映画【ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式】
人間、いつかは大切なひとを亡くし自らも死んでいく運命にありますが、そんな中イギリス的ブラックジョークが炸裂するヘンテコなお葬式映画、ここにあります!
【ゲーム・オブ・スローンズ】シリーズなどにも出演しているピーター・ディンクレイジ【SHERLOCK】シリーズのレストレード警部などを演じているルパート・グレイヴスなど、多くの英国俳優たちが個性豊かなキャラクターを演じています。
【ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式】あらすじ
父が死に、自宅にてお葬式をするために葬儀屋さんが棺桶を運んできてくれるものの、別人が運ばれてきて拍子抜けする……という冒頭シーンから始まります。
弔辞を読む予定の長男・ダニエルは、NYから葬式のために戻ってくることになった、作家として成功を納めているダニエルの弟・ロバートにやってもらえばいいのでは?と誰しもが思っていることにいらついていました。
というのも、実はひそかに作家になることを夢見ていており、一生懸命文章を考えたのにも関わらずそんなことを言われて評価してもらえないからでした。
そして、そんな彼を慰めながらも引っ越し金をちゃんともらうのよ、と告げる妻のジェーン。
彼女は同居しているダニエルの母・サンドラと仲が悪いため引っ越ししたくてたまらないのでした。
噂のロバートはファーストクラスの飛行機で飛んできたというのに葬儀代を出す気はないよう。
弔辞の件はもちろん、葬儀の段取りに関しても頭を悩ませることばかりで始まる前から胃が痛くなるような状況です。
自分勝手なことをそれぞれ言いながらも始まったお葬式だけれど参列にやってきた客人の中に見知らぬ男・ピーターに声をかけられ……?
【ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式】見どころ
あっさり終わる……訳のないお葬式事情
お葬式、ということもありキャラクターが多数登場するのもこの映画の見どころのひとつです。
横暴な態度でみんなに嫌がられている車椅子の叔父アルフィー、被害妄想ばかりしているハワード。
伯父ビクターを父に持つマーサ、彼女の婚約者であるサイモン、マーサの弟のトロイ、マーサのことを好いているらしいジャスティンなどなど、当たり前ではありますが”ハウエルズ家”に関わる人間が集います(15時には切り上げたい神父さんもやってきます)
そしてココ!集わせるだけ集わせて、脇役で終わらせないところがこの映画のおもしろポイントです。
ドタバタお葬式は無事終わるのか!?
見知らぬ男・ピーターに見せられた写真から、実は父がゲイだったという衝撃の事実を知ってしまったダニエルと弟・ロバート。
ピーターは父の遺産を受け取るためにやってきて、もしもらえないなら言いふらしてやると脅す始末。
如何にして口止めをするべきか……。
そんな中、ここぞとばかりに婚約者のサイモンを紹介し、厳格な父・ビクターに認めてもらおうととするマーサ。
しかし、緊張を和らげるために弟・トロイの家から安定剤と書かれた薬を拝借して、彼に飲ませたのが運の尽き。
中身はドラッグだったために、本来ならばとても真面目な人物なのにうっかり大切な場面でラリってしまったのでした……。
変な動きをしないように必死に監視して止めに入るマーサ、途中でなくしたという安定剤のビンをひたすら探すトロイのシーンも多く観ることができます。
実はトロイが必死に探すそのビン、ダニエルとロバートの手に渡っており……?
【ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式】ネタバレ
秘密を知っても家族は家族
なんとかバレないようにと頑張る兄弟ふたりだったのですが、最終的にお葬式にやってきた全員に父がゲイだった、ということはバレてしまいます。
悲しんでいる状況ではないほどのとんでもないドタバタ劇の中、「父は偉大でした!完璧ではなかったけど良い人でした。」から始まるダニエルの弔辞は、衝撃の秘密を知ったあとでもなお、彼の父に対する気持ちがちゃんとこもっていて思わずじんわりときてしまうはず!
そもそも監督はだれ?
本作の監督は、フランク・オズというイギリス出身・アメリカで活躍されている方で、「ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ(1988)」や「イン&アウト(1997)」などを制作されています。(どちらもコメディ映画)
【スター・ウォーズ】シリーズのヨーダの声・パペット操作や【セサミ・ストリート】のクッキーモンスター・グローバーなどの、キャラクターのマペティア(マペットの演者)または声優として演じたことでも知られています。
そんな彼の作品は、キャラクターの特徴をうまく作って作品に作用させる・コメディ・ギャグ要素はもちろんのこと、ほんの少し醸し出される同性愛要素が特徴的ではないかなと思います。
【ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式】まとめ
「この秘密は墓場まで持っていく」なんて言うほど、誰しも知られたくない秘密の1つや2つはあるものかもしれませんが、本作の場合、ギリギリで墓場まで持って行けずにバレてしまった例になるかと思います。
なんて悲しい……。
しかし、ここで良かったなと思うのは、誰もがダニエルの父がゲイだということに対して批判はしていない、という点です。
彼の妻であるサンドラも、憤慨しながらも長年のセックスレスに納得していたくらい。
マーサも妊娠しているということで、なんとか父を丸め込んでいましたし。
あまりのイレギュラーはやめてほしいのですが、ほんの少しならば思わぬ方向に運命が転がることもあるのかも?
イギリス的ブラックジョークが得意な方にはぜひオススメしたい作品です!
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