【最高に素晴らしいこと】あらすじと名言。生きることの大切さを君が教えてくれた。

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【最高に素晴らしいこと】あらすじと名言。本作は、ジェニファー・ニーヴン著の小説【僕の心がずっと求めていた最高に素晴らしいこと】(2015)を原作とした恋愛映画です。姉を亡くして心を閉ざした高校生のバイオレットが、クラスの変わり者フィンチとの出会いを機に少しずつ立ち直っていくストーリー。しかし、バイオレットを待ち受けていたのは衝撃の結末で……⁉︎また、作中で流れる曲についてもご紹介します。

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【最高に素晴らしいこと】あらすじ

インディアナ州の小さな街に住むバイオレット・マーキー(エル・ファニング)は、大好きな姉を交通事故で亡くした高校生の女の子。

バイオレットは姉の死から何ヶ月も経った今もなお立ち直れず、明るく活発だった頃からは想像もつかないほど塞ぎ込むようになってしまいました。

そんな中で迎えた姉の誕生日、事故現場である橋の欄干に立つバイオレット。

しかし、ちょうどランニング中で通りがかった同じクラスのセオドア・フィンチ(ジャスティス・スミス)に助けられます。

フィンチはそこが事故現場だとは知らず咄嗟に助けただけだったものの、後にバイオレットの姉の事故現場だと知ると、塞ぎ込む彼女のことが気になり始めました。

フィンチもまた心に傷を負う者であり、幼い頃に父から虐待を受け続け、その影響から双極性障害に悩まされていたのです。

翌日、バイオレットのクラスでは学校の卒業課題として、”インディアナ州の名所巡りを2人1組で行う”というものを出題されました。

自分の殻に閉じこもっていたバイオレットは、誰かと共同作業をするのが億劫で課題に乗り気でなかったものの、フィンチと組み彼の自由気ままな性格や想像力の豊かさに次第に心を開いていきます。

実はフィンチの真の目的はバイオレットが社交性を取り戻すことであり、心を閉ざして外の世界との交流を自ら拒んでいたバイオレットの架け橋になりたかったのです。

そんなフィンチの作戦は大成功で、ついには頑なに拒んできた車での移動が必須となる名所巡りにまでも挑んでみせたバイオレット。

こうしてバイオレットはフィンチと共に過ごすようになって目に見えるほどに変化を遂げ、かつての明るい姿を取り戻しつつありました。

そして、共に過ごすことの増えたバイオレットとフィンチは互いに惹かれ始め、いつの間にか恋に落ちていったのです。

フィンチのお陰で回復を見せるバイオレットの傍で、今度はフィンチが心に影を落としていました。

父に似て激昂しやすいフィンチは、感情のコントロールが上手くできずによく問題を起こし、自分が抱える問題を解決することができず苦しんでいたのです。

暴力的だった父のようになることを恐れ、ランニングをしたりポストイットに言葉を書き留めたりと、自分をコントロールする術を模索しています。

母と姉は仕事で家を留守にしがちで孤独を感じていたフィンチからすれば、バイオレットの存在は心の拠り所となっていました。

バイオレットが自分を取り戻すことは喜ばしい一面、またしてもフィンチは孤独へと陥ってしまいます。

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【最高に素晴らしいこと】名言

あんな経験はもう嫌だ

「あんな経験はもう二度と嫌だ」

引用元:【最高に素晴らしいこと】より引用

これは、フィンチがバイオレットに向けて作った曲をSNSにアップした意図を、彼女に聞かれた際に答えた時のもの。

この言葉はイギリスの作家ヴァージニア・ウルフの遺書の一文ですが、フィンチは死に向かったこの言葉を正反対の意味で、バイオレットを世界に繋ぎ止めるための言葉として使っています。

大きな可能性が芽生えるのを感じた

「大きな可能性が芽生えるのを感じた」

引用元:【最高に素晴らしいこと】より引用

これは、初めてフィンチとバイオレットが学校外で2人で会った時に、フィンチがバイオレットに送った言葉です。

この言葉もヴァージニア・ウルフ著の【The Wave(波)】からの引用で、姉の死から一歩を踏み出せないでいるバイオレットに向けて、君にも可能性があるということを伝えました。

自分に正直でなければ他人を理解できない

「自分に正直でなければ他人を理解できない」

引用元:【最高に素晴らしいこと】より引用

これは、フィンチとバイオレットのヴァージニア・ウルフの引用を用いたメールのやり取りの中で、バイオレットが送ったもの。

この言葉もヴァージニア・ウルフ著の【斜塔】からの引用で、フィンチはまるで本心を語れない自分を表したかのような引用に思わず苦笑いを浮かべました。

思い出すのはその日でなくそのひと時だ

「思い出すのはその日でなくそのひと時だ」

引用元:【最高に素晴らしいこと】より引用

これは、フィンチから姉のことを聞かれたバイオレットが姉が好きだった詩として紹介したもの。

この言葉はイタリアの詩人チェーザレ・パヴェーゼの詩からの引用で、ヴァイオレットの姉はいつもこの言葉でバイオレットのことを慰めてくれていたと打ち明けました。

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【最高に素晴らしいこと】曲

Where Do You Go?/Claire George

早朝ランニングをしていたフィンチが、橋の欄干にパジャマ姿で立つバイオレットを見つけた時に聴いていたのが、Claire Georgeの【Where Do You Go】。

この楽曲の歌詞には、”I See you looking at me,But your broken soul is frozen(あなたが私を見ているのはわかるが、あなたの壊れた魂は凍っている)”などとあり、フィンチのバイオレットへの想いを投影している内容となっています。

Waking Up/Mr Little Jeans

バイオレットがフィンチとパートナーを組んで学校の課題に取り組むことを伝えた時に、フィンチの車で流れていたのが、Mr Little Jeansの【Waking Up】。

この楽曲の歌詞で何度も繰り返される”I ain’t waking up(私は目覚めていない)”という言葉は、まるでフィンチの心を移しているかのようであり、さらにこれからバイオレットと過ごす時間が自分を変えてくれるのではという期待も込められているように感じさせます。

NONONO/Pumpin Blood

フィンチが学校のカウンセリングにて”変人扱いに時々無性に腹が立つ”と本音をこぼした日の夜、ランニングをするフィンチが聴いていたのが、Pumpin Bloodの【NONONO】。

この楽曲の歌詞には、”It’s a magical feeling that no one’s got a hold, You’re a catalyst to your happiness you know”(誰にも邪魔されないマジカルな気分よ、あなた自身が幸せの刺激なのよ、わかってるでしょ)などとあり、フィンチのバイオレットへの想いを感じさせる内容となっています。

Too Young To Burn/Sonny and Sunsets

姉の事故以来は車に乗ることを避けていたバイオレットが恐怖を克服し、初めてフィンチと長旅をした帰り道に彼が歌っていたのが、Sonny and Sunsetsの【Too Young To Burn】。

”When I was just a kid they said, Kid don’t you cry, I am older now I say, It’s alright, Every tear rollin down Is a lesson learned(子供の頃はみんな泣くなと言ったけど、大人になった僕は泣いてもいいと言うよ。こぼれ落ちる涙は全て学ぶべき教訓なんだ)”

この楽曲の歌詞は、まるでバイオレットが涙を流して前へと進み始めたシーンを表しているかのようで、言葉ではなく歌で励ますというのがとてもフィンチらしい一面です。

November/Babeheaven

バイオレットと無断外泊をしてしまったフィンチが、彼女の両親に理由を話すも聞き入れてもらえず、心が不安定になり自分を見失いかけた時に聴いていたのがBabeheavenの【November】。

”I’m just so tired, Of all of this, Don’t fuck up lives, Don’t ruin mine, I can’t get away(私はとても疲れています。この全ての人生を滅茶苦茶にしないでください。私を台無しにしないでください、逃げられない)”

この楽曲の歌詞は、フィンチが自分を見失う感覚から逃げ出せず苦しんでいる様子を投影している内容となっており、フィンチの心を叫びを感じさせます。

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【最高に素晴らしいこと】感想

明るい青春恋愛映画かと思って観たら全く予想とは異なり、非常にメッセージ性の強い作品でした。

ティーンエイジャーが抱える悩みや心情をリアルに描いていますが、誰しもが通る悩みなのでどの世代でも共感できるでしょう。

姉の死という辛い経験から心を閉ざしたバイオレットが、自分も闇を抱えるフィンチによって立ち直る姿には勇気をもらえました。

何よりもフィンチの少し変わった励まし方や優しさがとても微笑ましくて、その全てにバイオレットへの愛情を見て取ることができます。

その甲斐あって、バイオレットは次第に自分らしさを取り戻していきますが、その反面フィンチが心に影を落としていくのにはとても切ない気持ちになりました。

フィンチはバイオレットを励ますことが、自分の問題を解決する糸口が見つからない中での生きがいとなっており、そんな彼女が自分の力を不要となったことで生きがいを失いかけてしまったのでしょう。

また、主人公バイオレットを演じるエル・ファニングと、フィンチ演じるジャスティス・スミスの演技力の高さも注目して頂きたいポイントのひとつです。

エル・ファニングは【SUPER8/スーパーエイト】(2011)で一躍有名となり、ジャスティス・スミスは【名探偵ピカチュウ】(2019)で主役を演じて脚光を浴びました。

そんな未来を注目されている、若手俳優のエル・ファニングとジャスティス・スミスの好演にも是非ご注目ください!

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