【羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)ぼくが選ぶ未来】ネタバレと声優紹介。中国の漫画家MTJJによる同名漫画が原作。中国国内で49億円の興行収入をあげ、2020年11月に日本語吹き替え版が公開された超人気作をご紹介。
【羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)】とは
中国の漫画家でありアニメ監督でもあるMTJJが2009年に連載を開始し、2011年から動画サイトで公開を始めたフラッシュアニメ作品が原作。
現在もbilibiliなど中国の各配信サイトで配信される人気作品で、その劇場版は中国国内で約49億円の興行収入をあげています。
日本国内では中国語音声・日本語字幕版が2019年9月20日に公開され、2020年11月7日に豪華声優陣による日本語吹替版が公開されました。
【羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)~ぼくが選ぶ未来~】あらすじ
たくさんの動物たちとともに、緑深い森で暮らしていた黒ネコの妖精シャオヘイは、人間による開発で森を追われ街へとやってきました。
そんなシャオヘイに手を差し伸べてくれたのは、植物を操ることができる妖精フーシー。
フーシーは霊道を通ってシャオヘイを自分たちの隠れ家である島へ連れていきました。
そこでフーシーの仲間で氷の妖精シューファイ、フレンドリーなロジュ、からだは大きいが無口なテンフーに迎えられたシャオヘイは、「ここに住まないか?」とフーシーに誘われます。
翌朝、シャオヘイが目をさますと、フーシーたちがムゲンという人間と戦っていました。
ムゲンは人間に危害を加える恐れのある妖精たちを捕らえる「最強の執行人」です。
フーシーたちは霊道をふさいでなんとか逃げのびますが、取り残されたシャオヘイはムゲンにつかまってしまいました。
金属を操ることができるムゲンは、いかだを作り、拘束したシャオヘイを乗せて大海原を進んでいきます。
シャオヘイは抵抗しますが、圧倒的なムゲンの力になすすべもありません。
ある日、ムゲンは自分の「霊域(生き物すべてが持つ生命と能力の源)」にシャオヘイを誘い入れます。
シャオヘイの霊属性が自分と同じ金属性であることに気づいたムゲンは、捕獲対象ではなかったのに捕まえてしまったお詫びとして、その能力を開花させるため訓練しようと促しますがシャオヘイはなかなか言うことを聞きません。
それでも、強くなってムゲンから逃げようと考えたシャオヘイは修行を始め、次第に力をつけていきます。
さらにシャオヘイは、自身の「霊域」の外側にさらに巨大な「領界」を作り出し、その中のものをすべて意のままに操ることができる空間系の能力の持ち主であることがわかりました。
その頃、フーシーはシャオヘイを探しつつ、街で暮らす妖精たちに近づいてはその能力を奪っていました。
シャオヘイが「領界」の力を使ったことでフーシーにはその居場所がわかり、シャオヘイ奪還のためフーシーたちは動き始めます。
ようやく陸地についたムゲンとシャオヘイは、ムゲンが所属する「館(やかた)」へ向け旅を続けました。
その途中、シャオヘイは「館」の執行人キュウ爺たちと出会い、「館」は妖精と人間が共存できる世界を目指す組織だということを知ります。
なぜフーシーたちを襲ったのか質問するシャオヘイに対しキュウ爺は、妖精にも人間にもいろいろなやつがいると答えました。
「館」のある龍游の街へやってきたシャオヘイとムゲンは、地下鉄でふたりの妖精に襲われ「空間転移」によってシャオヘイがさらわれてしまいます。
追うムゲンに対しひとりは人間を操り、もうひとりは土を操って抵抗しますがムゲンの敵ではありません。
しかし、地下で崩落が起きシャオヘイが化け猫に変身して乗客たちを守ると、人々はその姿にすっかり怯えてしまいました。
敵を撃退し、ムゲンとシャオヘイは人目につかないよう車両の屋根に移ります。
地上に出た地下鉄は暴走し、そこへやってきたフーシーたちがシャオヘイを連れていってしまいました。
地下鉄は脱線してしまいますが、「館」から館長をはじめ多くの執行人がやってきて後始末をしてくれました。
【羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)~ぼくが選ぶ未来~】ネタバレ
連れ去られたシャオヘイはフーシーら仲間たちとの再会を喜びますが、昔は森だったこの龍游の街を変えてしまった人間を憎んでいるフーシーは、シャオヘイに「領界」の力を使ってこの街を支配しようと持ちかけます。
ムゲンやキュウ爺から人間と共存することを学んだシャオヘイがそれを断ると、再度フーシーはこう言います。
「おまえの力が必要なんだ!」
フーシーは”強奪”の力を使って、シャオヘイの能力を奪います。
「領界」の力は生命そのもの。
それを奪われたシャオヘイは倒れ、黒かった髪は白髪に変わってしまいました。
フーシーはひとり、街の中心地へ向かうと「領界」の力を発動させます。
執行人たちは街の人々を守るため、「空間転移」で大勢を郊外へと移動させました。
次第に巨大化するフーシーの作り出した黒い球体。
ムゲンやナタといったすご腕の執行人でも「領界」に手を出すことはできません。
その時、シャオヘイは真っ白い空間にいました。
街を守るために戦っているムゲンの姿に気づいたシャオヘイは、フーシーの「領界」内への侵入に成功し、その能力を取り戻します。
叶わないと悟ったフーシーは自らの体を植物に変え、街のビルにからませるように巨木化させて果てました。
龍游の街には平和が戻りました。
館長や執行人たちと「館」へ向かうシャオヘイ。
これからたくさんの妖精仲間たちと天空の「館」で暮らすことになるシャオヘイですが、ムゲンは人間なのでいっしょにはいられません。
ひとり立ち去ろうとするムゲンにシャオヘイは「師匠!」と抱きつき、ふたりで生きていくことを選ぶのでした。
【羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)~ぼくが選ぶ未来~】みどころ
美しい背景と可愛いキャラクター
この映画を見始めてまず驚かされるのが、シャオヘイたちが住んでいる森の美しさです。
何十種類もの“緑”色で彩られた深い森。
その質感はまるで絵画をみているようです。
そこに登場する大きな目の愛らしい黒ネコ・シャオヘイとなぜかそのしっぽから現れる謎の生命体・ヘイシュウの可愛らしさもたまりません。
さらに、自然あふれる島の風景や空を彩る雲の描き方、それとは対照的な大都会や天空に浮かぶ「館」など、どこをとってもていねいで美しい場面の連続です。
スピード感あふれるバトルシーン
ダイナミックなアクションもこの映画の大きな魅力のひとつです。
執行人と妖精とのバトルシーンは今まで見たこともないくらい速く、縦横無尽に飛び回るその動きは圧巻の一言につきます。
細かく計算された人物の動きと、武器として使われる植物や氷、炎ののびやかさ。
そして疾走感のあるカメラワークに一瞬たりとも目が離せません。
豪華声優陣による演技(日本語吹き替え)
シャオヘイ/花澤香菜
シャオヘイ役を務めるのは「PSYCHO-PASSサイコパス」の常守朱や「鬼滅の刃」の甘露寺蜜璃などの声を担当したことで知られる花澤香菜。
今回はネコ、ネコ耳の少年、大きな化け猫と、異なる妖精役を見事に演じ分けています。
ムゲン/宮野真守
ムゲンを担当したのは、声優以外にも舞台やアーティスト活動、バラエティ番組などでも活躍する宮野真守。
無口でクールなキャラクターなのにコミカルなシーンもこなしてしまうのはさすがです。
フーシー/櫻井孝宏
フーシーの声を担当したのは「おそ松さん」の松野おそ松、「鬼滅の刃」の冨岡義勇 役などで人気の櫻井孝宏。
フーシーの優しさと、内に秘めた悲しさ・憎しみ・強さを感じさせる演技は説得力がありました。
【羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)~ぼくが選ぶ未来~】まとめ
2019年に字幕版が公開され、日本のアニメ関係者を驚かせた【羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)】。
どこの国にも通じる面白いストーリーと、作り手の圧倒的な熱量が感じられるこの映画をもっと多くの人に見てもらいたい!と、日本語吹替版が製作されることになったそうです。
数々のアニメや洋画の吹替作品で音響監督をつとめ“音響の魔術師”と呼ばれる岩浪美和が参加することで、深く、広がりのある音がこの映画をさらに迫力のあるものにしています。
映画館でみることを想定した音づくり、そして迫力あるスピーディなアクション。
まさに劇場で、大画面で体験してほしい映画です。
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