映画【シャッター アイランド】ネタバレと徹底解説。
出入りできる港はひとつだけ、閉ざされた孤島の、凶悪犯尊門の精神病院で起こったひとりの女性患者の脱走事件。
それを調査しに来た主人公だが、院長や看護師たちはどうも怪しい。
調査していくうちに明らかになる島と病院の正体……これは政府の陰謀?
一体何が真実なのか?
【シャッターアイランド】ネタバレ
連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)とその相棒、チャック・オール(マーク・ラファロ)は、精神病院から女性患者のレイチェル・ソランド(エミリー・モーティマー)が脱走したという連絡をうけ、捜査に向かいます。
その精神病院は凶悪犯専門で、シャッターアイランドと呼ばれる孤島に建てられていました。
周りの海は冷たく荒れていて、出入り可能な港もひとつだけ。
テディたちが捜査に来た翌日から天気は大嵐で、院長のコーリー(ベン・キングスレー)は「この天気じゃとっくにどこかで死んでいるだろう」と話します。
看護師や職員たちを集めて事情聴取をするも、目を反らしたりニヤついたり……何かを隠しているようです。
レイチェルが収容されていた部屋を調べると、そこには「The low of 4. Who is 67?」(4の法則。67番は誰?)というメッセージが書かれたメモが落ちていました。
そのメモを元に捜査を進めるも、3日後、院長から「レイチェルは帰ってきた」と告げられます。
これで事件は解決したと思いきや、大荒れの天気によって発電機が故障し、たくさんの囚人が部屋から逃げて病院は大混乱。
まだ事件は解決していない――テディたちは混乱に乗じて病棟に忍び込んだのです。
【シャッターアイランド】の解説と考察
人は思い込みを正せない――蘇るトラウマ、仕掛けられた罠。テディは真実を受け入れることができるのか?
レイチェルの捜査を進めていくうちに、テディは亡くなった妻や、妻を殺した放火魔のレディス、そしてレイチェルの悪夢を見たり、ひどい頭痛が起こったりするようになります。
それらと共にテディは過去の戦争の体験や妻の死など、様々なトラウマを思い出していきました。
ついには妻の幻覚を見始めるテディ。
さらに、捜査の途中で相棒のチャックを見失ってしまいます。
テディは院長に「相棒がいなくなった。知らないか?」と尋ねると、院長はパイプをゆっくりとふかしながら「君はここにひとりで来たんだ」と告げられます。
相棒のチャックすら、幻覚だったのでしょうか?
また、収容された患者やレイチェルからは「この島から逃げろ」と言われます。
一体何が真実なのか?
テディは島に隠された秘密を暴くために奔走します。
薄暗い病棟でに現れる妻やレイチェル……これは現実? それとも妄想?
映画の後半につれ、テディは徐々に脱走したレイチェルや亡くなった妻の幻覚を見るようになっていきます。
妻はいつも黄色い花柄の鮮やかなワンピースを着て現れ、美しいブロンドの髪が薄暗い部屋の中で映えていました。
また、その後に我が子を殺したレイチェルが、返り血まみれの赤いワンピースで現れるシーンも、どこか艶めかしく見えます。
グレーの囚人服や、白衣のナースに囲まれている現実にはあり得ないからこそ、彼女たちの幻覚がより一層引き立って見えるのかもしれません。
また、あり得ないとわかっていても彼女たちを無視できないテディの行動からは、妻への深い愛が見て取れました。
しかし、彼は島の秘密を暴くために灯台へと向かおうとします。
その際、車を爆破して警備の目を引き付けるのですが、そこで現れた妻の幻覚に対して、「君からのプレゼントのネクタイだけど……正直、悪趣味だよ」と苦笑い。
そして、そのネクタイを使って車に仕掛けを施すのですが、幻覚の妻はその車の爆発に巻き込まれてしまいます。
テディが妻の幻覚と決別するような印象的なセリフとシーンですが、炎から再び幻覚が現れました。
テディはまだ、幻覚と離れることができないようです。
感想:ラストのセリフに込められたテディの思いにグッとくる。2度目が見たくなる映画
テディ演じるレオナルドディカプリオは、映画「タイタニック」で一躍有名となった俳優ですが、今回演じたテディはトラウマを抱えているなど複雑な役です。
それを見事に演じ、薄暗い病棟の中で真実を追い求める保安官としての彼の眼は恐ろしいほどかっこいいです。
ラストシーンの彼のセリフに込められたテディの思いを考えると、少し胸が切なくなってしまいます。
この映画のラストを知ったうえで2度目を見ると、セリフやカメラワーク、役者の表情など、様々なところにラストへとつながるトリックが仕掛けられていることに気づくでしょう。
1度目の視聴でトリックを見抜くことが出来なかった方は、完全に騙されているはず。
しかし、2度目を観た時に1度目で謎に思ったことが全て繋がってスッキリすると思います。
また、人間の視覚は簡単に騙されるということを示した、よく見るとおかしなシーンが紛れ込んでいるようです!
そのような点にも注目して、映画を何度も楽しんでみてはいかがでしょうか。
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