【プリデスティネーション】ネタバレと解説。全ては自分、タイムパラドックスが生んだ数奇な運命。

プリデスティネーション
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【プリデスティネーション】ネタバレ解説

ジェーン=ジョン

ジョンは、1963年で女性だった頃の自分と出会い恋に落ちた。つまり、自分を捨てた自分に復讐するためにタイムスリップしたことになる。もちろん、ジェーンも愛した男が未来の自分だったことを知らず、ジョンもまさか自分が過去の自分を愛したとは知る由もなかった。

ジェーンは妊娠したが、お腹の子ももちろん未来の自分との間の子だった。ジョンは女性だった頃の自分を心の底から愛したのだ。それを知った時、ジョンはバーテンダーに銃口を向けて「わたしをハメたな!」と激怒し、その時代に残ると言った。

しかし、バーテンダーから「変えられない物事もある、去るしかない。お前は彼女を見つけ、自分を理解した」と説得され、ジェーンの前から姿を消したのだ。

さらに、バーテンダーはこの時「俺のこともわかるだろ」と言った。その意味は……。また、時空警察の幹部ロバートソンがバーテンダーに「未来への種はまき損ねるな。」と言い残して去っていく。

その直後、バーテンダーはジェーンの産んだ子供を連れ去って1945年にタイムスリップし、孤児院の前に赤ん坊のジェーンを置いてきた。

「いい旅を、ジェーン、強くあれジョン」と言い残して。

実は、孤児院の前に置かれた赤ん坊は、バーテンダーが未来から連れ去ったジェーンとジョンの子供であり、ジェーンでありジョン本人であるという解釈になるのだ。

フィズル・ボマー=?

バーテンダーは、連続爆弾魔フィズル・ボマーを捕えるため足取りを追って過去にタイムスリップした。そして、仕掛けた爆弾の前にいたフィズル・ボマーを思わしき人物の背後から様子を伺うも、気づかれて銃撃戦となる。

ところが、この男こそがジョンだったのだ。つまり、冒頭で撃ち合いになった男、顔が焼きただれた男こそがジョンであり、ジョンにケースを渡したのがバーテンダーだったのだ。バーテンダーは、火傷を負ったジョンを1985年の時空警察に運ぶと、引退前最後のタイムスリップをした。

ジョンはその後、移植手術を受けてバーテンダーの顔になった。

バーテンダーが最後に向かったのは、フィズル・ボマーがニューヨーク市民を巻き込んだ大規模な爆発事件が起きる1975年のニューヨークだった。しかし、この時点でバーテンダーはまだ知らなかった。

バーテンダーは、フィズル・ボマーの足取りを追ってついに奴を捉えた。ところが、男は何と自分だったのだ。

全てがひとつに繋がる

ここでもお分かりいただけたろうか。ジェーンもジョンもバーテンダーも、全てはひとりなのだ。ジェーンは孤児院で育ち、幼いころから自分に違和感を感じていた。

ジェーンが大学生の頃、ジョンと出会って愛し合い子供が出来た。(ジョンは未来から来た)バーテンダーが子供を連れ去って1945年に連れて行った。(実はジェーンは1964年生まれである)

ジョンは任務中に大やけどを負い移植手術でバーテンダーの顔となる(ジョンとバーテンダーも同一人物)バーテンダーは一向に捕まらない連続爆発魔を追い続け、行きついた先には自分がいた。

つまり【プリデスティネーション】は、すべてがひとりの人物の輪廻の物語なのだ。バーテンダーがジョンに言った「俺のことも分かるだろ」というのは、ジョンはバーテンダーそのものだということだった。