2015年に公開された映画【バケモノの子】は、【おおかみこどもの雨と雪】(2012)に続く細田守監督の3作目となる長編オリジナル作品です。本作は、バケモノたちの世界を舞台に、バケモノと人間の「親子の絆」をテーマに描かれた作品となっています。キャッチコピーは「キミとなら、強くなれる」を、ぜひ。
【バケモノの子】あらすじ
ある日、家出した9歳の少年 蓮(宮崎あおい)は、バケモノの世界「渋天街」に迷い込みます。
元の世界に戻ろうとしますが、来た道は閉ざされており、蓮は渋天街で一二の実力を争う熊のバケモノ 熊徹(役所広司)と出会い、「九太」と名付けられます。
熊徹は、最も武術と品格に優れた者がなるしきたりであるバケモノ界の長老の後継者の候補に挙がっていましたが、弟子がいないことを理由に後継者を決める闘技会への出場ができずにいました。
熊徹は人間界からやってきた九太を見込み、弟子として2人は共同生活を送ることを決めました。
共同生活を始めた頃は、2人の性格はまるで合わず、日々衝突しながら修行を重ねていましたが、8年の時を経てお互い心身ともに成長し、九太と熊徹はいつしか親子のような関係を築いていました。
キャスト情報
《九太(きゅうた)・蓮(れん)/宮崎あおい・染谷将太》
本作の主人公で、両親の離婚と母親の死を経験し、渋谷の街に逃げ出していた9歳の男の子です。
本当の名前は「蓮」ですが、バケモノの世界で熊徹と出会い、自分の名前を言わず、年齢しか答えなかったことから「九太」と呼ばれるようになります。
幼少期の九太の声を演じたのは、【ソラニン】(2010)、【舟を編む】(2013)、【世界から猫が消えたなら】(2016)など数多くの作品に出演する女優の宮崎あおいです。
青年になった九太の声を演じたのは、【寄生獣】(2014)、【バクマン。】(2015)、【ヒミズ】(2012)など数多くの作品に出演する俳優の染谷将太です。
本作では、他にも大泉洋や広瀬すず、黒木華、リリー・フランキー、津川雅彦など豪華な俳優や声優が出演しています。
《熊徹(くまてつ)/役所広司》
大きな熊のような姿をした、バケモノの世界「渋天街」で暮らす九太の師匠です。
独学で武術を身につけたため、武術を分かりやすく教える方法が分からず、九太の指導に苦戦します。
熊徹の声を演じたのは、【THE 有頂天ホテル】(2006)、【Shall we ダンス?】(1996)、【三度目の殺人】(2017)などの作品に出演する俳優の役所広司です。
宮崎あおいと染谷将太は、細田守作品の前作【おおかみこどもの雨と雪】(2012)にも出演しており、役所広司と染谷将太は、細田守作品の最新作【竜とそばかすの姫】(2021)にも出演予定です。
バケモノの世界と人間界
九太の生きるべき世界
ある日偶然、青年になった九太は、渋天街から人間界に戻ります。
そこで出会った楓という女子高校生から勉強を教わり、大学進学を考えるようになった九太は、これから生きるべき世界や将来について真剣に考えるようになります。
さらに区役所で住民票を調べ、離婚してから会っていない実の父親の住所を知り、父親との再会を果たし、映画の後半では、「一緒に暮らそう」と言う父親を素直に受け入れられない九太の心の移り変わりが見どころとなっています。
次期宗師を決める闘技会
闘議会の決勝には、数多くの弟子をもち、次期宗師の最有力候補と言われる猪のバケモノ 猪王山(いおうぜん)と熊徹の2人が残りました。
両者一騎打ちの決勝戦で、熊徹は九太がいないことで集中を切らし、猪王山にノックダウン寸前まで追い込まれてしまいます。
人間界から戻った九太は、負けそうな熊徹に喝を入れ、力を取り戻した熊徹は猪王山を投げ飛ばし、見事次期宗師を決める戦いに勝利します。
本作では、猿や豚や兎など様々な動物の顔をしたバケモノの世界の個性豊かなキャラクターたちも見どころの1つとなっています。
「親子の絆」がテーマ。
本作は、バケモノの熊徹と9歳の少年の九太の「親子の絆」をテーマに、細田守作品の特徴であるファンタジーな世界観と家族愛を存分に感じられる作品となっています。
Mr.Childrenが歌う主題歌「Starting Over」は、力強い歌声が作品のイメージと合っていて、何度聞いても元気をもらえます。
本作は2021年6月に、劇団四季による新作オリジナルミュージカル「バケモノの子」が2022年4月から長期公演されることが発表され、原作である本作にも再び注目が集まっています。
ぜひ、ご覧下さい。
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