【坂道のアポロン】ネタバレと評価。
ジャズを通して描かれる甘酸っぱい青春の1ページ。
揺れ動く三角関係、秘められた過去、セッションで深まる友情……
この映画はきっとあなたの「My Favorite things」になる!
【坂道のアポロン】あらすじネタバレ
正反対の薫と千太郎。2人はどのようにして出会ったのか?
医師として病院に勤める西見薫。
忙しい毎日を送る薫のデスクには1枚の写真が飾られていた。
笑顔で写る三人の高校生。
二度と戻らない、”特別なあの頃”……。
出典:【坂道のアポロン】公式サイトから引用
横須賀から家庭の都合で長崎へと引っ越してきた主人公の西見薫は、校内を案内してくれた、優しいクラス委員の迎律子に一目惚れをします。
しかし、他の生徒からは都会者、などと噂され、耐えられなくなった薫は屋上へと逃げようとしますが、入り口には布がかかった何かに塞がれていました。
どうしても屋上に行きたい薫はその布をどかすと……。
「あぁ、迎えに来て下さったとですか」
寝ぼけた川渕千太郎に手を取られ、突然のことに驚く薫。
どうしても屋上に出たいと伝えたところ、上級生が屋上への鍵を持って金と交換だと脅してきました。
「鍵、欲しかとか?」と尋ねた、千太郎への答えに戸惑っていると「待っとけ」そういって千太郎は上級生に殴りかかります。
大雨の中、血まみれになりながらも上級生に勝った千太郎は、大の字に寝転んで雨に打たれていました。
傘を持って薫が様子を見に行くと千太郎は起き上がり、「お前も浴びてみらんか。スカッとするぞ」と言われ、薫は傘を奪われます。
2人でびしょ濡れの中、千太郎は上級生から取り返した鍵を投げ渡します。
「怖がっとっても、なんもよかことなかぞ」それが千太郎と薫の出会いでした。
薫と千太郎の初セッション! ジャズの世界に飛び込め!
ある日、薫がクラシックのレコードを買いに行きたいので店を知らないかと律子に尋ねたところ、「レコードなら家にいっぱいあるよ。家に来たらよか!と誘われます。
ドキドキしながら律子の家に向かう薫でしたが、律子の家はレコード店だったのです。
厳しそうな律子の父にたじろぐ薫ですが、薫がピアノを弾けると知った律子は、こっちに来て!と店の奥へと誘います。
「律子! そこは関係者以外立ち入り禁止ぞ」と律子の父親に止められますが、律子が「うちと千太郎の大事な友達よ」と伝えると通してくれたのです。
地下室に降りると、そこにはドラムを叩く千太郎が。
しかし、「どうせボンボンのおすましクラシックやろ」「ピアノなら、おいが代わりに弾いてやる」と言って、千太郎がたどたどしくピアノを弾き始めました。
下手さに耐えられなくなった薫は、千太郎と並んでピアノを弾き始めます。
その様子を見ていた律子は「うち、2人のセッション聞いてみたかぁと呟きました。
しかし千太郎に「そりゃあ無理ばい。こいにジャズのセンスはなかよ」と言われてしまったのです。
帰り際、薫は千太郎が弾いていた曲を律子の父親に教えてもらい、「Moanin’」のレコードを買って家でこっそり猛練習するのでした。
次の日、練習していたのがバレて学校帰りに千太郎から、いきなりセッションしようと地下室に誘われる薫。
律子と3人で地下室に向かうと、東京から帰ってきたという、千太郎の憧れの人物・純がトランペットを、律子の父親がコントラバスを持って待っていました。
いきなり始まるセッションに、圧倒される薫。
千太郎がお前も来い、とジェスチャーしますが、薫は無理だと首を振ります。
しぶしぶピアノに向かう薫ですが、緊張してすぐに弾くのを止めてしまいました。
「なんばビクビクしよっとか! 細かいこと気にせんで飛び込め!」千太郎にそう言われ、薫は手探りながらもセッションに参加していきます。
初めてのセッションながらも、薫はジャズを通して皆と心を通わせていくのでした。
【坂道のアポロン】の見どころ
映画の見どころならぬ聴きどころ! 作中で演奏されている曲を紹介
坂道のアポロン、実写の方は未開でアレだけど漫画とアニメは好き。アニメになって初めて(あっこの曲だったのか!)って気付いたものも多々あったし、ジャズの音楽とても良い…!落語もそうだったけれど、漫画だけじゃわからない耳からの情報が得られるの素敵
— 征次🍡 (@4696_seiji) April 24, 2018
坂道のアポロン、映画見れた〜。原作が良くて、でも実写化するとガッカリってのが多い中、これはなかなか良かった。音楽に疎くて、本を読んだだけでは分からなかったジャズの曲も、すんなり入ってきて…欲を言えば、最後結婚式の写真とか出てきたらよかったな〜
— 恭乃佑 (@ayajo24) March 28, 2018
まず、薫と千太郎の初セッションのきっかけとなった「Moanin’」は、1958年に発売されたアルバムで、Atr Blakey&Jazz Messengersが制作しています。
映画のオープニングにも使われていますが、やはり一番の見どころは文化祭でのライブシーンです。
後程紹介する「My favorite things」から打ち合わせもなしに始めるのも、2人の友情が強く結ばれているのが感じられます。
次に「My favorite things」。
この曲は1959年に製作された「サウンド・オブ・ミュージック」というミュージカルの中の一曲。
文化祭のライブシーンでは、薫の優しいピアノが後半に向けて、力強く盛り上がっていくのが格好いいです。
また、映画のラストで、再開した3人はこの曲のセッションをします。
高校生から大人へと、数十年の月日が経っているにも関わらず、あの日と同じようにセッションする姿は、3人の変わらない絆を表していました。
九州特有の方言が可愛い! 演奏中の表情も必見です!
実写映画 坂道のアポロン、音楽(ジャズ)・友情・すれちがい・マイノリティ・青春・昭和・長崎・恋愛のどれかに心当たりがある人は観に行ってほしい。青春音楽映画はすばらしい。知念侑李がピアノを弾く姿と、太陽の化身 中川大志と、小松菜奈の純朴方言少女と、ディーンの英語の歌が最高なんだよ。
— さちこ (@sck0v0) March 12, 2018
映画「坂道のアポロン」の舞台は1960年代の長崎。
登場人物の服装や街の看板など、作中では時代を感じさせるレトロで可愛いものがたくさん写っていました。
また、千太郎や律子は九州特有の方言を使っているのですが、千太郎が使うと少しぶっきらぼうな印象も受けるのに対し、律子が使うとなんだかほっこりして可愛い印象になるのも不思議です。
また、この映画では薫や千太郎が演奏するシーンがありますが、全員代奏なしで実際に演奏しているのです。
全く未経験の役者さんもいたそうですが、全くそんなことは感じられず、ライブシーンでは本当に楽しそうに演奏していているので、ジャズを知らない方でも楽しめると思います。
最後の千太郎と薫、律子の3人での「My Favorite things」のセッションを聞いてみたかったです。
(C)2018 映画「坂道のアポロン」製作委員会 (C)2008 小玉ユキ/小学館