Netflixで配信中の【ブラッド・レッド・スカイ】キャストと考察。”病気治療”のため入院先に向かっていた母子が乗り合わせた飛行機でハイジャックが発生。母は息子を助けるため犯人の前に立ちはだかり……。ペーター・トアバルト監督によるイギリス・ドイツ合作の新感覚ヴァンパイア・ホラー映画。
【ブラッド・レッド・スカイ】あらすじ
ある雪の日、まだ歩けないエリアスとナディアは夫の運転する車に乗っていました。
ところが、途中で車が故障し夫はナディアとエリアスを車に残し、ひとり助けを呼びに歩いていきました。
なかなか戻らない夫を心配したナディアはエリアスを抱きかかえ、小さなペンライトで照らしながら雪道を歩きます。
夫の足跡らしきものを見つけ進んでいくと、廃墟に近い一軒家に繋がっていきました。
ナディアは、ペンライトの小さな明かりを頼りに中に入ってみることに……。
すると、引きずられた跡のような血痕を発見。
血痕は地下に続いていました。
ナディアは、ライトを照らしながらゆっくりと階段を降りて行きます。
すると、そこには夫の死体が転がっており、驚くと同時に人間ではない”何か”に襲われ、始末したものの手を噛まれてしまいました。
*
その日、ナディアは入院先に向かうため小学生低学年ほどに成長したエリアスに、空港に荷物を預けに行かせました。
受付の女性に「ママは後から来る」と説明して荷物を預け、母に連絡します。
母が来るのを待っている間に、エリアスは搭乗待ちをしていたファリードに声を掛け仲良くなりました。
一方で、エリアスから連絡を受けたナディアは、陽が落ちるのを待って空港に向かってリアスと合流し無事飛行機に乗り込みます。
先ほど、エリアスが話していたファリードも近くに座っていました。
そして飛行機は離陸。
しかしその直後、飛行機は「ハリファイの戦士」と名乗る数人の男たちにハイジャックされてしまったのです。
登場人物/キャスト
ネタバレを含みますのでご注意ください。
エリアス/カール・アントン・コック
”訳ありの母親”の秘密を知っている男の子。
昼間は行動できない母に変わり、飛行機の搭乗手続き等を行った際にファリードと知り合います。
ナディア/ペリ・バウマイスター
エリアスが赤ん坊だった頃、乗っていた車が故障し助けを求めに行った夫ニコライを探している時に”何か”に襲われ、噛まれてしまいました。
普段は抑制剤のような薬を使用していますが、息子を助けるためにあえて使用せず吸血鬼の身体能力を生かしてハイジャック犯と戦います。
バーグ/ドミニク・パーセル
ハリファイの戦士を名乗るハイジャック犯のリーダー。
落ち着きのある男ですが、中盤で”変身”したナディアにかみ殺されてしまいます。
ファリード/カイス・セッティ
エリアスと仲良くなり、ハイジャックされた後もエリアスを気に掛けていました。
飛行機着陸後、ハイジャック犯と勘違いされ逮捕されてしまいます。
ラストではエリアスを「自分の息子だ」と言って必死で探していました。
エイボール/アレクサンダー・シェア
男性CAとしてこの飛行機に搭乗していましたが、実はハリファイの戦士を名乗るハイジャック犯の仲間でした。
容赦なく人を殺害するサイコ男。
ナディアの正体を知った後、彼女の血液を自分に注射して”変身”しました。
カール/ローランド・ムーラー
カールはバーグに忠実な部下。
ハイジャック犯の中でも一番情がある男性で、むやみに人を殺したがるエイトボールをサイコ呼ばわりして嫌い、常に殺したいと思っています。
アラン・ドラモンド/クレアム・マクタヴィッシュ
軍の司令官。
保護したエリアスの言葉を信じず、着陸後の機内に兵士を送ってしまいました。
ファリードを犯人と勘違いしましたが、ラストで誤解だったことに気づき解放します。
ナディアの正体
ナディアを噛んだのは吸血鬼で、彼女も感染してしまいました。
吸血鬼に噛まれた後、渇きに襲われ人間の血を飲むことで変身します。
ナディアが”誰”の血を飲んだのかは映し出されていませんが、夫の死体が転がっていた描写から推測するに、おそらく彼の血。
その後も渇きに抗えず、パックに入った肉からにじみ出た血を飲むこともありました。
そこでナディアは、襲われた場所に戻り噛んだ吸血鬼が保管していた「抑制剤」のようなものを盗みます。
その際、吸血鬼だった男の父親と名乗る老人に殺されそうになるも、襲い掛かって殺し建物に火を放ちました。
ナディアが吸血鬼であることはエリアスは知っていましたが、入院先の医師が知っているかどうかは不明。
ただ、ナディアは治療を受けられることに大きな希望を持っていたようです。
息子への無償の愛で戦う母の強さ
ハイジャックされたことに気づいたナディアは、息子を守ることだけを考えていましたが、エイトボールに撃たれてしまいます。
数分後、ナディアは吸血鬼として復活し、その身体能力を生かし先回りしながらハイジャック犯をひとりずつ始末していきます。
母の想いに反し、エリアスは助けになることを何かしようと動き回りナディアを翻弄させました。
吸血鬼というと、俊敏な動き、とてつもない力で人間は無力な存在にしか見えませんが、ナディアはそこまで強い吸血鬼ではありません。
確かに、通常の女性よりも力はありますが、男性と闘うシーンでは殴り倒される場面もありました。
過剰な演出ではない人間に近い状態の吸血鬼かつ、息子を思う母という設定はある意味共感できる作品といえるでしょう。
ただ、抑制剤がどれほど重要なものだったのかはラストで知らされます。
自分の命を懸け、そして人間に戻れる可能性が少ないことに気づいたナディアは、ファリードにエリアスを託して変化したエイトボールと対峙することを決めました。
そして彼女は変化したまま人間に戻ることはなく、エリアスに襲い掛かろうとしてしまいました。
あれほどまでに守ろうとした愛する息子を、彼女は忘れてしまったのです。
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