映画【マークスマン】は、2022年1月7日に日本公開されるアメリカのアクション映画。100%の的中率を持つ元軍人が、麻薬組織から追われている少年を命がけで守る追撃アクション。リーアム・ニーソンとロバート・ロレンツ監督のタッグで話題を呼び、北米では興行収入2週連続1位を獲得しています。
あらすじ
ところが、癌で闘病していた妻に先立たれた後は精神的にも疲れ果て、更には妻の治療費がかさんで破産状態になり、牧場が競売に掛けられるという困難な状況に置かれてしまいます。
年齢的に他の仕事も出来ず、残り少ない牛を売ろうとしましたが借金を返すには足りませんでした。
そんな彼を、「おじさん」と呼ぶ亡き妻の娘であり、警察官のサラ・ペニントン(キャサリン・ウィニック)だけは気に掛けてくれていました。
ある日ジムは、メキシコの麻薬組織カルテルに追われていたローザ(テレサ・ルイズ)と息子のミゲル(ジェイコブ・ペレス)が、メキシコ国境を越えようとするのを見つけ、国境守備隊に通報しようとしました。
ところが、そこでマウリコ(フアン・パブロ・ラバ)率いるカルテルとジムとの銃撃戦が繰り広げられ、ローザが巻き込まれてしまいます。
ローザは、ジムにミゲルをシカゴの親戚の所に連れて行って欲しいと頼んで息を引き取りました。
ジムは、ミゲルが委託家庭に送られるという話を聞いて警察に引き渡したものの、カルテルが国境前で待機する姿が見え……。
Marksmanの意味
原題”Marksman’とは、射撃が上手な者の意味。
一般的に知られている”Sniper”と同じようですが、軍事用語では違い米軍は射撃実力によって、”Marksman”(一般射手)、”Sharpshooter”(優秀射手)、”Expert”(特等射手)の3等級に分けられてます。
“Marksman”は部隊や分隊、小隊に所属し、一緒に動きながら一般小銃兵より射撃能力に優れた兵士で、”Sniper”はもっと遠距離かつ暗殺に特化した専門家です。
また、アメリカでは陸軍や海兵隊または警察や民間団体が、射撃が上手な人に射撃の技量を認定するバッジ(Marksmanship Badge)を与えると言われています。
ジム・ハンソンについて
㊗#リーアム・ニーソン 主演『#アイス・ロード』公開㊗
死のロードを走りきったら、#リーアム兄さん の次のミッションは、身寄りのない少年を守り抜くこと!
オヤジヒーローの挑戦はまだまだ続く『#マークスマン』1/7(金)公開
▼上映劇場https://t.co/AV3inULIOm#的中率100パーセントの男 pic.twitter.com/IsCQ3utawN
— 1月7日(金)公開 映画『マークスマン』公式アカウント (@Marksman_JP) November 12, 2021
ジム・ハンソンは、特別に正義感が強いわけではなく、他人を干渉することも干渉されることも嫌う平凡な人物。
普段なら不法入国者がいることを国境守備隊に通報し、見て見ぬふりをしますが、この時はたまたま銀行から牧場を競売にかけるという通知があり、人生への空虚感が増していた状態でした。
愛する妻を失い、人生に目標を持てなくなった時でのミゲルとの出会いは、彼の人生を一変させます。
「少年を命がけで守る」
これは、今の彼の生きる目標となり、他人に関与するきっかけになっていったのです。
リアム・ニーソンの新たな挑戦
怒りと復讐のトレードマークだったリアム・ニーソンが、カリスマを発揮する追撃アクションムービーということで期待感が倍増しました。
【96時間】シリーズで、全世界にアクション俳優としての存在感を印象付けたのち、様々なアクション映画で彼ならではのアクションを披露し、観客を感動させるアクションカタルシスを与えてきました。
本作では、アクションの軌跡や叙事面で観客を動かせる要素がよく反映されただけでなく、内面の深みを表現しようとした線の太い演技力まで加わり、深淵に満ちた表情をするにつれ、これまでとは違った雰囲気が感じられるアクション映画となっています。
メキシコの麻薬組織カルテル
試練を乗り越えてアメリカに入国し、自由を享受するようになったミゲルのストーリーは、麻薬組織カルテルによって娘のような存在を失い、復讐に燃えた【ランボー ラスト・ブラッド】(2019)を連想させます。
また、メキシコの麻薬組織カルテルを描いた映画としては、【ボーダーライン】(2015)も思い出されます。
現在でもメキシコでは麻薬戦争が起こっており、麻薬組織カルテル同士の縄張り争い、及び麻薬密売の取締を推進するメキシコ政府と麻薬カルテルとの間で、2022年も進行中の武力紛争が続いています。
この映画は、そんな紛争に巻き込まれた無力な人々の必死の叫びと重なる、社会派かつ重いテーマの映画でした。
老人と少年のドラマ
本作はアクション映画というジャンルでくぐられていますが、別の視点から見ると「老人と少年の目的地に向かう旅」に焦点を合わせているとも言えるでしょう。
お互いに愛する人を失ったと言う同じ傷を持つ2人が、人種と年齢を超えて友情を築いていく--。
世代間の理解とより良い人生の意味を省察する個人というテーマが、より明確なジャンル的路線を選択しているという点は注目すべきポイントです。
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