【スクール・デイズ】のネタバレあらすじと感想。
いじめが横行するミドルスクールに通う生徒たちが、誰にでも偏見なく平等に接する教師のもと、友情や恋愛に目覚めていく青春ストーリー。
大人たちとの出会いが子ども達の人生が大きく変わるかもしれない!
【スクール・デイズ】作品情報
▽公開
2011年 アメリカ
▽原題
THAT’S WHAT I AM
▽監督
マイク・パヴォーネ
▽配給
WWE STUDIOS、Amazon Prime
▽キャスト
エド・ハリス、チェイス・エリソン、アレクサンダー・ウォルターズ、モリー・パーカー、ランディ・オートン、他
【スクール・デイズ】あらすじ
カリフォルニア州にあるミドルスクール。
そこに通う少年スタンリーは、赤毛で大きな耳、大柄な身長などからビッグGと同級生たちから呼ばれイジメの対象になっていました。
そんなビックGと、ある課題に取り組むためペアを組まされることになったアンディ。
ペアを組ませたクラス担任のサイモン先生に不満を募らせるアンディでしたが、サイモン先生は「スタンリーと組ませたのは理由がある」とアンディを励まします。
作家を夢見ていたアンディは、先生からの励ましの言葉を胸にビックGと一緒に課題に取り組むことにしました。
その日も、ズボンに水をかけられるなどの酷いイジメを受けていたビッグG。
しかし、どんなにひどい仕打ちを受けてもビッグGは、毅然とした態度を崩さない少年でした。
それは、もし彼が反撃してイジメられなくなったとしたら、標的が他の子にうつるだけだと知っていたからです。
アンディは、そんなビッグGと次第に距離を縮め友情を築いていきました。
そんな中、サイモン先生が同性愛者であるという噂が学校中に広がります。
話を耳にしたいじめっ子の父親は、学校に乗り込んで校長に抗議し、真相を確かめるよう詰め寄ります。
困った校長はサイモン先生にそのことを相談し、否定するよう訴えますが、サイモン先生は思いもよらない返答をしたのです。
【スクール・デイズ】見どころ
アンディの淡い初恋
ビッグGの問題と並行して、物語はアンディの恋物語も進んでいきます。
アンディの片思いの相手マリーは学校一の美少女で、8年生の中ではずば抜けて交際経験豊富な女の子。
振り向いてもらえる可能性が限りなく低いものの、アンディはお年頃の男の子がよくやりがちなアプローチをしていきます。
例えば、新聞配達のアルバイトでマリーの家にだけわざと新聞をドアからずらした位置に投げ、拾いに行くふりをして家の様子をうかがったり。
そんなアンディの気持ちを知ったマリーは、アンディから告白するようにさりげなく仕向けます。
振り回される少年のあるあるな姿は、誰もが経験したであろう初恋のキュンとくる気持ちを思い出させてくれます。
サイモン先生の曲げない信念
みんなから好かれ、尊敬されるサイモン先生に同性愛者疑惑が持ち上がり、生徒や保護者をざわつかせる事態となってしまいます。
サイモン先生は既婚者ですが、奥さんはずっと前に他界していて、その後は独身を通しています。
先生の事をよく知る校長は、抗議に来た保護者に人柄などを説明しますが、ハッキリとした答えを求められ、仕方なくサイモン先生の元へ行き事情を話しました。
校長は、サイモン先生がNOとたった一言否定して欲しかったのですが、サイモン先生はこの件について肯定も否定もしませんでした。
世界を救う方法を25単語以内で書くという、新聞の懸賞に応募して見事人気の自動車を獲得していたサイモン先生。
先生は、カレンがひどいイジメを受けたことを知ると、絶望した表情で、賞をもらった言葉を黒板に黙って書きました。
先生が使ったのは、たったの4語
Human Dignity + Compassion = PEACE
人の尊厳 + 思いやり = 平和
でした。
この言葉は物語の最初から最後まで先生の信念として映し出されています。
アンディ、スタンリー、それぞれの成長
アンディの父親は良い人のようですが、少し几帳面すぎるような性格です。
アンディが庭の芝を刈っていると、作業を止めて一番時間を有効に使う刈り方はこうだと言いながら、アンディにとって代わって自分で芝を刈り始めてしまいます。
プラモデルを作っていたアンディを見ても横から口出しし、結局自分で作り始める始末。
アンディもいつものことという感じで、特に反抗もせずにその場を離れていました。
ビッグGことスタンリーは、学校のタレントショーに出演することを決めます。
彼にとって、保護者も見に来るショーの舞台に1人で立ち、アカペラで歌を歌うなんてどれほどの勇気が必要だったでしょう。
しかし、スタンリーは見事にやり遂げました。
そして、そのようなスタンリーに姿を見て、アンディも父親に自分の意見を言えるようになるのでした。
【スクール・デイズ】ミニ情報
本国でもレアな映画だった!?
【スクール・デイズ】は、エド・ハリスが出演しているにも関わらず、日本ではマイナーな部類に入るかも知れません。
本国アメリカでも、10ヵ所という限られた劇場で公開されたようですが、3日間で6,400ドルもの収益をあげたそうです。
エドが教師を演じたことで、他の俳優が演じていたなら感じ取れなかったであろう道徳的な重みを、映画に与えていると好評なコメントも寄せられていました。
爽やか系男子チェイス・エリソン
ビックGと課題提出のペアになったことをきっかけに、人間的に大きく成長したアンディ役を演じたチェイス。
1993年アメリカ・ネバダ州で生まれたチェイスは、6歳の頃から俳優としてのキャリアをスタートさせました。
いくつかのコマーシャルやモデル業を経てテレビドラマで俳優デビュー。
その後、数々の映画やテレビドラマに出演し俳優としてのキャリアを積んでいます。
本作では、ミドルスクールに通うピュアな青年を爽やかに演じていましたね。
アメリカでの新聞配達
アンディが自転車に乗って新聞配達をしていました。
道端からポーンとピンポイントでドアの前に投げるシーンは、他の映画などでもよく見かける光景です。
日本人にとって、玄関先に新聞を投げるなんて…と、少しびっくりしてしまう人もいるかと思います。
全ての地域がそうではないようですが、州によってはポストへ投函してはいけないという法律がある州もあるようです。
とにかくアメリカ郊外の一軒家は広く、効率よく配るには投げるのが一番なよう。
少々濡れたりしても、新聞とはそのようなものという考えが定着していると、きっと気にならないのでしょうね。
【スクール・デイズ】感想
大まかなストーリーは、だいたい予想がつく展開と結末でしたが、逆にど真ん中の青春ストーリーで、最後のサイモン先生との別れのシーンではホロリと涙してしまうスッキリした映画でした。
その中にも、いじめや同性愛者差別問題など、繊細な問題にも優しく触れています。
最後のエンドロールで彼らのその後が伝えられていたところも面白く見ることができました。
仲間たちがみんな幸せになっていたことが知れて嬉しい気持ちになりました。
いじめっ子はやっぱり……というその後でしたが。
子ども達やサイモン先生の姿を通して、大人も学ぶべきものをたくさん見つけることができる映画だと思います。
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