映画『南極料理人』ネタバレ感想。
本作は、男8人の南極基地での暮らしが、実話に基づいて描かれています。
作中に出てくる料理はすべて飯テロ!
堺雅人さんの料理姿も必見です。
この記事では、『南極料理人』の感想・ロケ地・映画飯についてお伝えします。
映画『南極料理人』のあらすじ
西村は、ドームふじ基地へ南極観測隊の料理人としてやってきた。限られた生活の中で、食事は別格の楽しみ。手間ひまかけて作った料理を食べて、みんなの顔がほころぶのを見る瞬間はたまらない。しかし、日本には妻と8歳の娘と生まれたばかりの息子が待っている。これから約1年半、14,000Km彼方の家族を思う日々がはじまる……。
出典:公式サイト
主人公の西村淳 (堺雅人)は、海上保安庁に勤める妻子もちの男性。
南極基地に行く予定だった同僚が交通事故にあい、代わりに西村が行くことになってしまいます。
西村が1年間滞在することになったのは、南極にある“ドームふじ基地”で平均気温はマイナス54℃。
標高は富士山よりも高い3800メートルで、気圧も低い場所です。
そんな南極で任務をこなすのは西村を含めた8人の男たちなのですが、各々に役割があり、通信担当・気象担当・医療担当・車両担当などの仕事が割り当てられています。
西村は、調理担当として派遣されました。
食料は派遣期間1年×8人分の在庫がありますが、南極に支給されたのは冷凍品・缶詰・乾燥品のみ。
そんな限られた食材の中で、果たして西村は、レパートリーを変えて毎日おいしい料理を提供することができるのでしょうか!?
ロケ地はどこ?
映画に出てくるドームふじ基地の辺りは雪一面で、とても作り物とは思えません。
まさか本当に南極で撮影したのではないか?と気になる方も多いことでしょう。
実際の撮影現場は、北海道の能取岬という場所。
映画のように年中雪が積もっているわけではなく、夏~秋にかけては“美岬牧場”として観光客を集めています。
キャストの話によると、撮影時の能取岬はマイナス10℃。
南極のマイナス50℃ほどではないが厳しい環境だったとのことです。
住所:北海道網走市美岬
『南極料理人』ネタバレと映画飯。
開幕から出てくる和食が豪勢!
主人公の西村淳 (堺雅人)が、映画の中で初めて作った料理は和食でした。
天ぷら、刺身、ブリの煮付けなどなど、魚がメイン。
7人の男性たちがおいしそうにガッつく姿がたまりません。
すでに味付けしてあるのに、さらに調味料をかける男たちの様は、よくある光景でクスっときました。
こんな朝食出てきたらテンション爆上がり!?
映画『#南極料理人』の朝食。
朝から栄養バッチリでテンション上がる~! pic.twitter.com/Q4HOG070yL
— 月香☆☆あな番考察 (@tuki527) August 31, 2019
白米、味噌汁、納豆、煮魚、卵焼き、おひたし。
朝からこんなに見栄えのよい料理が出てきたらテンションが上がりますね。
西村は根っからの調理人なのでしょう。
細かい見た目にもこだわっているため、特別なメニューではなくてもとても美味しそうに見えます。
空腹時のおにぎりは飯テロ!
西村たちは、毎日午後の13時半になると増水作業を行います。
なんせ、気温がマイナス54℃なので何もしないと全て凍ってしまう環境。
自分たちで水を作らないといけないのです。
富士山よりも高い場所なので空気が薄く、少し作業するだけでも体力の消耗が激しいため、作業のあとの食事シーンはとにかく皆 豪快!
西村が作ったおにぎりがあっという間になくなってしまいます。
外の車内にいる主任のため、おにぎりをタッパに入れて届ける西村でしたが、車についた頃にはおにぎりが凍っていました。
車の中で「早く帰りたい」と、グチる主任。
見ている分には自由で楽しそうですが、実際の任務はとても大変なのでしょうね。
伊勢えびのフライ
派遣仲間のひとりが、保管している食材の中から伊勢えびを見つけました。
それを聞いて、料理人の西村は「刺身にする」と言いますが、他のメンツは全員「今日の夜はエビフライだな」と期待顔。
料理人の西村からすると、伊勢えびは大きいためフライに適していないと分かっています。
しかし、料理の知識がない男たちは、エビと聞けばとりあえずエビフライを思い浮かべるようで。
西村に「オレたちの気持ちは今、完全にエビフライだから」と、夕飯をエビフライにするよう催促しました。
困った顔をしながらもリクエストに答える西村ですが、なんと、食卓に出てきたのは巨大えびフライ!(笑)
映画『#南極料理人』のエビフライ。
伊勢えびをフライにするとこうなるんだねw
巨大すぎるけど、でも美味しそう😊 pic.twitter.com/exvXQI9YEe
— 月香☆☆あな番考察 (@tuki527) August 31, 2019
料理人の視点と、一般男性の視点の違いがコミカルに描かれたシーンでした。
分厚い 肉 が飯テロすぎる!
本さん(生瀬勝久)の誕生日当日。
西村が「食べたいものありますか?」と本さんに聞くと「肉」という答えが返ってきました。
「肉ってどういう……」「分厚いの」「分厚いってどれくらい……」
遠慮がちにあれこれと聞く西村。
きっと、できるだけ本さんが食べたいものを用意してあげたいのでしょう。
肉の調理に取りかかる西村ですが、肉が大きすぎて、フライパンでは焼けそうにありません。
そこで西村は、銀の棒で肉を突き刺し、肉に油を塗ってチャッカマンで火をつけました。
ひとことで言うと、肉を丸ごと燃やす感じですね。
マイナス54℃の環境で肉を燃やしているからなのか、不思議と丸焦げにはならず、ちょうど良い塩梅にできあがりました(笑)
映画『#南極料理人』 pic.twitter.com/WXJnWId28g
— 月香☆☆あな番考察 (@tuki527) August 31, 2019
手作りラーメンに込められた思い
金田ことタイチョーは、ラーメン大好きおじさん。
夜食にラーメンを食べるのが日課で、ラーメンを食べるのが生きる楽しみだと言います。
しかし毎日タイチョーが食べているせいで、ある時ラーメンの在庫がなくなってしまいました。
タイチョーが「何とか麺を自作できないか?」と西村に頼み込みますが、どうやらかんすいという物がないとラーメンの麺は作れない模様。
その後、本さんが調べたところ、ベーキングパウダーに水と塩を混ぜればかんすいに近いものができることが分かりました。
さっそく麺作りを始めた西村は何度も試行錯誤し、ついに出来上がったラーメンをタイチョーに食べさせてあげるのです。
西村はいつも、メンバーの要望にできるだけ応えてきました。
それは任務だからという理由だけではなく、きっと西村本人が、人の喜ぶ姿を見るのが好きだからなのでしょう。
その証拠に、西村はいつも食事のとき、食べている皆の様子をじっくり眺めています。
自身が食事に手をつけるのは、皆を眺めた後。
今回もタイチョーが美味しそうに食べているのを見て西村も満足そうで、手作りラーメンに込められた“人を喜ばせたい“という西村の思いを感じた瞬間でした。
映画『南極料理人』感想
映画の冒頭は、南極基地から1人の男が逃げ出そうとするシーンで始まります。
仲間たちが「お前が強くなるしかない、強くなるしかないんだよ!」と叱咤激励しており、シリアスな映画なのかな?と予想したら全く違いました。
「強くなるしかない」と言っていたのは麻雀のことだったのです(笑)
このように冒頭からコメディタッチで描かれている本作ですが、南極基地に派遣された男たちはみんな個性的で、完璧ではない人物像に愛着がわきました。
特に、料理でみんなを喜ばせようとする西村にほっこり。
演じているのが堺雅人さんなので、物腰柔らかい雰囲気が出ていて一層ほっこりします。
そして驚きなのは、南極での暮らしが実話だという点。
平均気温がマイナス54℃という環境でもそれなりに暮らせるものなんですね。
もちろん、普通の生活よりは100倍大変でしょうが、想像していたよりも快適そうに見えました(コメディタッチで描かれているのが理由かも?)
ラストシーンもなかなか秀逸。
南極から帰ってきた西村が、何不自由ない普通の暮らしに戻っていく中で「果たして南極に行っていたのは現実なのか」と思い始めます。
そんな西村ですが、遊園地のラストシーンで、ハンバーガーを食べた瞬間「うまっ!」と声に出して感動したところで幕が閉じました。
普段の生活の中で食べるハンバーガーであれば、特に感動もないでしょう。
けれど、1年ぶりに食べたからこそ美味しいと感動し、それはつまり南極に行っていた1年間が現実だったと身にしみた瞬間でもあったはず。
そんな一瞬の心の動きをラストシーンに持ってくるのはなかなか秀逸だと感じました。
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