PR

【アイ,ロボット】機械に心はあるか。現代に警報を鳴らす、ウィル・スミス主演のロボットSFアクション!

アイロボット
@2004 TWENTIETH CENTURY FOX

映画【アイ,ロボット】あらすじと見どころ。現代に警報を鳴らす、謎と陰謀に満ちた、ロボットSFアクション!❝ロボット3原則❞を組み込まれたはずのロボットが自我を持ったら…?2004年製作にも関わらず、ロボット工学の未来を的確に捉えたストーリーに要注目。

PR

【アイ,ロボット】あらすじ

舞台は、人間の生活をサポートするためにロボットが広く普及された2035年のアメリカ。

❝ロボット3原則❞を組み込まれたロボットのレベルは大変優れており、人間と何の問題も無く共存していた。

ある日、ロボットを忌み嫌う刑事のスプーナー(ウィル・スミス)の元に、スプーナーの恩人であり、ロボット工学の第一人者であるラニング博士(ジェームズ・クロムウェル)の訃報が届く。

当初、飛び降り自殺と思われたが、博士の謎のメッセージと、3原則が組み込まれていないロボット・サニー(アラン・テュディック)の登場により疑念を深めたスプーナーは、博士の弟子のカルヴィン(ブリジット・モイナハン)と共に、事件の真相を追うことに。

サニーが博士を殺したと疑うスプーナーは、動機と自白を引き出そうとするものの、コミュニケーションの取り方から感情の出し方まで、まるで人間の様なサニーに困惑してしまう。

そんな折、博士と共にロボット開発を行ってきたUSロボティクス社の社長ロバートソン(ブルース・グリーンウッド)は、会社への風評被害を恐れて警察からサニーの身柄を引き取り、街中のロボットの入れ替えまで決行してしまう。

正体不明の襲撃に幾度と合いながらも事件の真相とサニーを追い、一人単独捜査を行うスプーナーだったが、突如 何者かに操作されたロボットによる人間への大規模な暴動に直面する。

果たして、誰がラニング博士を殺したのか? 博士が伝えたかったメッセージとは?

ロボットであるサニーには本当に心があるのか? 暴動を起こしたのは誰か? その理由とは……?

❝ロボット3原則❞とは、SF作家のアイザック・アシモフの小説内にて、ロボットが従うべき原則として示されたもの。映画では、原則1『ロボットは人間を傷付けてはならない。また人間への危険を見過ごしてはならない』、原則2『原則1に反しない限り、ロボットは人間の命令に従わねばならない』、原則3『原則1と原則2に反しない限り、ロボットは自己を守らねばならない』と表現されている。
PR

【アイ,ロボット】見どころ

人間とロボットの共存

2時間近くという尺の長さを感じさせないほど最初から最後までストーリーに無駄が無く、描かれた世界に没頭できる本作。

謎を追うミステリー要素や、ロボットの機能・身体能力を活かしたアクションの数々など、ストーリーを楽しむポイントは多く存在するが、その中でも主軸で描かれるのが❝人間とロボットの共存❞だ。

過去の出来事以来、ロボットの存在を激しく嫌悪するスプーナー刑事は、人間の様に振舞うロボットのサニーを冷たく見下す。

人間とロボットが共存する世界になった時、人間とロボットの間の境界線はどうなるのだろうか?

ロボットは機械らしく存在し、決して人間と同等に並ぶことは無いのか、もしくは まるで友人の様に人間とロボットが絆を育むことが可能になるのか。

機械に心は無いとロボットを拒絶するスプーナーだったが、サニーとの出会いを通してロボットに抱く印象が徐々に変わっていき、サニーを❝個❞として認めるようになる。

反対に、ロボットを開発・提供を行うUSロボティクス社のロバートソンは、一貫して「ロボットは人間よりも完璧で、もし不具合が起きたのならば廃棄してプログラムを改善すれば良い」と考える。

キャラクター達の目線を通して、観客は人間とロボットの関係に考えをめぐらすだろう。

いつか訪れるかもしれない、ロボットが当たり前のように存在する未来で、私たちはどのように彼らと共存することを選ぶのだろうか。

現代科学への哲学的メッセージ

❝ロボット三原則❞という、人間の命令に従い、かつ人間の命を危険にさらしてはならないとプログラムされているロボットたちだが、本作ではスプーナーを襲ったり、自我を持っているかのように自らの選択で行動したりと、人間が作ったルールから外れる機械が現れる。

このように、人間が思い通りに制御出来ると思っていたことが、徐々に手が及ばなくなってきてしまうことへの危険性が描かれている。

現代科学では、既に人工知能(AI)と言われるものが発明されている。

数えきれないほどのデータを処理し、学び、進化し続ける人工知能は、人間より遥かに勝るスピードで作業をこなし、人間相手に将棋で勝ち続け、未来を予知し、「我々はいつか人類を滅ぼすだろう」と発言した事実まである……。

ただ決められた働きをする機械ではなく、自ら学習していく機械というのは、人間の想像を超えた考えに至る可能性があると本作は示唆している。

機械が予想外の結論を出したその時、人間がコントロールできる範疇になかったら、どうなってしまうのだろうか?

科学技術の発展により利便性が重要視され、人々の生活はどんどんと楽になっていく。

その一方で、人工知能の様なある種の❝新たな生命体❞を生み出すことには、大きな危険が伴い、また倫理的観点から見ても正しい事であるのか微妙なラインとされている。

本作では、SF映画としてその境界線の危険性を描き、人間のエゴによって生み出される問題点を浮き彫りにしているのだ。

心に残る名セリフの数々

本作では、ウィル・スミス演じる主人公を中心とした、キャラクター達の秀逸なセリフが目立つ。

2004年に製作された映画とは思えないくらい、人類が直面する未来を見据えたようなリアルさで、今聞いても全く古さを感じない

止まることのない科学技術の発展を意識しながら聞くと、よりこの映画のメッセージに気が付くことが出来るかもしれない。

数々の名セリフの中から、一部をご紹介!

 「お前はただの機械 命をマネしてるだけだ」 

 人間の様な振る舞いをするサニーに対してスプーナーがかける言葉

 出典:映画【アイ、ロボット】

 「機械の中には幽霊がいる」

 ラニング博士がロボット工学についてスピーチした際の言葉

 出典:映画【アイ、ロボット】

「その方がいいです 死ぬよりも」 

 修理されると聞いたサニーが呟く言葉

 出典:映画【アイ、ロボット】

 「ロボットはいつか秘密を持つ いつか夢を見る」

ロボットが発展の限界に達した」という表現に対して、ラニング博士が反論した際の言葉

 出典:映画【アイ、ロボット】

PR

【アイ,ロボット】番外編:おすすめゲーム

【アイ,ロボット】を楽しんだ人におすすめしたいゲームが、PlayStation4のソフト『Detroit: Become Human(デトロイト ビカム ヒューマン)』

AI技術とロボット工学の発達により、アンドロイドが人間に代わって労働を担う2038年のアメリカ・デトロイトを舞台に、3体のアンドロイドを操作するアクションアドベンチャーゲームだ。

人間に反旗を翻す者、人間を守る者、人間と共に生きる者――プレイヤーの選択によって物語が分岐し、それぞれのアンドロイドの生きる道、性格、他キャラクターとの関係性、そして結末さえも変わっていく。

全編アンドロイド目線で描かれる為、プレイヤーである自分がアンドロイドと人間の関係性に対してどのように感じるのかがより明確化され、差別化されてくるところがポイント。

自分がどのような選択をするのか意外な気付きもあり、沢山のシナリオで何度でも遊びたくなる、映画を観ているような感覚でプレイ出来るゲームになっている。

映画【アイ,ロボット】が好きな人には、ストーリーからプレイスタイル、グラフィックのクオリティまで、存分に楽しめること間違いなし!

PR

【アイ,ロボット】まとめ・感想

  Rotten Tomatoes評価  
56%  70%
TOMATOMETER                  AUDIENCE SCORE

幼少期に観て以来大好きで、俳優ウィル・スミスのファンになるきっかけとなった、この映画。

子どもの頃は、ただただロボットとのアクションに興奮し、魅力的なキャラクター達(特にサニー)の真似をしてみては、この世界観に憧れたものだった。

しかし大人になって観返してみると、機械に❝心❞を与えることへの危険性と、それと同時に、新たな生命体と人間の❝心の繋がり❞を描いていることに気が付き、その奥深さに思わず唸ってしまう。

地球上に生きる生物である人間が、新たに頭脳を作り、身体を作り、心まで作ってしまうことへの、倫理的な是非を問うテーマ性に、映画を楽しみながらも考えさせられてしまうのだ。

未知なものと対峙する時、人間は無意識に、❝それ❞は自分達が作ったものなのだからコントロールできるはずだと、大きな勘違いをしてしまう。

46億年という地球の歴史の中、生物は生き残るために進化し、様々な抜け道を探してきた。

近い将来、人類が生み出す人工知能や本作の様なロボットたちも、自身のプログラムの中でいつか抜け道を見つけ出すかもしれない。

これによって生まれる危険を避けるのか、本作でのスプーナーとサニーの間に芽生える絆のような新たな可能性を求め続けるのか、人類はどちらを優先すべきなのか?

現代に警告を鳴らし、観客に問いかけているメッセージ性と、エンターテインメントとしての面白さが無駄のないバランス加減で活かされ合っていて、見終わったあとは大満足出来ること間違いなしだ。

SF映画としても、バディものとしても、アクション映画としても、ドラマ作品としても秀逸な出来になっているので、是非チェックして欲しい。

©2004 TWENTIETH CENTURY FOX