ディズニープリンセス映画の実写版【美女と野獣】はハリーポッターシリーズでお馴染みのエマ・ワトソンが主演と務め、イアン・マッケランやエマ・トンプソン、ルーク・エヴァンスなど豪華なキャストが集結したミュージカル映画です。名曲の数々と新曲も加わった本作品は2017年の年間興行収入トップに輝きました。
あらすじ
森の中にあるお城に住む美しい王子(ダン・スティーヴンス)は、美しいものにしか興味がなく身勝手で傲慢でした。
ある嵐の夜、醜い老婆が一晩泊めて欲しいと頼みますが、王子は老婆を笑い者にして断ります。
すると老婆は突然美しい魔女に姿を変えました。
魔女は、見た目に惑わされた王子を野獣の姿に、召使いたちを家具へと変えてしまいます。
魔法を解くには、魔女が置いていった一本のバラの花びらが全て落ちる前に”本当の愛“を知ること。
そして、魔女の魔法で城や王子の存在も忘れ去られてしまいました。
月日が経ち、城の近くにある村では戦争が終わったガストン(ルーク・エヴァンス)とル・フウ(ジョシュ・ギャッド)が帰ってきました。
人気者のガストンは村一番の美女、ベル(エマ・ワトソン)に求婚しますが、彼女は教養がなく自分勝手なガストンには目もくれません。
ベルは、小さな村で平穏な毎日を送るより、もっと外の世界に出たいと願っていたのです。
ある日、父が森の中で道に迷ってしまい父と一緒にだったはずの馬だけが帰ってきました。
ベルは、すぐに父の行方を探しに森の中に入り、不気味な城へと辿り着きます。
そこは、魔法使いに野獣の姿に変えられた王子がいる城で、父はそこに捕らえられていました。
ベルは自分が身代わりになるから父を解放して欲しいと頼み、野獣との生活が始まるのです。
キャスト紹介
ベル/エマ・ワトソン
読書好きで父親思い、冒険を夢見るヒロインで村では変わり者と噂されていました。
野獣と暮らすうちに惹かれていき、自分らしくいられる本当の居場所を見つけます。
ベル役を演じたのはイギリス出身の女優エマ・ワトソン。
10歳の時に【ハリー・ポッターと賢者の石】(2001)でハーマイオニー役に応募しスクリーンデビュー。
以降、ハリーポッターシリーズでハーマイオニー役を10年演じ人気を博しました。
主な出演作品は、【ハリー・ポッター】シリーズ、【ウォールフラワー】(2012)、【ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語】。
野獣/ダン・スティーヴンス
城に住むわがままな王子。
醜い老婆を貶したことから姿を野獣に変えられ、世間からも忘れ去られてしまいました。
ベルと出会い運命が動いていきます。
野獣役を演じたのは、イギリス出身の俳優ダン・スティーブンス。
ピーター・ホール演出の舞台「お気に召すまま」で俳優活動をスタート。
主な出演作品は【ザ・ゲスト】(2014)、【ナイト・ミュージアム/エジプト王の秘密】(2014)、【Merry Christmas!〜ロンドンに奇跡を起こした男】(2017)、【ルーシー・イン・ザ・スカイ】(2019)、【サイコハウス 血を誘う家】。
ガストン/ルーク・エヴァンス
村の人気者で野心家な人物。
ベルに求婚しますが良い返事がもらえず、ベルが想いを寄せている野獣に嫉妬して村人たちを巻き込んで城を攻めます。
ガストン役を演じたのは、イギリス出身の俳優ルーク・エヴァンス。
ミュージカル「レント」「ミス・サイゴン」などのロンドン公演でキャリアを積み、【タイタンの戦い】(2010)でハリウッド進出しました。
主な出演作品は、【インモータルズ-神々の戦い-】(2011)、【ホビット】シリーズ、【ワイルドスピード】シリーズ、【ミッドウェイ】(2019)。
【美女と野獣】フランス版との違い、悪役ガストンの魅力とは?
フランス版【美女と野獣】との比較
美女と野獣の物語は今ではディズニーの印象が強いですが、原作はフランスのバーモン夫人が描いた童話なのです。
2014年に公開されたフランス版【美女と野獣】は、その原作に近い形で作られています。
ディズニー版と大きく異なるポイントは、ミュージカルではなく淡々と進んでいくストーリーと、王子が野獣になってしまった理由、そしてディズニー版美女と野獣では欠かせないヴィラン・ガストンが出てこない、というところでしょう。
フランス版では王子には婚約者がおり、その婚約者が実は森の精で黄金の雌鹿でした。
人間の姿になり王子と愛を育んでいたのです。
王子はその事実を知らずに黄金の雌鹿を狩で仕留めてしまい、婚約者は死んでしまいました。
婚約者の父で森の神は激怒し、王子を野獣の姿に変えてしまうのです。
ディズニー版よりも王子が詳細に描かれているので王子とベル、どちらにも寄り添いながら観ることができます。
また、美しい映像美もフランス版の特徴といえるでしょう。
ディズニー版は家族、子ども向けなのに対し、フランス版は少し大人向けともいえます。
悪役・ガストンの魅力
ガストンは美女と野獣では欠かせないヴィランですが、この実写版ガストンはアニメーションよりも魅力的に描かれていました。
アニメーションではガサツで下品、いかにも悪い顔つきで悪役として不足はありません。
実写版ガストンは戦争が終わり虚無感に包まれ、生きていく意味が見出せず心にぽっかり穴が空いてしまいました。
その中で村一番の美女、ベルを花嫁にすることで自分のステイタスを高く保ちたかったのでしょう。
ガストンを演じたルーク・エヴァンスは、甘いマスクで強くて憎めない自惚れ屋の男がとてもハマっていて一躍注目を集めました。
さらにルークは実写版【ピノキオ】(ディズニープラス配信予定)でも悪役を演じることが決定しています。
ガストンの心情は現代に生きる人々にも通ずるところがあり、少し共感できるように描かれているのかもしれません。
ディズニーが実写化したプリンセス作品の中でも特にお勧めしたい一本
ハリー・ポッターシリーズのハーマイオニーの印象が特に強いエマ・ワトソンですが、今回のベル役は繊細で強く、真のあるヒロインを演じていました。
ハーマイオニーの影はどこにもありません。
“ベル”として作品を生き、演じ切ったエマ・ワトソンの代表作がまたひとつ増えました。
ディズニーのプリンセス映画の実写化ラッシュが続いていますが、話題性や再現度、興行収入的にも【美女と野獣】は大成功だったと思います。
アニメーションでも人気のシーンや曲はそのまま再現し、新曲も交えた【美女と野獣】は新たなひとつの映画としてとても楽しめる一本になっています。
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