ネタバレ解説
「ブリッツロンドン大空襲」は、「HUNGER/ハンガー」や「それでも夜は明ける」を手掛けた、スティーヴ・マックイーンが監督を務める親子愛を描いたヒューマンドラマ映画です。マックイーン監督はイギリスのロンドン出身ということもあり、”ブリッツ(大空襲)”がロンドン市民のアイデンティティ形成に与えた影響について深く考えてきたと語っています。
マックイーン監督は2000年代初頭からブリッツを題材にした映画を構想していたものの、「スモール・アックス」シリーズの構想中に発見した1枚の写真が実際に制作のきっかけとなりました。その写真には、大きなスーツケースを手に駅のプラットフォームに立つ小さな黒人少年が写っていました。
これがマックイーン監督の心に強く残り、ブリッツの時代を生きた黒人少年の物語を描きたいという思いに繋がったとのこと。また、ロンドンの帝国戦争博物館より任ぜられたイラク戦争の公式戦争アーティストとしての経験も、「ブリッツロンドン大空襲」の政策に大きな影響を与えています。
「ブリッツロンドン大空襲」では、第二次世界大戦中のロンドンの多様性を描くことにも重点を置いており、当時のロンドンに暮らしていた様々な人種や文化的背景をもつ人々などの多様性を反映されました。
作中で唯一の混血児として描かれた主人公ジョージは、様々な差別や偏見に直面しますが、一方で空襲という共通の脅威に直面する中で人々が協力する姿も描かれており、戦時下の複雑な社会状況が表現されています。
こうした当時の社会状況は現代の世界情勢と多くの共通点があると、マックイーン監督は語ります。人々が脅威に直面する状況での人間性や社会の在り方は戦争とパンデミックでも変わらず、今私たちがどうあるべきなのかを「ブリッツロンドン大空襲」から学ぶことができるのかもしれません。
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