったラストに、映画を観ていたことを思わず忘れ、本当の恐怖を味わうことが出来るだろう。

©Gunpowder & Sky, LLC