【2分の1の魔法】ほしかったものは意外と身近に。

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【リメンバー・ミー】(2017)から3年ぶりとなるピクサーのオリジナル作品。主役ふたりをマーベルシリーズでもお馴染み、今をときめくクリス・プラット、トム・ホランドが演じていることでも注目の作品です。次なるピクサー作品【ソウルフル・ワールド】(2020予定)の公開前にぜひ感動を味わって。

当サイトでご紹介しているものは2020年9月現在のものです。

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【2分の1の魔法】のあらすじ

舞台はユニコーンや人魚、妖精たちが暮らす世界。

遠い昔、彼らは自らの特徴を活かしたり魔法を使ったりして生活をしていましたが、科学技術が進化するにつれて徐々に衰退していってしまいました。

郊外に暮らすエルフのイアンは自分に自信がなく内気な性格。

自分の16歳の誕生日に友人をパーティに誘おうと頑張ってみるも兄・バーリーによってあえなく失敗するなど思うように行動できずにいました。

そんな中、ママであるローレルが、亡きパパ、ウィルデンから預かっていたというプレゼントをもらい開けてみると、プレゼントの中身は魔法の杖と手紙が入っていました。

手紙に書かれていたのは、死者が24時間だけ生き返る復活の魔法!

バーリーが杖を持ち呪文を唱えますが魔法が成功しません。

がっかりしながら1度は諦めるも、ひとりになったイアンが呪文を唱えると魔法がかかりウィルデンの身体が現れ始めます。

しかし、魔法のパワーに負けてしまい途中で失敗。

なんと、下半身のみ復活してしまいました。

上半身も復活させるにはもうひとつ不死鳥の石が必要ということが発覚し……。

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【2分の1の魔法】の見どころ・ネタバレ

豪華声優陣に注目!

兄・バーリーをクリス・プラット、弟・イアンをトム・ホランドが本国オリジナル声優を演じており海外はもちろん、日本でもふたりのファンの方々は特に注目の作品です。

ふたりとも見事キャラクターにぴったりの声で、見ていくうちにだんだん2人が透けて見えてくるような気がしました。

【アベンジャーズ】シリーズ(2012-)でも共演しているふたりは、プライベートでも仲がいいことから本当の兄弟のようにアテレコに挑んだというエピソードがあるほど、和気あいあいと進んだそう。

ちなみに「マンティコアの酒場」を経営しているマンティコア・コーリーは、オクタヴィア・スペンサーが演じているのでぜひ彼女の力強さを感じてください。

日本語吹き替えは主役ふたりを志尊 淳、城田 優が演じていますので、気になる方は吹き替え版も要チェック。

アップデートされたストーリー構成

内気な子が家族や周りを通じて成長していく、というストーリーは数あれど本作が少しそのステレオタイプなストーリーと異なるのは、通常なら準レギュラーの位置づけをされそうな兄・バーリーの存在が大きいかと思います。

イアンは小さくてウィルデンとの思い出がないことから、本編でささやかだけれどずっと「パパ」としてみたかったことをリスト化していきます。

対するバーリーはウィルデンとの思い出が3つあり、思い出のないイアンのために残りの上半身を復活させるための不死鳥の石を探す旅に同行します。

イアンにとってバーリーは、自分も大人になってきたのにちょっぴり世話を焼きすぎの兄。

ケンカに発展することもありますが旅を通して共に過ごすうちに、バーリーにはウィルデンとのもうひとつ思い出があること、その思い出が悲しいものであることや彼の頼もしい一面を新たに知ることになります。

しかし、本編終盤に差し掛かるも石を探し出せず、バーリーと仲違いしてしまったイアンは「やりたかったことリスト」に線を引いていくうちに、「パパ」としたかったことは全部兄が自分にしてくれていたことであった、ということに気づきます。

その事実を知ったあとのイアンは強い!

ずっと会いたいと心から願っていたウィルデンとの再会を諦め、ずっとひとりで頑張ってくれていた兄に託し石を取り出した際、呪いによって現れたドラゴンと魔法で勇敢に戦います!

途中から助けにやってきたコーリーとママのタッグも必見ですが、ママもイアンも復活したパパには出会えていません。

バーリーが日没前のほんの数分、何かを話している姿をドラゴンの瓦礫の隙間から覗くイアン、という構図があまりに斬新かつ新鮮で感動的すぎます。

ひと昔前ならラストはイアンがウィルデンと出会っていたはず。

あくまでも兄はサブキャラクターであったのではと感じます。

しかし、本作はイアンの成長物語でもあり、バーリーが改めて前に進めるように後悔から救うお話との、まさしくふたりともが主人公である作品なのです!

ちょっとした小ネタがたのしい!

魔法や伝説の生き物たちが住む世界ということからか、本作には所々オマージュや小ネタが仕込まれています。

ピクサーネタとしては忘れてはいけない「A113」ネタ。

これはピクサースタッフの大半が通ったというカルフォルニア芸術大学の教室名。

今までデザインで描かれていたものが、今回は無線の暗号として言葉として現れています。

他にも【メリダと恐ろしの森】(2012)の舞台であるスコットランドを連想させる地名やイラスト、【インサイド・ヘッド】(2015)に登場する「トリプルデントガム」など、ピクサー好きとしてはたまらない小ネタが多く存在します。

また、マーベルネタとしては、バーリーのジャケットについているワッペンのひとつにガントレットらしきもの、ドクロピンバッチが確認できます。

これは、かのサノスのガントレットとレッドスカル率いる「ヒドラ」のエンブレム……?

さらに【ロード・オブ・ザ・リング】(2001-2003)シリーズからも小ネタが。

作中で登場するハンバーガーレストラン「バーガーシャイア」には、「2回目の朝食をどうぞ!」との看板。

ホビットたちの習慣である「朝食を2度食べる」というところ掛けているんですね(ちなみにシャイアはホビットの住むエリアのこと)。

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【2分の1の魔法】まとめ

子どもから大人まで魅了するピクサー作品ですが、本作は特にたくさんの方々におすすめしたい作品です。

伏線回収も素晴らしく、冒頭のフィットネスシーンやイアンが通う学校のドラゴンのイラストがまさかラストに影響を与えてくるとは思いもよらず……!

他にも【インディ・ジョーンズ】(1981-2008)、【バック・トゥ・ザ・フューチャー】(1985-1990)シリーズを思わせるシーンが出てくるので、オマージュを探しながら見てみるのもひとつの楽しみ方かもしれません。

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