【DESTINY鎌倉ものがたり】どこか懐かしい独特の世界観と映像美に圧倒される!

©2017「DESTINY 鎌倉ものがたり」製作委員会

【DESTINY鎌倉ものがたり】のあらすじと見どころ。1984年2月から長年連載され続けている漫画、第38回日本漫画家協会賞大賞受賞作品を豪華なキャストで実写化しました。【ALWAYS三丁目の夕日】の山崎貴監督にてまたも懐かしい風景美と人の温かさの描かれた映画。神奈川県鎌倉市は幽霊・妖怪たちも数多く住まう稀有な土地、その不思議な街鎌倉に嫁入りした心優しい亜紀子とミステリー作家の一色正和の情緒あふれる生活と夫婦愛を描いたハートフルファンタジー作品です。

当サイトでご紹介しているものは2020年9月現在のものになります。状況により配信されていない場合がございますのでご了承ください。

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【DESTINY鎌倉ものがたり】のあらすじ、ネタバレ

幽霊・妖怪と生きた人間たちが普通に暮らす街 鎌倉に住まう、ミステリー作家の一色正和(堺雅人)の元にお嫁に来た亜紀子(高畑充希)は怖いものが大の苦手で、この土地での出来事に驚くばかりでした。

しかし、妖怪が開いている市場に行ったり、幽霊と話をしたり貧乏神(田中泯)に取りつかれたりと、不思議な日々を過ごす中でだんだん鎌倉での生活を楽しむように……。

そんなある日、亜紀子は神社の階段で赤い手に足をつかまれてから幽体状態になってしまい、自分の状態に違和感を感じるもはっきり分からないため、そのまま生活を続けていました。

そんな中、亜紀子と正和が行きつけの小料理屋に行くと、店のおかみ(薬師丸ひろ子
)が何かに憑りつかれたように衰弱している正和を見て退魔のお札を渡します。

正和が、貰ったお札を玄関に張るとお札の効力で玄関から弾かれ、亜紀子は家の中に入ることが出来なくなってしまったのです。

亜紀子が、自分が幽体であることを認識した瞬間でした。

驚く2人の元に死神(安藤サクラ)が亜紀子を迎えにやってきます。

訳が変わらないまま亜紀子との突然の別れに抵抗する正和でしたが、亜紀子が傍にいることで体調は悪くなるばかり。

自分が傍にいることで正和の命が削られていくのに耐えられなくなった亜紀子は、自ら黄泉の国に行くことを決め死神と共に去って行ったのです。

その後、亜紀子を送り届けた死神が傷心する正和の様子を見に訪れます。

あんなに寿命が残っているのに……」と死神の漏らした言葉に、どういうことかと怒り責め立てる正和に「体が見つからないからしょうがない」と、死神も怒鳴り返しました。

正和は、知り合いで狐の血を引く稲荷刑事(要潤)に亜紀子の体の捜索を依頼。

辿り着いた先は家族が幸せそうに暮らす一軒の家で、そこには亜紀子の姿はありましたが彼女自身ではありません。

実は、その家の母親は事故で亡くなっていましたが、幼い子を残した心残りから彷徨っていた魂が亜紀子の体に入り込んでいたのです。

子供との約束を果たした後、すぐに体を返すつもりだったと泣きながら謝る家族に、初めは怒鳴っていた正和も黙り込んでしまいます。

体は見つかりましたが魂が黄泉の国にあるため、迎えに行かなくてはなりません。

そこで正和は、家の納戸で見つけた未完の甲滝五四朗作”反魂綺譚”に記載されている「黄泉への行く方法」を用いて霊体化し、亜紀子の魂を取り戻すべく黄泉の国へと向かいました。

たまたま仕事中の死神に遭遇した正和は、亜紀子のことは死神界でもおかしいと調べられ、裏で糸を引いている存在があることを知らされます。

天頭鬼(人間の欲や自意識がいつしか凝り固まって出来たやっかいな存在)が亜紀子のことを気に入り、彼女の魂を囚えているというのです。

すぐに天頭鬼(声:古田新太、体:櫻井章喜)の元へむかう正和。

すると、天頭鬼から「これまでにも、平安時代から亜紀子の魂が黄泉の国に来るたびに嫁になるように迫っていたが、正和が亜紀子を救い現世へと生まれ変わるを繰り返していた」と聞かされたのです。

何度繰り返しても現世で必ず正和と出会って夫婦となり亜紀子を奪いにくると怒り狂う天頭鬼。

今回は生まれ変わる年を離し、なおかつ寿命の残っている状態で手下に亜紀子を先に黄泉の国に来させるよう仕向けていたのでした。

黄泉の国では想像力が武器となるため、作家の正和は想像力を駆使し天頭鬼に立ち向かいます。

それでも追いつめてくる天頭鬼に正和が飲まれそうになったその時、鎌倉で出会った貧乏神から貰った茶碗が助けに飛んできました。

貧乏とは言え神の道具、天頭鬼も手が出せず正和たちはその場から逃げ出すことに成功。

そして、黄泉の国から無事に現世へ舞い戻ることが出来たのです。

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【DESTINY鎌倉ものがたり】見どころ

真実の夫婦愛

幼かった正和は、大学教授だった父親・宏太郎(三浦友和)が時々調査旅行に出かける時、決まってどこかに通う母・絵美子(鶴田真由)を不思議に思い、その後を付けて行きました。

大人になった正和は、母が通っていた家が甲滝五四朗という作家の家であったことを知ります。

自分の本当の父親はその作家ではないかと疑っていた正和は、夫婦愛というものに対してあまりいい感情を持っていませんでした。

自宅の納戸から甲滝の未完成の原稿反魂綺譚が見つかり、さらにその思いは深くなっていきます。

亜紀子の魂を迎えに黄泉の国を訪れた正和は、甲滝に会いにいきます。

実は、甲滝は実の父親である宏太郎のペンネーム

作家になりたかった宏太郎は父親の反対で学者として働いていましたが、夢をあきらめきれず変装し別邸で甲滝として作品を生み出していたのです。

反魂綺譚が未完成だった理由は、死んだ正和の母・絵美子を助けるために黄泉の国へ来たものの、帰り方が分からずそのまま黄泉の国の住人になったためでした。

亜紀子を迎えにきた正和に「やっぱり親子だな」と呟く宏太郎。

真実を知り本当の夫婦愛を目の当たりにした正和からは、夫婦愛へのわだかまりが消えていました。

黄泉の国とは

丑の刻に現れる幻の駅。

現世駅から昭和55年に廃止された江ノ電のタンコロ(昔江ノ電を走っていた車両の愛称)に乗って黄泉の国へ向かいます。

その人の感じ方によって様々な姿に変わるのが黄泉の国で、生前よほど悪いことをしていない限りは悪い所ではありません。

悪いことをした人間も、実は生前の罪の意識が作り出した場所に行くだけでした。

次の人生に生まれ変わる前のちょっとした休憩の場所」と死神は正和に語ります。

黄泉の国では想像力で様々な物が構築され武器にもなります。

もちろん帰りの電車はなく片道切符です。

素晴らしい映像美と世界観!

最先端と伝統技術が混在し、ハンドクラフト精神を旗印に作品に挑むVFXプロダクション「白組」による映像、キャラクターはかなりの見どころ。

山崎監督の「黄泉の国は、異世界感がありながらどこか懐かしさが感じられる場所」というビジュアルコンセプトをもとに、中国各地の城などで撮影が進められました。

劇中登場するキャラクター天頭鬼(CO:古田新太)など、【寄生獣】で培ったキャラクターから更に進化されたCGキャラクターは実にリアルです。

妖怪たちの表情豊かな細部のこだわりなども注目。

「監督からの修正リクエストだけでなくアーティストたちの自主的なリテイクも多かったのでギリギリまで作業していた」と、VFXディレクター渋谷紀世子さんは語っています。

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【DESTINY鎌倉ものがたり】感想

とにかく映像美とキャラクター、世界観に圧倒される作品です。

少しの役でも大物俳優や女優が出演していたりと、キャストも豪華な顔ぶれでした。

原作漫画ファンとしても、ここまでの作品になるとは思いませんでしたので、いい意味で裏切られました。

死後も夫に寄り添い2人で黄泉の国へ渡る夫婦や、死後 妻や子供を思い魔物になってまで守ろうとする夫など様々な夫婦愛が描かれています。

ノスタルジックでほっこりと温かく、尚且つユーモアにあふれていて冒頭から最後の最後まで余すところなく見逃せない本当に面白い映画です。

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