映画【天気の子】(英題:Weathering With You)は、前作の【君の名は。】(2016)から3年ぶりとなる、新海誠監督の7作目の劇場アニメーション作品です。本作は前作を上回る140の国と地域で公開され、140億円を超える興行収入を記録しました。キャッチコピーは「これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語」を、ぜひ。
【天気の子】あらすじ
2021年の6月、東京は異常気象により長い間、雨の日が続いていました。
高校1年生の主人公・森嶋帆高(醍醐虎汰朗)は、家出してきた東京でアルバイトに就くこともできず、フェリーで出会った須賀圭介(小栗旬)の事務所を訪れます。
圭介は、須賀夏美(本田翼)と共にオカルト雑誌の記事を書く事務所を経営し、帆高はその事務所でアシスタントして働くことになりました。
ある事件をきっかけに帆高は天野陽菜(森七菜)と出会い、彼女が祈れば一時的に空を晴れにすることができる「100%の晴れ女」であることを知ります。
そして2人は、陽菜の能力を使って晴れ間を提供する「晴れ女」サービスを始めます。
キャスト情報
森嶋 帆高(もりしま ほだか)/醍醐虎汰朗
本作の主人公で、離島から東京に家出してきた15歳の少年です。
東京に来て所持金が少なくなってきた頃、フェリーで出会った須賀圭介を訪ね、住み込み・食事付きの条件に惹かれて須賀の事務所で働き始めます。
森嶋 帆高の声を演じたのは、【宇宙でいちばんやさしい時間】(2020)、【兄に愛されすぎて困ってます】(2017)などの作品に出演する俳優の醍醐虎汰朗で、本作で声優初挑戦となります。
本作は、2000人以上の中からオーディションで主役の座を射止めました。
天野 陽菜(あまの ひな)/森七菜
本作のヒロインで、「祈るだけで晴れにできる力」を持つ14歳の少女です。
歌舞伎町のマクドナルドで、18歳と年齢を偽りアルバイトをしているところ帆高と出会います。
天野陽菜の声を務めたのは、【心が叫びたがってるんだ。】(2017)、【ライアー×ライアー】(2021)、【人狼ゲーム】(2013)などの作品に出演する女優の森七菜で、こちらも本作で声優初挑戦となりました。
森七菜は本作で知名度を上げ、ドラマや映画で主演を務めるなど活躍の場を広げています。
【天気の子】見どころと解説
圧巻の新海ワールド!
まず新海誠作品の特徴である「圧倒的な映像美」「すれ違う男女の切ないストーリー」。
本作は「天気」がテーマとなっており、激しい雨の様子や雨上がりの眩しい太陽、すっきりとした青空などさまざまな場面で美しい描写を感じることができます。
前作の【言の葉の庭】(2013)でも美しい雨の描写はありましたが、本作では晴れ間の描写も加わり、また一味違った世界観を楽しむことができます。
そして、晴れ女の能力を使いすぎて消えた陽菜と、陽菜を助けようとする帆高の激しいストーリー展開も見どころとなっています。
陽菜が消えた理由
陽菜は代々木にある廃ビルの屋上で「祈るだけで晴れにできる力」を手に入れましたが、その力を多く使うことで、徐々に体が透明になっていく代償を負うことになりました。
中国に、1人の少女を犠牲にすることで大雨が止む「掃晴娘」という古い言い伝えがあり、これが本作のモチーフになっていると言われています。
本作の中でも気象神社の巫女伝承を語るシーンがあり、これにより陽菜は自分が消える代償があることに気が付きます。
陽菜は晴れを祈ることで力を消耗し、最後に警察から帆高と逃げるシーンで雷や雪を降らせることで力を使い切り、消えてしまいました。
【天気の子】感想
「ねぇ、今から晴れるよ」
陽菜のこのセリフから、だんだんと明るくなっていく街並みに感動した方もいたでしょう。
本作は「天気」をテーマに、天気の変化によって明るい気持ちになったり、暗い気持ちになったり、心が左右されることの不思議や、その天気を操る少年と少女の心の成長を描いた作品となっています。
ちなみに、この印象的なシーンの舞台となる代々木の廃ビルは聖地として話題になりましたが、この建物はすでに解体されています。
そして本作の音楽は前作【君の名は。】に引き続き、RADWIMPSが担当しており、野田洋次郎の歌声や繊細なメロディーも本作の見どころとなっています。
ぜひ、ご覧下さい。
©2019「天気の子」製作委員会
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