Netflix『ザ・テキサス・レンジャーズ』伝説の強盗犯ボニーとクライドを殺した男たちの視点で描いた執念と黒歴史。

テキサスレンジャーズ
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Netflix映画【ザ・テキサス・レンジャーズ】ネタバレ。

かつてアメリカでテキサス・レンジャーズとして活躍していた2人が、冷酷な強盗犯ボニー&クライドの逮捕に駆り出される。

経験と直感を頼りに、悪党を追い詰める実話を描いた作品です。

ボニー&クライドが事件を起こした理由、そして彼らはなぜ長い間逃げ切ることが出来たのか……。

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Netflix【ザ・テキサス・レンジャーズ】ネタバレと解説

1930年代。

アメリカ中西部で、ボニー&クライドという冷酷な強盗犯が暴れまわっていました。

いくら追っても捕まえることが出来ず、もはや野放し状態。

しかし、彼らが逃げ果せているのには、ある理由がありました。

警察は、そんな状況を打破するために、かつて活躍した元テキサスレンジャーズのフランク(ケビン・コスナー)とメイニー(ウディ・ハレルソン)に、2人の確保を依頼することにしたのです。

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【ザ・テキサス・レンジャーズ/The Highwaymen】ネタバレ

序章

ここから、結末に関する重要なネタバレを含んでいますので未視聴の方はご注意ください。

テキサスレンジャーズとは、高度なエリート法執行機関で1823年に創設されました。

1934年、テキサス州イーストハム刑務作業場では、外で受刑者たちが作業を行っていました。

数名の保安官が馬に跨り、ライフル片手に彼らの行動をチェックしています。

たき木を拾って燃やしていたこともあってか、煙が立ち込めて視界はぼやけていました。

ひとりの受刑者が別の受刑者に合図を送ると、その男が保安官に話しかけます。

「レッズは?」

どうやら野球に関することを聞いている様子。

「最悪だ、ヤンキースはルースと再契約した。3万5000ドルでな」

保安官は意外にもフレンドリーに答えていました。

すると、別の受刑者が切り株の中に隠しておいた拳銃2丁を腹に隠し、合図とともに別の受刑者に1丁渡します。

さらに、外では車に乗っている男と、外で自動小銃を構えている女が何かを待っていました。

拳銃を持った2人の受刑者が、隙を見て保安官に銃口を向けます。

そして、車のクラクションと自動小銃の発射音を合図に、2人の受刑者は保安官を撃ち殺し、受刑者たちは一斉に逃げ出したのです。

他の保安官は受刑者を追い、外では女が自動小銃を乱射。

すると、3人の受刑者と女を乗せた車はそのまま走り去ってしまったのです。

他にも脱走した受刑者を含め、合計5人もの脱獄を補助した男女こそが、世を騒がしているボニーとクライドという冷酷な犯罪者でした。

彼らはすでに2年半も逃げ延びており、今回の事件でさらに注目され警察側の面目は丸つぶれとなったのです。

フランクとメイニー

この問題は大きく取り上げられ、メディアはファガーソン知事(キャシー・ベイツ)の元を押しかけていました。

知事は、議会を収集してボニーとクライド逮捕への対応策を話し合います。

今回、脱獄事件が起こった刑務所は、かつてクライドが服役していた場所で、服役中に周到な準備をしていたようでした。

FBIが乗り出しているのはもちろんのこと、刑事や交通警察も専属捜査官を導入しているものの、一向にボニーとクライドを見つけることが出来ずにいたのです。

そこで、事件のあったイーストハム刑務所の所長が、「かつて追跡は殺しも辞さぬ荒くれ者の仕事だった」と前置きした上で、その時すでに雇用がなくなっていたテキサスレンジャーズに頼んだらどうかと提案。

知事は初め「カウボーイに任せるのか?」と反対しましたが、所長が「フランク・ハマー、彼が秘策」だと説明し、適任だと判断したのです。

その結果、殺人鬼がスター扱いされている現状を打破するには、テキサスレンジャーズを復活させるしかないという結論に至ります。

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登場人物の解説

フランク・ヘイマー

フランク・ヘイマーは、テキサスでは有名な法執行官で、善悪の区別を重んじ強い信念を持つ人物。

簡単に人を信用せず、彼が仕事上で信じていた人物は唯一、相棒のメイニーだけでした。

勘の鋭さや適格な判断、追跡の才能はピカイチ。

この点に関して指摘された際、知事もうーん……と納得せざるを得なかったようです。

メイニー・ゴルト

メイニーは元々、潜入捜査に使われていましたが、その後テキサスレンジャーズに加わりました。

フランクとはまた違う才能を発揮して、ボニーとクライドを追跡します。

ボニー&クライド

ボニーとクライドは、1930年代前半にアメリカを騒がせていた強盗犯です。

当時、ボニーは別の男性と結婚していましたが、強盗容疑で逮捕された夫の服役中にクライドと出会い、離婚しないまま最期までクライドと行動を共にしました。

家が貧しく親戚の家に預けられていたクライドは、子供の頃から粗暴なことで有名でした。

学校を嫌って行かなくなり、その後ギャングに入ります。

1926年には自動車窃盗で逮捕されましたが、家族はクライドを責めるどころか擁護していました。

これによりクライドは、その後4年間、強盗を重ね続けていたのです。

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Netflix【ザ・テキサス・レンジャーズ】の見どころ

追跡者の視点で描く

【ザ・テキサス・レンジャーズ】は、1930年代アメリカの黒歴史となる実話を基に描いた作品です。

【俺達に明日はない】は、ボニー&クライド目線で描かれていますが、本作はそれとは逆の立場となる追跡者の視点でストーリーが進みます。

ボニー&クライドの逮捕を信念で追うフランクと、彼とはまた違う視点で観るメイリーとの、一見空回りしているかのようで息のピッタリあった追跡が最大の見どころでしょう。

最終的に、ボニーとクライドがどこに行くのかを予測したフランクの粘り勝ちとも言うべきもので、結果は逮捕というものではなくフランクが仕掛けた罠による無残な最期でした。

フランクは、クライド情報を手に入れ、保安官たちを待ち伏せします。

彼らの車が止まった瞬間、80発(諸説あり)がもの銃弾が撃ち込まれ2人は射殺されました。

実際に、彼らが射殺されたときの写真が残っていますが、夥しい銃弾の数に度肝を抜かれます。

ボニーとクライドは人々から崇拝されていた

2人が、重罪を犯しても捕まらず2年以上も逃げ延びていたことや、ボニーのファッションに憧れる女性たちも多かったことなどから、彼らが逃げるのに手を貸していた国民はたくさんいたようでした。

彼がなぜ警察の手を逃れ、逃げ切れていたのか。

なぜ彼らは英雄視されていたのか。

それは、ボニーとクライドは大金持ちからは奪っても、貧乏人からは決して奪わないというのが理由だったのです。

2人の両親はもとより、親戚や友人まで彼らを支持しており、2人の逃亡に手を貸していた23人が共犯者として逮捕されました。

また2人は、強盗や殺人を犯すとすぐに別の州に向かってしまうのも逃げ切れていた要因。

当時、警察が犯罪者を追跡できるのは州内に限られており、州をまたいだ時点で手出しが出来なくなってしまうのです。

クライドは、運転には相当な自信を持っていたようで、1日に長い距離を運転していたとのこと。

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【ザ・テキサス・レンジャーズ】を観た感想

本作は追跡者の視点で描かれているので、ボニーとクライドの犯罪シーンというのはあまり出てきませんが、少しだけでも彼らの冷酷さが伝わってきました。

富裕層だけではなく、警官でさえも躊躇なく自動小銃をぶっ放し、死んだ後に近距離で顔面にもう1発打ち込むという非道さには、驚きを隠せません。

映画では、もっぱらボニーが自動小銃を乱射するといったシーンが多いのですが、強盗を犯す時にはクライドが強盗に入り、ボニーは車で待機。

その後は、あらかじめチェックしていた逃走経路で逃げていたようです。

本作はNetflixで配信されています。なお、ボニー&クライド側の視点で観たい方は、【俺たちに明日はない】をご覧ください。

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