映画『ポリス・ストーリー 香港国際警察』。
本作は、ジャッキー・チェン本人も自薦しているアクション映画。
CGなし・命綱なしのアクションに見入ってしまうこと間違いなしです。
また、脇役や雑魚敵の細かいアクションにも要注目!
ジャッキーの、アクション監督としてのこだわりを感じる『ポリス・ストーリー』の見どころをお届けします。
『ポリス・ストーリー 香港国際警察』あらすじ
主人公のチェン・カクー刑事(ジャッキー・チェン)は、捜査会議に出席していました。
今回チェンが捕まえる相手は、チュウという40代の男。
チュウは、クラブ経営や不動産を手がけているものの経営はすべて赤字。
その赤字を補うために、裏で薬物の取引きをしているのだと言います。
取引きの現場を押さえて逮捕するよう命じられたチェン刑事は、さっそくチュウを追うことに。
チェン刑事が現場を見張っていると、チュウの部下に感づかれてしまい、そこから激しい銃撃戦が繰り広げられます。
さらに、カーアクションや壮絶な殴り合いアクションが始まり……!?
*
壮絶な戦いの末、何とかチュウを逮捕したチェン刑事。
しかし上層部は「もっと証拠を固めたい」という理由から、チュウの秘書であるサリナに証言を頼みたいと言い出します。
チュウからしてみれば証言されては困るため、証言を阻止するためにサリナの命を狙うはず。
ゆえにチェンはサリナの命を守るために、裁判までの期間サリナのボディーガードをすることになるのでした。
『ポリス・ストーリー 香港国際警察』の見どころ
CGいっさい無しのアクションが凄い!
近年の映画は規定により、俳優が危険すぎるアクションを行うことは禁止されています。
しかし、1980年代の香港映画にはそのような規定がありませんでした。
ゆえに、ジャッキー・チェンの全盛期だったことも相まって、本作ではとんでもないアクションを見ることができます。
CGをいっさい使っていないのは勿論のこと、命綱やスタントマンの代用も無し!
見ていて「ヒィ」と声が漏れてしまうほど危険なアクションもあります。
たとえば、開幕10分で行われるバスのアクション。
ジャッキー・チェンのカンフー作品
「プロジェクトA」「ポリスストーリー」「ラッシュアワー」
これCGじゃないんだぜ! って子供達に見せたい
当時はアクションだけでなくその危険度にも度肝を抜いた
#ジブリはもういいからこの映画放送しようよ— くらげ1piki (@kuarge1piki) August 21, 2019
ジャッキーが、時速60キロ前後で走っているバスに傘を引っ掛け、傘につかまりながら引きずられていくシーンはハラハラすること必至。
また、バスが急停車した際に、雑魚敵がガラスを突き抜けてバスから落下するのですが……。
落ち方が美しすぎます。
ジャッキー・チェンは、本人のアクションが凄いのはもちろんのこと、倒される側がどう美しく倒されるかにも重点を置いているのです。
本作を含め、ジャッキー・チェンがアクション指導をつとめている映画は、すべて雑魚敵のアクションもキレッキレなので要注目!
大技アクション
本作の大トリのアクションは、店内での乱闘と“ポール滑降シーン”。
約30メートルのポールを滑り落ちていくアクションは圧巻で、ジャッキー・チェンの代表スタントと言われています。
先ほども述べたとおり、今は映画界の規定により、一定ライン以上の危険なアクションは見ることができません。
そしてこの先も、規定が変わらない限りずっと見られないでしょう。
つまり、本作ほどの超越したアクション作品には今後なかなか出会うことはできないはず。
本作だけではなく、1980年代のジャッキー映画はすべてアクションが超越しているので、ぜひ一度観て頂きたいです。
ちなみに、ジャッキー本人が自薦しているアクション映画はこちら。
■ジャッキー自薦■
『プロジェクトA』ジャッキーファンで、この作品を知らない人はいない!
『ポリス・ストーリー 香港国際警察』本作。
『WHO AM I?/フー・アム・アイ?』
『スパルタンX』敵役のベニー・ユキーデとのアクションがやばい!
『酔拳2』ちなみに、『酔拳1』はアクションがゆったり目です。
親しみやすい主人公
ジャッキー・チェンのアクションが超越しているからと言って、作中の役柄まで超人というわけではありません。
時には手ひどく攻撃されたり、敵から大ダメージを受けたりもします。
最初から超人というのではなく、しぶとさで勝っていく過程に親近感がわくことでしょう。
また、主人公のお茶目な人柄や、コメディタッチ満載なところもジャッキー映画の魅力。
特に、女性との掛け合いはコメディ多めです。
キレッキレのアクションとコメディ要素がどちらも盛り込まれており、緩急のメリハリが効いているため、あっという間に見終わってしまうはずです。
『ポリス・ストーリー』の最新作は?
『ポリス・ストーリー』のシリーズは全部で9作。
スピンオフの映画も合わせると、10作品になります。
本作がシリーズ第1作で、最新作は2017年の『ポリス・ストーリー REBORN』。
最新作は、初期のころと比べるとアクションシーンが減っていますが、それでも、洗練されたジャッキー・チェンのアクションが見られます。
ちなみに、5作目以降もタイトルは『ポリス・ストーリー』ですが、世界観や設定は5作目から別物。
最新作でジャッキー・チェンが歌っている、1作目と同じ主題歌にも注目です!
『ポリス・ストーリー 香港国際警察』の感想
ストーリーはいたってシンプルで、主人公の刑事が悪を逮捕するために奔走する姿が描かれています。
本作を含め、この頃にジャッキー・チェンが作った映画は、アクションのために作られている作品ばかり。
脚本もジャッキー・チェンが手がけているのですが、先に大筋のアクションシーンを決めてから、つじつまが合うようにストーリーを付け足しているのです。
アクションのために作られた映画だけあって、最初から最後まで、至高のアクションを楽しめました。
雑魚敵や脇役の人が、“落下”するシーンがたくさんあるのですが、その全てが見事な落下。
アクション指導を務めるジャッキーの、アクション細部へのこだわりを感じます。
男たちがそんなアクションを繰り広げる中、ヒロインがテンパっている姿がリアルでした。
そこら中のガラスは割れまくり、男性たちはパンチやキックを実際に当てているので、その場にいる女性は実際オドオドしてしまうと思います。
それでも、ヒロイン役のブリジット・リンは、ラストでは体を張ったガラスアクションを披露!
彼女のチャレンジ精神に拍手を送りたくなりました。
ストーリーは本当にシンプルですが、アクションは何十回でも見返したくなる。そんな映画です。
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