【レディ・バード】(2018)、【ブックスマート 卒業前夜のパーティデビュー】(2020)で名前が知れ渡ったビーニー・フェルドスタイン主演のパワー溢れるヒューマンドラマ作品の登場です!UKロックが好きな方、90年代前半のロックジャーナリズムが気になる方にはぜひ見ていただきたい実話を基にした一作。
【ビルドアガール】あらすじ
イギリス郊外に住むジョアンナ(ビーニー・フェルドスタイン)は類稀なる文才の持ち主だけれどそれが活かせず、自己表現を持て余して悶々とする毎日を送っていました。
せっかくTVで選ばれた詩も、TVスタジオで緊張してしまい失敗。
死んでしまいたいと思っていたところに兄のクリッシー(ローリー・キナストン)から「D&ME」という大手音楽雑誌のライターの募集について教えてもらったジョアンナは、毎日の繰り返しではない「明日」がほしい!と応募してみることに。
どうにか仕事を手に入れることに成功した彼女は、大切な髪の毛を赤く染め、セクシーかつクラシックな衣装に身を包み、新しい自分ことドリー・ワイルドに変身です。
そして、いざAAAパスでライブハウスに乗り込みます。
何だってやり直せる!
自分を変えたい!そんな気持ちの方におすすめの一作
ジョアンナは、なんてことのない毎日にうんざりしている高校生ですが、そんな毎日を抜け出したい!と行動できる素敵な女の子です。
クラスメイトにデブだと言われても彼女は凹むことはありませんし、素敵な男性と甘い一夜を過ごしたい、もっとモテたいと自分の欲求にもとてもストレート!
これは、自己肯定感の低い人が多いと言われる日本人はぜひ見習いたいところです。
映画のキャッチコピー同様「わたしはわたし!」を、存分に感じられる作品ではないかと思います。
失敗してもへこたれない、どんどん自分の足で成功を掴んでいく彼女に勇気やパワーを貰える方は多いはずです。
見守る家族に注目
ジョアンナが文才と想像力を持っていたとしても、まだ彼女は16歳。
ライターとなって駆け巡るようになってクビになって、それでもビッチになって返り咲いて、そんな彼女の行動を徐々に心配になりながらも見守っていたモリガン家にも注目しておきたいところ。
父パット(パディ・コンシダイン)は、自分もバンドをやっていたことからジョアンナの良き理解者でしたし、クリッシーもまたジョアンナにアドバイスしたり話を聞いてあげたりと、妹思いなやさしいお兄ちゃんです。
母・アンジー(サラ・ソルマーニ)もまた、電話を待って床で寝転がっている娘に対してクッションを投げつけてくるなど……。
モリガン家は、すこし風変わりな一家かも?
でもそれだからこそ、ジョアンナは誰にも邪魔されることなく最大限に自己表現をすることができたのだと思います。
家族みんなが尊重して愛しているからこそ、後半シーンで言い合いになって嫌な空気になったあとも、ラストでは無事仲の良い家族に戻ることができたのではないでしょうか。
ジョン・カイトに惚れろ!
さて、そんなジョアンナが惚れてしまうのはアルフィー・アレン演じるジョン・カイト(アルフィー・アレン)というロックスター。
インタビューも海外も初だという彼女に、「それじゃあインタビューよりもこの街を見たほうがいい」と連れ出し、ライブあともホテルであれこれおしゃべりをしているシーンがありました。
彼女は当初の欲求通り男性との関係をあれこれ持つことになるわけですが、「E&ME」の編集部の男性たちといい、ジョアンナがまだ若い女性である、と理解して行動できているのはジョン・カイトだけ。
本作を見ていると、後半にホテルで喋っていたときにもナッツを渡して笑い合っていたのがふと思い出されるかと思います。
その後、ジョンはジョアンナの告白を断ったために酷い仕打ちを受けてしまうのですが、ラストシーンでもジョアンナの謝罪に応え、一緒に散歩をしながらしている会話からもジョンの紳士らしさや心の広さが伺えて惚れ惚れしてしまいます。
【ビルドアガール】まとめ・感想
「物語ではいつだって男性がきっかけを持ってきてくれる」と冒頭でジョアンナは言っていますが、「何かが起こるのを待っていても変わらない!」と自ら掴みにがむしゃらに動く彼女の姿や、ラストにて第4の壁を越えて視聴者に語りけてくる彼女から「またやり直せばいい」と言われると、何も行動していない自分はまずい!と元気をもらう、背中を押してもらえる方は多くいらっしゃると思います。
失敗してもその反省をして次に活かそうと、再び出版社のビルを訪れる彼女のチャレンジ精神は見習っていきたいところです。
なかなか彼女のように挑戦してみることは難しいかもしれませんが、本作をきっかけに何か新しいことを試してみるのもいいかもしれません!
また、ジョアンナ曰く、ジョン・カイトに恋してしまった方はぜひ【ゲーム・オブ・スローンズ】シリーズをチェック!
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