【ディストピア パンドラの少女】あらすじ。
次世代のゾンビ。何と彼らは感染した親から生まれてきたのです。
彼らは母親の内臓を食い破って、内側から這い出てきました。
故にその子供はゾンビ菌を体内に保有し、ウィルスと共存しながら生きているのです。
時代はハイブリッド!もう人類はいらない?
本作品はゾンビ界をざわつかせた異色の話題作です。【PG12】
次世代ゾンビの特徴
ドラマ【ウォーキング・デッド】に登場するゾンビは、常にウオーキングしながら単独または集団でさまよい続けながら人間に襲いかかってきます。
しかし、本作に登場する感染した大人のゾンビはあちこち動き回らず、突っ立ったまま静止状態を続けるゾンビなのです。
いわば、無駄な動きはしないエコなゾンビですが、「音に反応」して高速移動する事ができ、その反応速度は画面を見て時計で計測した結果、相手到達まで約3.6秒の早さでした。
しかも、ウィルスに感染した相手を識別できる「菌保持者識別能力」も備わり、感染していない人間の匂いを嗅ぐと凶暴化して即噛みつきます。
当然その人間もゾンビに転化するのです。
転化したゾンビは口からツタを出して植物となり、胞子を蓄えた後は胞子を撒き散らし、大人の人間に感染させるのです。
【ディストピア パンドラの少女】あらすじ
出典:www.amazon.co.jp
物語の舞台は、未知の細菌によって文明が荒廃した近未来のロンドン。
細菌の感染者は人を捕食するゾンビと化し、ハングリーと呼ばれています。
そんな世界で、未来への唯一の希望はゾンビ化した妊婦から生まれたハイブリッドの子供たちでした。
その子供たちは、軍人に監視されている施設に隔離され、朝になると全員車椅子に縛り付けられ教師ヘレン(ジェマ・アータートン)の授業を受けるのです。
教師は、子供たちに触れる事は許されていません。
主人公の少女メラニー(セニア・ナニュア)は先生の話すギリシャ神話が大好きで、毎日楽しみにしていました。
ヘレナはそんなメラニーを不憫に思い、思わず頭を撫でてしまいます。
それを発見した兵士が「何をしている!」と怒りました。
子供たちは一見するとおとなしいものの、人間の匂いをかいだ途端に凶暴化するため、襲われないよう車椅子に縛り付けているのです。
一方で、同施設にいる科学者のコールドウェル博士(グレン・クローズ)は、ゾンビの対抗ワクチンを開発していました。
コールドウェル博士が、メラニーを最終段階の被験者として実験台に乗せようとしたとき、大勢のゾンビがなだれ込み、フェンスが破られて施設は壊滅してしまいます。
逃げ切れたのはメラニーとヘレナ、コードウェル博士とパークス軍曹(パディ・コンシダイン)、兵士2人の6名だけでした。
車で脱出した6人は壊滅した施設を後に、新たな基地を目指すことになります。
途中車が壊れたり、仲間に感染者が出たりで皆はサバイバルを余儀なくされ、パークス軍曹は徒歩でロンドンを突っ切る事にしました。
その後移動式のラボを見つけたコードウェル博士は、メラニーにゾンビ対抗用のワクチン材料になってほしいと頼みます。
メラニーは先生の為ならと初めはOKしますが、土壇場になって「人間の為に死なない」と考えを変え、ゾンビ胞子の木に火をつけたのです。
破裂した実の中にあった胞子が撒き散らされ、ゾンビ胞子が飛び散ります。
鎮火した後、ラボの中にいたヘレナ以外の全員が胞子感染によるゾンビになってしまいました。
事実上、人類滅亡。
その後、緑に囲まれた世界でヘレナが、ラボの中の第2世代の子供たちに……。
【ディストピア パンドラの少女】見どころやキャスト
第2世代の子供と大人の違い
本作ではゾンビとして生まれながらの特質を備えた、ハイブリッドの子供達が描かれます。
子供はゾンビなので感染せず、大人の人間は感染してゾンビ化するという考え方が斬新です。
ある意味、子供と大人の世界が共感しあえない事を象徴しているかのような作品でした。
ゾンビが勝つか人類が勝つか、そのどちらでもない?
従来の映画では、対抗ワクチンを開発して人類がゾンビに打ち勝つか、ゾンビに征服される結末に分かれますが本作はそのどちらでもありません。
人類が絶滅するもハイブリッドの新人類は繁栄していくという、絶望も希望もない怖い世界が描かれているのです。
ラストのドンデン返しが、ディストピアな人類の終末を連想させる結末となっています。
意外なキャスト!
ゾンビものでありながら意外な有名女優が出演していました。
ヘレン役には【007/慰めの報酬】(2009)のボンドガールのジェマ・アータートン、コードウェル博士役にはオスカー女優のグレン・クローズと、見た目も華やかな作品となっています。
★パンドラの少女は、人類の希望になるのか・・・それとも絶望か!?
©Gift Girl Limited / The British Film Institute 2016