【アバウト・タイム~愛おしい時間について】は2013年のイギリスのタイムトラベル恋愛映画です。主人公がタイムトラベルを繰り返す中で本当の幸せとは何かに気付いていく姿を描いています。主演はドーナル・グリーンソン、ヒロインにレイチェル・マクアダムス、主人公の父親役をビル・ナイが演じています。
あらすじ
イギリスの西南部に住む主人公のティム(ドーナル・グリーンソン)は自分に自信がなく、年頃になっても彼女が出来ずにいました。
そんななか迎えた21歳の誕生日に、父(ビル・ナイ)から「先祖代々 一家に生まれた男性はタイムトラベルが出来る」と告げられます。
ティムは彼女を作るため、タイムトラベルを繰り返すようになりました。
その後、ティムは弁護士を目指すためにロンドンに移り住み、メアリー(レイチェル・マクアダムス)と言う女性と出会い恋に落ちます。
ティムは、タイムトラベルを使ながらメアリーとの恋を育みながら人生を謳歌していましたが、タイムトラベルの能力があっても解決しない問題にぶつかります。
どの家族にも起こる不幸はどんな手を使っても回避することは出来ない、それを知ったティムが下す人生最大の選択とは?
キャスト紹介
ティム/ドーナル・グリーンソン
彼女もおらず、自分に自信が持てない青年。
自分にタイムトラベル能力があることをきっかけに彼女を作るべくタイムトラベルを繰り返すなかで、人生で大切なことに気付いていきます。
ティム役を演じたのは、アイルランドの俳優のドーナル・グリーソンです。
デビュー当時は舞台に多く出演し、2006年公開の【ウィー・トーマス】でトニー賞にノミネートされました。
2010年から【ハリー・ポッター】シリーズでビル・ウィーズリー役を演じ、2015年からは【スター・ウォーズ】シリーズでアーミテイジ・ハックス将軍役を演じています。
俳優のブレンダン・グリーソンは実の父親です。
主な出演作品は、【ハリー・ポッターと死の秘宝Part1】(2010)、【ハリー・ポッターと死の秘宝Part2】(2011)、【FRANKーフランクー】(2014)、【エクス・マキナ】(2015)、【スター・ウォーズ】シリーズ、【レヴェナント:蘇えりし者】(2015)、【バリーシール/アメリカをはめた男】(2017)、【ピーターラビット】(2018)、【ピーターラビット2/バーナバスの誘惑】(2021)。
メアリー/レイチェル・マクアダムス
のちにティムの妻となる本作のヒロイン。
出版社の閲読係として働いており、暗闇で見知らぬ異性と話すことができるレストランでティムと出逢います。
メアリー役を演じたレイチェル・マクアダムスはカナダ出身の女優で、12歳から演技を学び始めトロントのヨーク大学に進学して演技を専攻。
1998年のディズニー映画【ザ・フェイマス・ジェット・ジャクソン】でデビューし、2004年公開の【きみに読む物語】でブレイクしました。
主な出演作品は、【ミーンガールズ】(2004)、【きみに読む物語】(2004)、【幸せのボートレート】(2005)、【きみが僕を見つけた日】(2009)、【シャーロック・ホームズ】シリーズ、【ミッドナイト・イン・パリ】(2011)、【パッション】(2012)、【スポットライト 世紀のスクープ】(2015)、【ドクターストレンジ】(2016)、【ゲームナイト】(2018)。
ティムの父/ビル・ナイ
50歳で大学の教員を辞め、自宅で読書をするなど悠々自適に暮らしています。
ティムの21歳の誕生日にタイムトラベル能力があることを告げ、ティムが結婚して2人の孫が産まれた後に癌で亡くなります。
ティムの父を演じたビル・ナイはイギリス出身の俳優で、ギルドホール音楽演劇学校で演技を学び、1975年デビュー、1981年に映画初出演しました。
【パイレーツ・オブ・カリビアン】シリーズのデイヴィ・ジョーンズ役や【アンダーワールド】シリーズのビクター役で知られています。
2006年には【ヴァーティカル・アワー】でブロードウェイデビューを果たし、演技が高く評価されました。
主な出演作品は、【オペラ座の怪人】(1989)、【カーテンコール】(1996)、【ラブ・アクチュアリー】(2003)、【アンダーワールド】シリーズ、【シーン・オブ・ザ・デッド】(2004)、【パイレーツ・オブ・カリビアン】シリーズ、【ATOM】(2009)、【ハリーポッターと死の秘宝Part1】(2010)、【タイタンの逆襲】(2012)、【ジャックと天空の巨人】(2013)、【人生はシネマティック!】(2016)、【名探偵ピカチュウ】(2019)、【幸せの答え合わせ】(2019)、【MINAMATA-ミナマタ-】(2021)。
【アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜】幸せのヒントになる名言まとめ
本作には幸せな人生を送るためのヒントや秘訣がたくさん散りばめられています。
その中でも素敵だと思う名言をまとめました。
「わたしたちの人生も同じよ。いろんな天気があるわ。楽しんで!」
ティムとメアリーの結婚式でメアリーが言ったセリフです。
2人の結婚式は強風が吹く大雨で最悪の天候でしたが、それを悲観するよりあいにくの天気でも”楽しむこと”が大切だというメアリーは魅力的で素敵な女性です。
「人生には良いことも悪いことも起きる。キリストを見てみろ。神の子だというのにあんな目に遭っている。」
父親の癌が発覚して、ティムが「癌にならない過去を選べないのか」といったときの父のセリフです。
タイムトラベルの能力があっても、どんな能力があっても、悪いことは誰にだって起きてしまう。
タイムトラベルを使った人生を送っていた父の答えは、良いことも悪いことも含めて生きていくことが人生なんだと感じたのでしょう。
「僕はもう過去には戻っていない。昨日でさえも。僕は毎日を生きている。まるでその日をやり直したときのように、とんでもないありふれた人生の今日が最後の日だと思って。」
ティムの父はティムにタイムトラベルをする際、「過去に戻ってもういちど全く同じように過ごすと、1回目では気付けなかったことに気付くことができる。」という秘訣を伝えました。
しかしティムはもう過去に戻らずとも、”毎日が人生の最後の日”だと思って過ごすようになりました。
タイムトラベルを使わない普通の日常に小さな幸せがたくさん散りばめられています。
その小さな幸せ=当たり前の幸せに気付くことが、より良い人生を送る秘訣なのかもしれません。
人生を変えるきっかけは
タイムトラベルを題材にしたほのぼの恋愛映画だと思っていましたが、後半からは家族愛が描かれており、ラブストーリーが苦手な方でも観やすい作品です。
タイムトラベルをする前は自分に自信がなかったティムが、タイムトラベルをきっかけに自信をつけていき、逞しい父親に成長していく様も見どころです。
ティムはタイムトラベルがきっかけで自分も人生も変わっていきましたが、どんな人でもきっかけがあれば自分も人生も変えていけるはず。
この一本の映画を観た人が、人生を豊かにする小さなきっかけになることも願いながら制作されたのだと思います。
観終わったあと自分の人生を振り返りながら今の自分があることを考えると、自分の過去も悪くなかったと思える名作です。
©Universal Pictures