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【キャスパー】少女が出会ったのは寂しがり屋なゴースト!優しさに溢れたキュートなハートフルコメディ

キャスパー

映画【キャスパー】あらすじと見どころ、評価。スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、【レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語】(2004)や【素敵な人生のはじめ方】(2006)のブラッド・シルバーリング監督が、初長編映画監督デビューを果たした、ゴーストが主役のハートフルコメディ!今でこそキュートなキャラクターとして人気のキャスパーの実写映画を成功させるため、アカデミー賞受賞スタッフが多く集結した。

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【キャスパー】あらすじ

お金に目が無いキャリガン(キャシー・モリアーティ)という女性が、死んだ父親が所有していた古ぼけた屋敷を相続したところから、物語は始まる。

屋敷に宝が隠されていることを知ったキャリガンは、腰巾着のディッブス(エリック・アイドル)を連れて乗り込むが、その屋敷には4人のゴーストたちが住み着いていた!

キャリガンは、あの手この手でゴーストを追い出そうとするもののすべて失敗。

そこで、心霊学者のジェームズ・ハーヴェイ(ビル・プルマン)に除霊を依頼することにした。

妻を亡くしたジェームズは、愛娘のキャット(クリスティーナ・リッチ)と2人で屋敷に引っ越す。

しかし、2人を疎ましく思ったゴーストのストレッチ(声:ジョー・ニポート)、ファッツォ(声:ブラッド・ギャレット)、スティンキー(声:ジョー・アラスキー)は執拗に嫌がらせを行い、ジェームズはそんな彼らと意思疎通を図ろうと奮闘する。

一方、ストレッチらの甥で寂しがり屋のゴースト・キャスパー(声:マラチ・ピアソン/出演:デヴォン・サワ)は、久しぶりの訪問者にワクワクを隠し切れず、キャットと友達になろうと近づく。

最初はゴーストであるキャスパーに驚いたものの、徐々に彼と仲を深めていくキャット。

すっかり友達になった2人は、ある日 屋根裏で子ども部屋を見つける。

生前の記憶を失っていたキャスパーだったが、その部屋を見つけたことで、自分の父親が息子の為に死者を蘇生させる装置を開発していたことを思い出す。

キャスパーを生き返らせようと装置を探すキャットたちと、宝を探して屋敷に侵入したキャリガン、そして何も知らないジェームズと3人のゴーストたちが集まった時、事態は思わぬ方向に転がっていき……。

果たしてキャスパーは生き返ることが出来るのか?

屋敷に隠された宝とは?

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【キャスパー】見どころ(一部ネタバレあり)

豪華カメオ出演も!意外な有名キャスト出演

現在も様々なグッズや洋服にプリントされたり、有名ブランドとのコラボが続く、大人気キャラクターのキャスパー。

元はTVアニメだったキャスパーを映画化した本作では、今観るとあんな人が⁉という意外性たっぷりのキャストが出演している。

まず、キャスパーと友情を育む少女キャットを演じるクリスティーナ・リッチ

クリスティーナと言えば、愉快で不気味な一家を描いた【アダムス・ファミリー】(1991)でおさげ髪がチャームポイントのウェンズデーを演じ、一躍人気子役として有名となった。

本作は【アダムス・ファミリー】シリーズ後の出演で、子役から成長した当時15歳の彼女が、思春期真っ盛りのティーンエイジャーをキュートに演じている。

母親を亡くした悲しみと、引っ越しばかりの生活でなかなか友達がつくれない辛さを大きな瞳に宿しながらも、キャスパーと少しずつ心を通わせて笑顔になっていく様を伸び伸びと表現しているのだ。

また注目すべきは、クリスティーナ演じるキャットの90’sファッション

ヴィンテージライクな色落ちデニムに、上はニットやカーディガンを合わせて、トレードマークなネックレスをプラス。センターで分けられたロブヘアもとてもキュート。

【キャスパー】が、その後の彼女の出演映画であり演技力に層を増やした【バッファロー’66】(1998)、ジョニー・デップと共演したホラー作品【スリーピー・ホロウ】(1999)、ファンタジックな恋を描いた【ペネロピ】(2008)など、数多くの名作の前段階と考えると、感慨深いものがあるだろう。

Christina Ricci(クリスティーナ・リッチ)
1980年 アメリカ カリフォルニア州 サンタモニカ 生まれ。
8歳でTVCMに出演、9歳の時に【恋する人魚たち】(1990)で映画デビュー。
メジャー映画からインディーズ映画までジャンルも幅広く出演し、製作会社Blaspheme Filmsを設立した後はプロデューサーとしても活躍している。
2人目の意外なキャストは、心霊学者のジェームズを演じるビル・プルマン

ビルの顔を見て気付いた人も多いかもしれないが、彼の出演作品で有名と言えば、傑作SF映画である【インデペンデンス・デイ】(1996)だろう。

映画内でビルは、「今日が我々人類の独立記念日だ!」という有名スピーチでおなじみのトーマス・J・ホイットモア大統領を演じている。

【インデペンデンス・デイ】の前年に公開されたのが本作【キャスパー】、凛々しく強いアメリカ合衆国大統領という役とは正反対の気弱で優しい父親を、見た目から所作から喋り方から表現している。

特に、最愛の妻を亡くしたことによる悲しみを随所で情感豊かに演じており、彼の演技における奥深さを垣間見ることが出来る。

また、【キャスパー】と同年に公開された、孤独な女性の恋と家族愛を描いた【あなたが寝てる間に…】(1995)のビルも魅力いっぱいなので、ぜひチェックしてみて。

Bill Pullman(ビル・プルマン)
1953年 アメリカニューヨーク州 生まれ。
大学で演劇を教えていたが、28歳の時に俳優を志してニューヨークに移住。
数々の劇団の舞台で演技力を磨き、【殺したい女】(1986)で映画デビュー。
そして、思わぬ豪華俳優たちがカメオ出演

作中でビル・プルマン演じるジェームズが鏡を覗き込むシーンで、いたずら好きのゴーストたちが鏡に映るジェームズの顔を変えてしまうが、変身後の顔はまさかのあの人……。

まず最初に変わったのは、俳優であり名監督でもあるクリント・イーストウッド

さらには、彼の出演作である【ダーティハリー】(1971)にちなんだ、「殺してやる! おれはダーティハリーだ」という台詞まで。

次に変身したのは、コメディアンであり俳優のロドニー・デンジャーフィールド、そして3度目の変身では俳優、監督、脚本、プロデューサー業もこなすメル・ギブソン

豪華なカメオ出演は他シーンやエンドクレジットでも見つけることが出来るので、ぜひ探してみて欲しい。

どこまでも粋な演出に、映画ファンは盛り上がること間違いなしだ。

最高峰のスタッフ陣が集結

本作では、主にキャスパーらゴーストを表現する際にCGを使用しているが、映画が製作されたのは90年代。

まだまだCGの完成度が十分とは言えない中、その当時の最先端技術を用いて映画を完成させた。

CGを担当したのは、【スター・ウォーズ】シリーズや【インディー・ジョーンズ】シリーズで知られるジョージ・ルーカスが設立したI.L.M(インダストリアル・ライト&マジック)

なんと【キャスパー】では、全編にわたって恐竜が登場したSF映画【ジュラシック・パーク】(1993)の約6倍の量のCGが使用されている

自由に伸び伸びと動くゴーストを、技術力と表現力を最大限に活用して作り上げ、命を吹き込んだのだ。

また、監督を務めたのは、本作が劇場映画デビューで、のちに【レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語】(2004)や【素敵な人生のはじめ方】(2006)の監督を務めるブラッド・シルバーリング

劇場長編映画を始めて監督するにあたり豪華なスタッフに恵まれたシルバーリング監督、製作総指揮のスティーブン・スピルバーグを始め、編集はアカデミー賞受賞歴もありスピルバーグ映画の常連でもあったマイケル・カーン、撮影はディーン・カンディ、音楽はジェームズ・キャメロンの映画でお馴染みのジェームズ・ホーナー

映画界の大御所から信頼を集め、各分野でアカデミー賞を受賞している精鋭たちが集結し、シルバーリング監督指揮のもと、愛らしいキャスパーの物語が世に生み出されたのだ。

❝切ない❞中に芽生える友情と絆

ゴーストと人間という大きな立場の違いがある中、寂しがり屋同士だったキャスパーとキャットは徐々に仲を深め、かけがえのない友人になっていく。

お互いを心から思い合っているからこそ、キャスパーを生き返せるために思うままに行動するキャット。

紆余曲折ありながらも、映画の終盤、キャスパーは生きていた時の姿でキャットの前に現れる。

生前の姿を知らないキャットだが、彼と目が合った瞬間、自然と目の前の少年がキャスパーだと分かり、ハロウィンパーティーの最中、2人は手を取り合ってダンスをする。

死んだ者が生き返るというのは許されないことであり、不可能なこと。

子ども心ながらにそれを理解したキャスパーとキャットは、その時間を❝永遠❞として刻み込むかのように目つめ合い、踊り続ける

可愛らしく楽しい映画ではあるけれど、生者と死者という壁が存在する限り伴う儚さ切なさが、キャスパーとキャットの関係性をより印象深くさせる。

友情であり、愛情であり、そして強い絆のある2人の関係性。

子どもの頃の友人から得た感情というのは、一生心の中で生き続け、その後の人生の糧となることがある。

そんな感情を思い起こさせる2人のダンスシーンは、大人になって観てもジーンと来てしまう名場面だ。

また、ダンスシーンで登場する人間のキャスパーを演じたデヴォン・サワ

センターで分けられたサラサラのブロンド髪が美少年を約束し、色白な肌と薄いブルーな瞳が儚さを演出し、控えめのキュートな笑顔がゴーストの時のキャスパーを思い出させる。

軽率に恋させてしまうほどの美しさと魅力に溢れていて、ナイスキャスティングとしか言いようがない!

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【キャスパー】感想

ハロウィーンの時期にぜひ観て欲しい【キャスパー】。

今までキャラクターとしてでしか知らなかったキャスパーの生き生きとした(ゴーストだけど)動き、キュートな性格、コロコロと変わる表情や姿かたちなど、よりキャスパーを好きになれる要素がいっぱい詰まっている。

豪華なキャストやスタッフ陣、そしてカメオ出演に、大人がニヤリと出来る洒落た映画でもあるけれど、やはりベースは子どもに向けて作られた楽しい映画。

幼少期に見れば、大人よりも更に楽しめること間違いなしの純粋なストーリーと笑える演出の数々に、心から魅了されるだろう。

特に、本作の舞台であり、キャスパーたちが住み着いているホイップスタッフ屋敷の造形や隠されたカラクリ装置には、ワクワクが止まらない。

意地悪3人組をはじめとするゴーストたちのイタズラもユーモアに溢れていて、化かされてあたふたする大人達やいじめっ子を見て爆笑してしまう、なんてことも!

また、ゴーストが主人公かつ、ストーリー上でも生死に対する表現や演出が多いので、子ども心ながらに生きることの素晴らしさ、命の儚さ、死んだ者と生きている者の絆など、小さくも大きなテーマを自然と学ぶことも出来る。

これらの生死に関するメッセージによって更に魅力がアップする、キャスパーとキャットのロマンチックかつ切ない関係性にも、ぜひ注目してほしいところ。

ゴーストが主な登場人物だけれど、全員が明るく楽しいキャラクターたちなので、ホラーが苦手なお子さんにもオススメの一作。

様々なことを吸収出来る時期に見れば、いつまでも心に残る宝石のような映画になるはずだ。

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