映画【二つ星の料理人】ネタバレと感想。
料理人として天才的な腕を持ちながら、トラブルを起こしてパリのレストランから姿を消したアダム。
再起をかけて三ツ星獲得に挑むアダムが、新天地ロンドンで手に入れたものとは!?
映画のネタバレあらすじと感想をお伝えします。
【二ツ星の料理人】あらすじ
料理人として天才的な才能を持つアダム・ジョーンズ(ブラッドリー・クーパー)は、パリの二つ星レストランに勤めてました。
しかし酒と薬に溺れ、挙句の果てに店にネズミを放って営業中止にして行方不明に。
それから3年後、アダムはロンドンの街に現れ、友人が経営するレストランを世界一の店にしてやると強引にシェフとして働き始めます。
アダムは、ミシュランの三ツ星を獲得するという目標を立て、腕のいい料理人を集めました。
他のレストランで働いていたシングルマザーのエレーヌ(シエナ・ミラー)もアダムの目に留まり、無理矢理引き抜かれて働くことに。
最高のスタッフを集め、順調な滑り出しをみせるかと思われましたが、3年のブランクは料理の世界にとっては大きく、アダムの古い料理法は受け入れられずに彼はショックを受けます。
そんな中、薬と酒に溺れていた時の問題が解決されていないことが発覚。
自己中心的なアダムに反感を覚える同僚もでてきて更なる窮地に陥ってしまいます。
困難にぶつかる中、料理人として自分に欠けているものを教えてくれたのはエレーヌでした。
そして三ツ星獲得に向けて奮闘するアダムは最後に大切なことに気づかされるのです。
【二ツ星の料理人】みどころ
厨房は戦場!?
優雅にホールで食事を取る客たちとは対照的に、厨房の中は戦場さながらにピリピリしたムードが流れています。
料理人の世界は厳しいとよく言われていますが、まさにそのような世界がリアルに描かれていました。
自分の指示に従わないスタッフに対しては、キレて怒鳴り散らし、お皿は投げて割るわ、料理は捨てるわ、やりたい放題のアダム。
彼にとって料理とは単なる美味しいものを作るだけでなくアート作品なのです。
完璧なもの以外は許さないという徹底した信念を持っています。
一緒に仕事をする人にとっては、かなり大変な人だと思いますが、客としてはそれくらい熱い想いを持って作ってくれる人の料理を食べたいですね。
仲間に裏切られる
アダムが店を三ツ星レストランにするべく集めたスタッフの1人ミシェル(オマール・シー)。
ミシェルは、自分の店をアダムがネズミを放ったせいで閉店に追い込まれたという過去がありました。
和解したかと思われていた2人でしたが、ミシェルはその時の恨みを忘れてはいませんでした。
レストランにミシュランの調査員が来たと知った厨房では、アダムをはじめスタッフ一同は一丸となって調理に取り掛かります。
完璧に見えた料理でしたが、ミシェルがソースに大量の唐辛子を混ぜていたことが発覚します。
アダムにとっての一世一代の大一番のタイミングに復讐したミシェル。
アダムは、いくら自分の腕がよくても、三ツ星を取るためにはひとりの力ではダメだと気づかされたのでした。
子どもとの触れ合いにほっこり
いつもスタッフに対してピリピリモードのアダム。
エレーヌが一人娘リリーの誕生日に休みを願い入れるも、即却下します。
優秀な人材ほど代えがいないと言われたエレーヌは、反抗することなく従いました。
とはいえ、娘をひとりぼっちの誕生日にさせるたくなかったエレーヌは、ランチ時に店にリリーを連れてきて、オーナーのトニー(ダニエル・ビリュール)が面倒をみてくれていました。
トニーのオーダーでリリーの為に誕生日ケーキを作ったアダムは、自らテーブルまで持っていきます。
トニーを見たリリーは、一言
「あなたが鬼ね」
と言います。
自信満々に出したケーキも、
「ママの方がいい」
と言われるアダム。
しかしさすがの鬼も、子どもに対しては厨房のような顔を見せずに、一緒にケーキを食べるシーンは、ほっこりとなりました。
ママの方がいいと言われたケーキでしたが、大輪のバラが咲いたようなデコレーションで、とても素敵なものでした。
ミニ情報
ミシュランとは?
”ミシュランガイド”は、美食家にとって指標となっている本です。
フランスのミシュラン社が出版しているガイドブックですが、ミシュラン社の本業は自動車のタイヤメーカー。
1900年の発行当初は、ドライバーに楽しく遠くまでドライブを楽しんでもらいたいとの思いで作られた本なのだそうです。
その後、1923年に出された本に”快適さと適正な値段のレストランに黒い星をつける”というものが加えられ、更に数年後にその星がおいしさを表す評価となっていたとのこと。
匿名調査員が複数回調査を行い、社内の合議制で星の数などが決定されるそうです。
映画の中でも調査員の特徴として
☑二人一組で来店
☑常に予約は7時半
☑1人が早めに来てバーに、連れは30分後に来る
☑コースとアラカルトを注文
☑ワインと水も頼む
☑スーツ姿で礼儀正しいが、床にフォークをそっと置いて従業員が気づくか試す
と話していました。
レストランでおいしそうに食事をしている人の中に、調査員がいるかもしれないと思うと、レストランでの食事の楽しみが増えそうですね。
イケメン実力派俳優のブラッドリー
主役のアダムを演じたのは、様々な映画で多くの賞にノミネートされた経歴を持つイケメン実力派俳優のブラッドリー・クーパー。
本作でも彼の魅力的な演技に引き込まれてしまいました。
俳優業と並行して、映画監督や映画プロデューサーから歌手まで、多彩な才能を発揮しているブラッドリー。
学生の頃にはフランスに留学していたため、フランス語も堪能なのだそう。
映画の中でもフランス語を話すシーンがありました。
このようなイケメンを女性が放っておくわけはなく、ジェニファー・アニストン、キャメロン・ディアス、レネー・ゼルヴィガーなどの大物たちとの交際も噂になっています。
唯一結婚した女性は女優のジェニファー・エスポジート。
しかし、2006年に結婚するも2007年には離婚が成立。
2015年にロシアのモデル、イリーナ・シェイクと交際し女児をもうけましたが、結婚することなく破局を迎えているようです。
【二ツ星の料理人】感想
オシャレな料理の数々で、すぐにフランス料理を食べに行きたくなるような映画でした。
一匹狼のようなアダムが、壁にぶつかりながらもエレーヌやトニーのような良き仲間に恵まれて大切なものを見つけていくストーリーで、スッキリと終わる結末も良かったです。
ミシェルが出した料理の相手はミシュランの調査員ではなく、見ている方もホッと一安心。
そして最後にミシュランが来た!という所で終わるのですが、きっとお店は三ツ星を獲得できたと思います。
まかない料理もスタッフと一緒に食べなかったアダムが、最後には仲間に入って一緒に食べるシーンも、ようやく一つになれたね!という感じで心が温かくなりました。
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