【フィアー・ストリートPart1:1994】は、R・L・スタイン著書の同名小説を原作としたホラー映画。ある日、突然最愛の人が魔女の呪いのせいで殺人鬼たちに付け狙われるようになってしまいます。何とか彼女を助けたいものの、それには彼女を殺すしかなくて……⁉︎
【フィアー・ストリートPart1:1994】あらすじ
物語の舞台は、オハイオ州のシェイディサイドとサニーヴェイルという隣り合う街。
暗い話題の多いシェイディサイド(”shady”は日陰の意味)に対し、サニーヴェイル(”sunny”は晴れの意味)は何かと明るい話題の多い地域であり、常に対立関係にありました。
シェイディサイドは殺人鬼の街と呼ばれるほど殺人事件の多い街で、反対にサニーヴェイルは30年間暴力事件とは無縁の治安のいい街。
1994年、シェイディサイドに暮らす女子高生のディーナ(キアナ・マデイラ)は、恋人のサム(オリヴィア・ウェルチ)と別れたことで傷心中でした。
別れた理由はサムがサニーヴェイルに引っ越すためで、ディーナは自分だけ置き去りにされたと憤りを感じていたのです。
そんなある日、ディーナの通うシェイディサイド高校の生徒を含む11人が殺害される連続殺人事件が発生。
メディアはこの事件を大きく取り上げ、またしてもシェイディサイドで殺人事件が始まったと報じます。
そして、それはシェイディサイドで古くから伝わる”魔女の呪い”によるものだと囁かれていました。
ディーナは亡くなった生徒の追悼式でサムと再会しますが、サムに新しい彼氏がいることを知り怒りを露わにします。
ディーナとサムの再会は最悪だったものの、サムが魔女の呪いを受けている可能性があると知ったディーナは彼女を助ける決意。
しかし、既にサムは複数の殺人鬼に付け狙われており、今にも殺されそうな状況だったのです。
そこでディーナが提案したのは、サムを殺すというあまりにも衝撃なものでした。
【フィアー・ストリートPart1:1994】解説
原作は今も続く超大作
本作の原作はR・L・スタイン著書の同名小説であり、累計8000万冊以上を売り上げている大人気作品。
1989年から新作が発売され続け、2021年8月現在スピンオフを含め60作品ほどある超大作シリーズです。
ちなみに、冒頭のヘザー(マヤ・ホーク)が働く本屋でのシーンではR・L・スタイン著書の”間違い電話”がディスられていたり、原作小説が床に落ちているなどのギミックが施されています。
名作との共通点
【フィアー・ストリートPart1:1994】(2021)は名作との共通点が多く、中でも【ストレンジャー・シングス 未知の世界】(2016)との共通点が多く見られます。
- キャスト
冒頭で起きた連続殺人事件の被害者の1人となったヘザー役を演じたのは、【ストレンジャー・シングス 未知の世界】(2016)でロビン役を演じたマヤ・ホーク。
【ストレンジャー・シングス 未知の世界】(2016)でもモール店員だったマヤ・ホークは、本作でもモール店員役を演じています。
- 暗い秘密を持った街が舞台
どちらの作品もスティーブン・キングの【It】(1991)のように一見すると普通の街ではあるものの、実は暗い秘密が隠されているという共通点があるのです。
また、これらは【スタンド・バイ・ミー】(1986)や【グーニーズ】(1985)など、80年代に普及した”子供中心のホラーアドベンチャー映画”のスタイルでもあります。
登場する殺人鬼は名作のオマージュ
本作に登場する殺人鬼は名作からのオマージュが多く見られます。
骸骨マスクの殺人鬼は、【スクリーム】(1997)のゴーストフェイスのオマージュであり、姿のみならず襲撃方法などゴーストフェイスそのもの。
麻袋を被り斧を持った殺人鬼は、【13日の金曜日】(1980)に登場するジェイソンのオマージュです。
ホッケーマスクのイメージが強いジェイソンですが、実はホッケーマスクの前は麻袋を被っており、武器には斧も使用しています。
【フィアー・ストリートPart1:1994】プチ情報
- ジョシュの口癖はゲームのコマンド
ディーナの弟ジョシュ(ベンジャミン・フローレンス・Jr)の口癖「上上下下左右左右BAスタート」とは、コナミコマンドと呼ばれるもの。
コナミコマンドはコナミのゲームに登場する隠しコマンドであり、裏技の1種です。
コナミコマンドを入力するとゲームによって内容は変わるものの、主にキャラクターが強化された状態になります。
ジョシュがこの口癖を言っている時はここ1番の勇気が必要な場面であり、自信を強化するためにコナミコマンドを口にしています。
- ラストシーンのカセットの曲の意味
ラストシーンでカセットテープから流れていた曲は、Pixiesの”Hey”です。
この曲のサビは、”We’re Chained(私たちは繋がっている)”の繰り返しとなっています。
恋愛のことを歌った曲ではありますが、作中ではサムと魔女はまだ繋がっていてまだ呪いが解けていないことを示唆しています。
- 続編はあるのか
現時点で本シリーズの続編については発表はされていませんが、リー・ジャニアク監督は続編の製作に意欲的な発言をしています。
また、本作にはホラー版マーベルになるポテンシャルがあるとも言及しており、次は50年代スラッシャー映画を作りたいとのこと。
原作小説もまだ続いていることから今回描ききれなかったストーリーも多く、今後続編が製作される可能性は十分にあるでしょう。
本シリーズは全3部作で、Part1の【フィアー・ストリート:1994】、Part2の【フィアー・ストリート:1978】、Part3の【フィアー・ストリート:1666】へと続きます。
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