映画【世界から猫が消えたなら】あらすじと見どころ。川村元気原作の小説を実写化した映画【世界から猫が消えたなら】。余命宣告を受けた主人公のもとに悪魔が現れ、寿命を延ばすために不思議な取引を提案します。キャッチコピーは「世界は愛であふれてた。」を、ぜひ。
【世界から猫が消えたなら】あらすじ
ある日、郵便局で働く主人公・僕(佐藤健)は倒れて、余命宣告を受けます。
呆然として家に帰った僕の前に自分と同じ姿をした悪魔が現れ、僕は明日死ぬと告げました。
悪魔は、ある取引をすれば寿命を延ばすことができると僕に提示します。
「この世界からひとつだけ何かを消す。その代わりに1日の命を得る。」
悪魔が提示した取引は、世界からあるモノの存在自体を消して世界中の人はそれに関する記憶もなくなる、それによって生き延びた世界は毎日少しずつ変化していく、というものでした。
「今日は電話を消します。」
悪魔のひと言で、次の日には世界中から電話がなくなり、電話をきっかけに出会った人は僕とは出会っていない世界が作られます。
そして、その世界の変化に気付くのは僕だけでした。
悪魔と出会った日から1日ひとつ消えていくモノ、共通の趣味を持つ友人や彼女を失い、自分は何かで他人と繋がっていたことに気が付きます。
キャスト情報
僕・悪魔(2役)/佐藤健
主人公・僕は、郵便局で働く30歳の普通の青年でキャベツという名の猫と暮らしています。
僕と同じ姿をした悪魔は、乱暴な口調で強気な性格をしています。
僕・悪魔役は【るろうに剣心】(2014)【バクマン。】(2015)【恋はつづくよどこまでも】(2020)など数多くの映画やドラマで主演を務める佐藤健。
本作では僕と悪魔のまったく性格が違う2役を見事に演じ分けています。
彼女/宮崎あおい
主人公・僕が大学時代に付き合っていた恋人です。
卒業旅行で僕と訪れたブエノスアイレスでの事件が、別れるきっかけとなりました。
彼女役は【NANA】(2005)【神様のカルテ】(2011、2014)【篤姫】(2008)など数多くの映画やドラマで主演を務める宮崎あおいが演じています。
タツヤ/濱田岳
主人公・僕の大学時代の友人(通称:ツタヤ)で、会うたびに僕におススメの映画を紹介してくれます。
映画の名言をよく言うなど無類の映画が好きで、レンタルビデオ店で働いています。
タツヤ役を演じたのは【予告犯】(2015)【偉大なる、しゅららぼん】(2014)【釣りバカ日誌〜新入社員 浜崎伝助〜】(2015)など数々の映画やドラマで主演を務める濱田岳。
【世界から猫が消えたなら】見どころ・解説
タツヤの映画愛・名言
本作の見どころの1つに、映画オタクであるタツヤの名言があります。
主人公は大学の頃から現在まで、タツヤとおススメの映画を語り合うやり取りを繰り返していました。
そのやり取りの中で「映画は無限にある。だからこのやり取りも永遠に続く。」というセリフや、映画【海の上のピアニスト】(1999)より「何かいい物語があって、それを語る相手がいる。それだけで人生は捨てたものじゃない。」のセリフなど、映画好きな方の共感ポイントです。
タツヤの名言は、好きなものを語り合える人がいることがいかに幸せなことかを教えてくれました。
猫という家族の存在
主人公はキャベツという猫を飼っています。
小さい頃から主人公の家族は猫を飼っており、家族のコミュニケーションの大切な役割を担っていました。
世界から猫が消えるとき、家族との思い出がなくなり、そして家族である猫がいなくなります。
それは主人公にとってどれだけ辛いことか、猫や家族がどれだけ大切な存在なのか気付きました。
自分の命と引き換えに猫の存在を消す、主人公にとって辛い判断が迫られます。
【世界から猫が消えたなら】感想
世界から○○が消えたなら。
この○○に入るものは誰かにとってはたくさんの思い出があり、大切なものでも他の人にとっては何の思い出もなく、消えても今後の生活に全く支障がないものでもあります。
犬、猫、スポーツ、音楽、映画、ファッション。
好きなものを通じて人と知り合い、語り合う。
その幸せな時間が、自分の人生を豊かにしてくれていることを本作は教えてくれます。
そして、自分の人生は何によって成り立っているかを考えるきっかけを与えてくれます。
©2016 映画「世界から猫が消えたなら」製作委員会