2020年公開のロシア映画【シルバースケート】キャストとネタバレ解説。貧困層出身の少年が貴族出身の少女と出会い恋に落ちる。身分の違う2人の恋の行方は……。
【シルバースケート】あらすじ
19世紀、舞台は冬のロシア、サンクトペテルブルグ。
レストランの配達員として生計を立てていた主人公のマトヴェイ(ヒョードル・フェドトフ)は、この日も市内を颯爽とスケートで滑りながら配達に向かっていました。
不運にも道路の通行止めにより、時間内に届けることができず、不当にも配達員をを解雇されてしまいます。
そんなマトヴェイに声をかけたのは、アレックス(ユーリー・ボリソフ)という男でした。
実は、アレックスとその仲間たちは集団で盗みを働くスリ集団だったのです。
そして、彼らの一員になったマトヴェイはある夜、侵入した貴族の屋敷でアリサ(ソーニャ・プリス)という娘と出会い……。
【シルバースケート】キャスト
マトヴェイ役/フョードル・フェドトフ
マトヴェイは、貧困家庭で育ったアイススケートの配達員です。
マトヴェイ役を演じたのは、ロシア出身の俳優フョードル・フェドトフ。
出演作品は【シャーロック・ホームズ ロシア外伝】(2020)、ロシアのTVシリーズ【V parke Chair】。
アリサ役/ソーニャ・プリス
アリサは父が大臣という貴族出身の女性です。
科学分野の研究のため大学を進学考えており、結婚を推し進める両親と衝突します。
アリサ役を演じたのはロシア出身の若手女優、ソーニャ・リプス。
アレックス役/ユーリー・ボリソフ
マトヴェイを仲間に誘った張本人。
スリ集団のリーダーであり、頭がキレる青年です。
アレックス役を演じたのはロシア出身のユーリー・ボリソフ。
代表作は【AK-47 最強の銃 誕生の秘密】(2020)、【Tー34 レジェンド・オブ・ウォー】(2020)
トルベツコイ大尉役/キリル・ザイツェフ
軍の公安課所属の大尉。
出世欲があり、そのひとつとしてアリサとの結婚を目論んでいます。
トルベツコイ大尉役を演じたキリル・ザイツェフはロシア出身の俳優であり映画監督、プロデューサーです。
代表作は2016年ロシアで高収益をあげた映画【ゴーイングバーティカル】。
ニコライ・ニコラエヴィッチ役/アレクセイ・グシュコフ
アリサの父であり、大臣。
女性の幸せは結婚することにあるという凝り固まった考えで、アリサの進学を認めません。
ニコライ役を演じたアレクセイ・グシュコフはポーランド出身の俳優で、代表作は【オーケストラ】(2009)。
セヴェリナ役/セヴィリヤ・ヤノシャウスカイテ
アリサの母。
アリサの母セヴェリナ役を演じるのはリトアニア出身の女優、セヴィリヤ・ヤノシャウスカイテ。
代表作は【Selfie】(2018)、【Starr】(2014)。
ジャクソン役/キャシー・ベルトン
アリサの家庭教師。
キャシー・ベルトンはアイルランド出身の女優で、舞台、ラジオ、テレビ、映画と多方面に渡り活動しています。
代表作は【My Name Is Emily】(2015)、【Philomena】(2013)。
【シルバースケート】ネタバレ
少年たちによる盗みは留まることを知らず、彼らは大金を得ていきます。
しかし、あまりにも頻繁に起こるスリと窃盗についに警察が動き出し、彼らと同じように氷上をスケートで滑る練習を始めます。
一方で、盗んだ品の中に貴族たちが集まる舞踏会の招待状を見つけたアレックスとマトヴェイは、舞踏会に行ってみることに。
舞踏会にはアリサも来ていました。
そこでマトヴェイと再会したアリサは、盗みを黙認する代わりに夫と偽り、自分の大学入試に立ち会ってほしいと持ちかけ、マトヴェイは承諾します。
残念ながらアリサは入試に失敗しましたが、マトヴェイとの関係はその後も続いていきました。
ある日、マトヴェイはいつものように市内で盗みを働いていた時、仲間の1人が起こしたミスにより警察から追い回されてしまいます。
マトヴェイは、軍の公安課所属の大尉トルベツコイ(キリル・ザイツェフ)に捕まりかけましたが、間一髪のところでアレックスに助けられました。
これをきっかけに、警察に目を付けられたアレックスたちは絶体絶命の危機を迎えます。
仲間は全員捕まりマトヴェイのみが逃げ切ることができましたが、氷の海に飛び込んだため凍傷と怪我により入院を余儀なくされました。
そんな中、アリサは強引に結婚の準備を進められていました。
ところが、挙式当日マトヴェイは2人分のパリ行きのチケットを持って会場へと潜入。
アリサは驚きながらも彼の手を取り、2人は隙を見て逃げ出します。
トルベツコイは2人を追いかけますが、マトヴェイに阻まれアリサを取り戻すことはできませんでした。
そして4年後。
そこには、幼い息子にスケートを教えるマトヴェイとアリサの姿がありました。
【シルバースケート】の解説とまとめ
1899年のサンクトペテルブルクを舞台に描いたロシア版【ロミオとジュリエット】で、Netflixオリジナルとして初のロシア映画となり、評論家からも注目を浴びると同時に高く評価されました。
作品終盤では大学で教鞭をとるアリサの姿が描かれていますが、19世紀のロシアでは高等教育を望む女性が増えたことが背景にあり、アリサのように海外に学びに出る女性も少なくありませんでした。
作中ではロシアの歴史や社会問題が物語のテーマとして描かれているため、現代におけるリアルなロシアを伺えるのも特徴。
キャストは新人からベテランまで彩り、クラシックなオリジナルサウンドも耳に心地いい作品です。
さらに氷上でのスケートを使ったアクションシーンは、とても美しく一見の価値があります。
メインキャストの多くがロシア出身であり、主演のヒョードル・フェドトフ、ソーニャ・プリスを始めとした若手俳優たちの今後に期待がかかります。
© Netflix